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M26A7E3「ファフニール」  作者: 首輪付き被害者の会
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プロローグ

「ウォッチャーよりエコー3-1」


「エコー3-1、どうぞ」


「反政府軍のキャリバンがハイウェイを移動中。QRFが急行中だが、援護の必要性あり。そちらの現在地は」


「ウォッチャー、こちらは通常パトロール行程の半分を消化した所だ。ハイウェイは近い」


「了解、QRFの現在地を送る。直ちに合流されたし。アウト」



 中東―そこは、ほとんど国家間の戦争が絶えたと言っていい21世紀においても、未だ多くの国が複雑に絡み合う、紛争の坩堝であった。

 イギリスが種を撒き、ロシアが育て、アメリカが利益を収穫する、今日では言わずと知れた戦争経済のその舞台。


 彼、ジャック・ハワード大尉は、その利益を収穫する国家に忠誠を誓った一人のアメリカ軍海兵隊員である。

「退却NO、撤退糞食らえ」のスローガンをあしらった部隊章を右肩に、自由と繁栄の象徴たる星条旗

を左肩に貼り付け、その屈強な体躯は、今は砂漠用のAOR1迷彩に隠れている。


「車列各位、聞こえたな。移動中の敵輸送隊に対処する。対戦車ロケットを対空に使う無作法者にマナーを教えてやれ。退却!」


「「「NO! 3-1!!」」」


彼の合図と同時に、彼が率いる部下たちは慣れた手つきで支度を始める。

 両手で抱えるアサルトライフルに給弾。

 戦闘ベストの備品類を隅々までチェックしたところで、彼はハンヴィーの車窓の外の景色に目を向ける。


 いつも変わり映えのない、背丈の高い草か砂しかない道。

 だがふと、その道に違和感を覚えた。


 普段より舗装が綺麗だ。 

 いつもは尻に痛い程伝わる中東のクソみたいな道が、今日は随分と走りやすい。

 まるで、この道を通って下さいと言わんばかりの−




 その意図に気付いた瞬間、彼は遅い警告を発した。


「IEDだ!全車停まれ‼︎」


 直後、彼の意識は暗転した。

 





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