君(黄身)と
第8章 「君(黄身)と」
部屋に光が差し込む
千遥 「うわ、寝てたわ」
1階へおりると母が大きな声で言った
母 「千遥!おはよ!あんた昨日お風呂も入らず寝ちゃて!学校ちゃんと行きなさいよ!」
千遥は無視して浴室へ向かった
ジャーー
千遥 (あー今日あの転校生に会うのなんか気まずいなー)
お風呂をあがると食卓テーブルには目玉焼きとサラダとトーストが置かれていた
母 「時間ないわよ、早く食べなさい」
千遥 「わかってるって。いただきます」
母 「あ、それともうすぐ文化祭じゃないの?」
千遥 (文化祭、、)
フォークが目玉焼きの黄身に刺さる
それと同時に半熟だったのか黄身がとろーっと流れる
千遥 「行くかわからないから」
母 「えっ!?行きなさいよ!」
カラン
黄身に刺さっているフォークごと手から離れる
千遥 「ご馳走さま。」
千遥はそれだけ言い2階にあがった
千遥 「あーどーしよ。」
ドライヤーで髪を乾かしながら千遥は囁いた
(会いたかった〜寂しかった〜でも何一つ君に〜)着信音
侑未だ
千遥 「もしもし」
侑未 「あ、もしもしおはよ千遥。今日はちゃんと遅刻せず学校くるの?」
千遥 「んー、多分間に合わないかな」
侑未 「えー、またー?早く来てね。じゃあね」
プツ。プープープー、、、
侑未とは昨日のあれ以来初めて話したが昨日の怒っていた雰囲気はない
千遥 「とりあえず準備しよ」
千遥はギャルだから当然準備に時間はかかる
髪の毛をアイロンし、濃いめの化粧をし、スカートを折り込み短くする
そしてキーホルダーじゃらじゃらのスクールバッグを手に取り階段をおりた
母 「千遥!もう遅刻じゃないの!早く行きなさい!」
千遥 「もうでるって。うるさいな」
冷たく母に言うと玄関を開けて学校へ向かった
ガラガラ〜
千遥 「おはよー」
教室に入ると1時間目が既に始まっていた
当然クラスのほとんどの目が冷たい
先生 「村上さんおはよう。席に座りなさい」
自分の机の方に向かうと流星と目があった
千遥 (やば、気まず)
流星 「おはよ、教科書きたから!」
千遥は少し萎えた
千遥 「あ、そう良かったね」
席に座ると机の上には1枚の手紙が置いてあった
千遥 「なにこれ」
中身を見てみるとそこには一言だけ書かれていた
[今日昼に君と話したい]
千遥はすぐに流星と気づいた
横を見ると流星は黒板を見ている
千遥 (なんだろ、、)
キーンコーンカーンコーン
1時間目が終わると侑未がすぐに来た
侑未 「おはよ!トイレいこ!」
2人はトイレに向かう
侑未 「え!まじ?それって告白じゃないの?」
千遥 「いやいや、ありえないでしょ」
侑未は昨日の出来事を知らない
侑未 「とりあえずちゃんとそれは行きなよ」
千遥 「うん」
2時間目から千遥はずっと流星になにを言われるのか考えていた
そしてお昼になる
お昼になると流星が喋りかけてきた
流星 「屋上いるから」
そう言うと流星は教室を出た
千遥も追いかけるように教室を出た
だが流星はもういない
屋上へ上がるとそこにはフェンスにもたれかかっている流星がいた
流星 「あのさ、、、」