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勇者の踊り子  作者: どくぽん
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エピソード2(準備)


 勇者一行は王様から巻物を渡された。巻物は証書になっており、王の領地での使用に限り、ほぼ無制限に国がお金を肩代わりしてくれるというものである。巻物には特殊な付呪が施されていて、悪用することはできないようになっている。


 各々は街に出向き準備ができたら城の客間に集合する予定である。


 勇者は武具を上物に変えようと武具店を探していた。武器は鍛錬の時から愛用しいている鉄の剣だ。毎日磨いていたからか武器に【光り輝く】が付呪されている。


 付呪とは文字通り、道具などに呪術的な特性を付けることである。付呪師の職業であれば直接付けることも可能だが、特定の条件が揃った時に偶然と付く場合もある。


 勇者の剣の付呪は後者であり、一般的に【光り輝く】は、道具の鍛錬を怠らず、大事に扱うことで顕現すると言われている。用途としては持ち主の任意で光るので松明の代わりになるくらいであるが、勇者は輝く剣を天に向かって掲げると、何か勇者っぽいと思って気に入っていた。


 しかしお金の掛からない今、2本目の予備として何かを新調しておきたい、と考えた。


 勇者の武器ならば長剣か、または聖騎士のように鉄製の鎚矛か。防具はダンサーに簡単に剥がされた事から絶対に良い物が欲しいと勇者は思っていた。勇者は金銭面に問題が無いのならば両方とも最高級のものにする手はずでいた。


 少し街中を歩き、賑やかな本通りから少し外れると武具屋が見つかった。外から中が見えるように大きな硝子張りの窓があるので、品揃えはいかほどかと店の中を覗いてみる。中では店主と思われる男性が武具を大事そうに手入れしていた。一目見て武具が好きで商売をしている事が分かった。


 勇者は買うならばこの店だと思い入店しようとした。しかし、すんでの所で後ろから声が掛かった。


「あら珍しいこと。何とも可愛いらしい子がこんな武具屋の前にいるなんて」


 長い金髪で色々と豊満で綺麗な女性が後ろに立っていた。勇者は自分とはかけ離れた大人の雰囲気のある女性から可愛いと言われ、大いに照れた。


「か、可愛い!?あ、ありがとうございます!私、武器が欲しくて。訓練で使っていた物が既にあるのですが、予備として何か欲しいなぁ~と思いまして」


 大人の女性は頭に?が付くような顔をしならが小首を傾げていた。


「あなたみたいな若い子が武器を...ですか。あたくしは見るだけで武器の事が分かりますが、その持っておられる武器はあなたの事がとても大好きみたいですわ。大事に使っておられる証拠ですね」


 勇者は武具が持ち主を好むなど聞いたことが無かったが、それはお世辞でも凄く嬉しい事だった。一拍置いた後、女性は目の前の武具店を見つめながら言った。


「ならばこの武具屋は良いかもしれませんの。店主さんも武具が大好きで手入れは行き届いているわ。ただ普通は使わない特殊な付呪物ばかり置いてあるし、そのせいでかなり高価なの。それ故、私以外では金ぴか変人くらいしか来ないわ」


 金ぴか変人?勇者の頭に一瞬にして格闘家の姿が思い描かれた。


「金額に関しては国からお金が出るので大丈夫そうです!店主さんに冒険に出る際の重要な付呪の話も聞けるでしょうか。大体の魔物の弱点や特性は把握しているつもりですが...。そうだ!まだ紹介していませんでしたね!失礼致しました。実は私、勇者なんです!これから魔王討伐の旅に出ないといけなくて」


 普通の女の子ならば装飾品店に服を買いに賑やかな本通を歩き、疲れたら珈琲店でお喋りしたりするのだろうか。普通の女の子としての行動を考えるが、勇者には分からなかった。


 やってみたい事は多くあるが勇者なのだからと自制してしまう。勇者は自分はもう普通の女の子の様にはなれないのだろう、と改めて理解した。


「ええええええええええ!?」


 女性が急に手を大きく広げ大げさに驚き始めた。


「どうしたんですか!わ、私があまりにも勇者に見えなかったのでしょうか?」


 突然、目の前の人間に私は勇者です。と伝えたら驚くかと考えたが、それにしても驚き過ぎでは、と勇者は感じた。


「い、いえ。急用を思い出しましたの。あたくしはこれで失礼致しますわ。おーほっほっほっほ」


 女性はこちらを見たまま後ろ歩きで裏通りから姿を消した。


「あー、行っちゃった。それにしても凄く美人な人だったなー」


 その声を聞いてか再び後ろから声が掛かった。先ほど武具屋の外から見たときに武具の整理をしていた人だった。体は細くブロンドの髪に丸いメガネをかけエプロンをしている。


「あの方は英雄の剣士様だよ。それにしてもあんた勇者様かい!いやー、この店も名が売れ始めたな!店主として鼻が高い!」

「ん?」


 勇者は頭の中で思考が弾け、店主の言ってることをすぐに理解できなかった。


「今なんと仰いましたか!?」

「僕の店の名が売れ始めたんだよ」

「いえ、違います」


 店主は崩れ落ちた。


「ごめんなさい!名が売れていないという訳ではなく、今の女性の事で何か仰いましたよね!?」


 店主は起き上がった。


「なんだ、そっちか。心が折れかけたよ。あの方は10年前の伝説の英雄の1人であられる剣士様だよ。って、おおおおい!どこ行くんだ~!!?」


 勇者は話途中の店主を放って本通まで走った。本通の辺りを見渡すが人通りが多く、先ほどの女性を見つける事が出来なかったので肩を落とした。


「あの方が剣士様...。分かっていればちゃんと挨拶が出来たのに。前回の旅のお話も沢山聞きたかったな...」


 剣士は気高く清廉であり、どんな窮地でも耐え凌ぐ武具の熟練度があるという。そして、肖像画よりも綺麗だった。勇者は幼少より目指すべき目標を剣士と定めており、その剣士が今目の前にいたのだと思うといても立ってもいられなかった。


 勇者は武具店に戻り店主に話を聞こうとしたが、既に店先から店主の姿は消えていた。中にいるのかと扉を開いてみると中に金ぴかの鎧を着た格闘家がいた。


「お」

「あ」


 勇者は剣士が言っていた金ぴかの変人とはやはり格闘家の事だったのかと思った。何やら店主と話していたようだ。


「勇者殿か。この武具店で装備を求めるとはお目が高い」

「格闘家様もここで買い物ですか?防具は付けていますから、お求めは武器ですか?」


 その質問をした瞬間に格闘家の目の色が変わった。兜を被っている為、顔色は伺えないが、目を凝らすと兜の頭頂部から蒸気が出ており、耳を澄ますと「でゅふでゅふ」と聞こえる気がした。


「よよよよくぞ聞いてくれた!こ、ここは素晴らしいぞ!特注で仕様を変更をしてくれる、この町唯一の武具店なのだ。見て欲しい!何を隠そうこの俺の鎧も、この店で仕立ててくれた物なのだ!色だけでは無いぞ、元々の形から僕の鎖帷子に合うように形を変形させたり、この肩の尖った部分なんかは真鍮で出来ているんだ。ここで防御すると特に音が響き素晴らしいんだ。そして目玉はどこを見ても金ぴかだよ!そしてそして!欠かせない付呪には最重要の魅惑防御付呪を採用したのだ!」


 勇者はあまりに早口で興奮した格闘家の口調に質問した事を後悔した。


「そ、それは凄いですね」


 勇者は格闘家の強い押しに気後れしてしまったが、魅惑防御の付呪について疑問に思い格闘家へ続けて質問をした。


「格闘家様。他にも属性耐性とか、自動回復の付呪など色々と強力な物があると思いますが魅惑防御を優先する意味は何でしょうか?やはり、サキュバスなどの夢魔が脅威だからでしょうか」


 格闘家は、首を振りながら溜息混じりに勇者へ告げる。


「前回の冒険を出かけたばかりの頃に1番大変だったのが、勇者、いや、ダンサー様の【魅惑】だったのだ。あの方は無意識に【魅惑】を使われている。勇者殿も城で【魅惑】を受けていたな。あの服装をおかしいと思わなかっただろ?」


 勇者は戦慄した。


「た、確かに!確かに!!今思えばおかしいですよね!?」


 勇者は城での出来事を思い出す。いくら英傑と言われる方でも腰蓑で踊りながらの登場。これは確かにおかしい。


「ダンサー様は天性の才を持っている。真の勇者と言われ英傑とまで言われた方だ。本当に凄いのだが、少し変わっていらっしゃるのだ。たまに有り余る能力が悪い方に他者に影響することがある。【魅惑】の能力は特に恐ろしく、この防具を着ている俺でさえ、ダンサー様が本気で熱弁したら、彼への疑問が一瞬で消されるのだ」


 勇者はダンサーの【魅惑】について話を聞いていくうちに【魅惑】の効果が薄れたのか、王の間で肌着にされた事に沸々と怒りがこみ上げてくるのを感じた。そのため鎧が脱がされない付呪が欲しい、という考えが浮かんだが、やはり魅惑防御の方が重要だとすぐに考えなおした。


「では僧侶様のダンサー様への態度も【魅惑】から来ているのですね」


 格闘家はまたも首を横に振りながら答える。


「僧侶は【天恩】で全状態異常完全無効をもっている。なので、あれが素なのだ」

「は、はぁ」


 【天恩】とは神から授けられる絶大な恩恵である。【天啓】で得られた職業は同じ熟練度になれば最終的には差が無くなるのだが、【天恩】は様々な条件や運、つまり神の采配により得られるその者固有の特性である。僧侶ならば全状態異常完全無効に魔力上限解除などを受けている。これにより【天啓】だけでは決して達すことの出来ない強さになるのだ。


 【天啓】とは、職業に見合った能力を神から受けるものである。通常の職業はその人自身で決め、職業の天啓を神から受け仕事をする。だが勇者の職は自分で選ぶことが出来ず、神の手によって相応しい者が選定される。歴代の勇者は死によってその称号が消え、別の者が選定されていたが、ダンサーは自身で称号を破棄をしている。


 勇者はせっかく武具店に来ており、付呪の内容も決まっているのだから買ってしまおうと思い、店主に相談をした。


「店主さん!魅惑防御付呪の防具と鉄製の鎚矛を見繕ってください!」


 格闘家からも買い物があったのか、とても嬉しそうにしていた武具屋の店主に王の証書を見せて買い物を終わらせた。店主は機嫌が良く【おまけの券】まで付けてくれた。


「これは何の券ですか?」


 勇者は店主に確認した。


「それは福引券だよ。広場で福引が出来るから行ってきな!」


 店主は目の前の人物が勇者と分かっても若く可愛い女の子にしか見えてないのか、とくに畏まらず砕けた話し方をしてくれていた。勇者にはその対応は接しやすく嬉しかった。


「店主さん、ありがとう!また来るね!」

「はいよ!自腹でなら伝説の剣を売ってやるからな、お金をちゃんと集めておけよ!」


 伝説の剣をこんな店で売ってるわけが無いが、勇者は「はーい!」と答えて店を後にした。


「手持ちの剣(付呪:光り輝く)と鎚矛(付呪:なし)、この青の鎧(付呪:魅惑防御)装備はこれで良しと!」


 勇者は初めて買い物を目的として街中を歩き回る。6歳のある日、突然勇者の天啓を受けた日から魔物に見つからない疎開地にて修行を積まされてきた。なので街中にある店が1軒1軒魅力的に映る。装飾品店前に来ると窓から装飾で彩られた人形が展示されていた。その人形が付ける装飾を窓に映る自分に合わせてみる。


「私には似合わないな...」


 勇者は目を閉じ思い出す。6歳より木刀を握る毎日で手は固くなり、化粧などしたこともない。服装飾には憧れてはいるが、勇者には遠い世界に思えた。


 勇者は一通りの買い物を終えて城の待合室にいた。既にダンサー対策の青い鎧(付呪:魅惑防御)を装着して心構えをもっていた。しばらく待っていると廊下が騒がしくなってきた。勇者は何事かと扉を開け様子を伺う。


 「っげ」


 勇者は思わず声が出た。腰蓑だけだったダンサーが腰を振りながら歩いてきていた。


 「また変な行動を...」


 すたすたとダンサーがこちらに向かって歩いてくる。するとダンサーと勇者は、ふと目が合った。その瞬間ダンサーはとてつもない速さで走ってきたのだ。


「ぎいやあああああああああ!!」


 勇者は身の危険を感じたので、咄嗟に扉を閉めて後ろに尻餅をついてしまった。その後すぐに爆発音とともに扉が宙に舞うと、勇者はその轟音から思わず目を瞑った。


 そっと目を開けると、目の前にダンサーがいた。


「ほお、似合っておるわ」


 勇者は最初、意味が分からなかったが、体が軽く、しかもすーすーと風とおりが良かったので、自分が肌着に腰蓑だけになっている事に気づいた。


 勇者はまた【魅惑】を受けてしまうものかと、腰蓑を外し、そそくさと鎧を装着した。


「何故直ぐ着る」

「なぜ直ぐ脱がすのですか!」


 勇者はダンサーが尊敬している英傑という事も忘れ、感情のままに言葉をぶつけてしまっていた。


「むぅ?なぜ怒るのだ。お前に合う腰蓑を用意したというのに」


 ダンサーは本当に分からないとでも言いたげに首をかしげた。


「分かりませんか!?私、これでも女の子なんです!女の子が変な人に服を脱がされてるんですよ!?それは誰でも怒りますよ!英傑だったダンサー様を尊敬しておりましたが、もう無理です!変な方という括りでしか見れません!」


 勇者は尊敬していた英傑に決別の意を表し、変人として扱う宣言をしたのだ。この世界の住人ならば英傑の伝説や王すらも英傑に対して発言出来ない事を知っている。しかし勇者は不敬と分かりながらも感情のままに変人と言ってしまった。


 勇者は言い過ぎたと怯えながらもダンサーに視線を向けた。ダンサーは震えていた。怒っている。確実に怒らせた。勇者は不敬の罪で投獄など!いや、それどころか、神のいかずちでこの場で死刑かもしれない!と焦りが頭をぐるぐると回った。そんなところにダンサーが言葉を発した。


「済まなかった。僧侶はいつも服を脱がすと笑っていたし、剣士は無言のまま着直していたが、内心は喜んでいたであろう。しかしお前だけが怒る。勇者、お前は他の人と違うのだな。つまりはお前は【変人】なのだな。むぅ、すまない、花を摘みに行ってくる」


 そう言い残しダンサーは部屋から出て行った。勇者は頭に雷が落ちる程の衝撃を受けた。


「私が....変人!?」


 勇者は幼少より修行の日々であった。したがって常人を知らない。休憩時間には小説を読み知識を広げてはいたが、武道の師範と商人くらいとしか話したことが無い。


「私は...変人だった...」


 膝を抱え丸まっていると扉が力強く開けられて、勇者に声が掛かった。


「あーらあらあらあらあらあら勇者!またダンサー様を誑かしているのね!」


 扉を開けたのは僧侶だった。


「僧侶様!誑かしてなどいません!」


 僧侶に続いて格闘家も入ってきた。


「ダンサー様と僧侶には飲まれるなよ。剣士みたいに逃げ出すはめになる」


 勇者は武具屋で会った女性を思い出す。とても綺麗で常識のある人だと感じたが、この2人と共に旅をしたのなら逃げ出したり、おかしくなっても仕方が無い。と今更になって怖くなった。


「勇者殿、がんばろうな」


 格闘家の力の無い「がんばろう」はとても心に響いた。なんて悲しく励ましてくるのだろうか。傷の舐めあいと言うのだろうか。しかし、勇者は格闘家のように屈服したくないと思った。そう考えたら急に勇気が湧いてくるのを感じた。「勇者には時に蛮勇も必要」と祖父も言っていた。


 僧侶が勇者の近くまで歩いてきて顔を覗き込んできた。


「ん~?何か言いたいことがありそうじゃない。言ってみなさいよ、性悪の ゆ う しゃ さ まん」

 

 と、僧侶は勝ち誇った様子で言った。勇者を格下に見て、完全に舐めきっているようだ。さらに僧侶はしつこく続ける。


「ん~?どうなの~?言ってみなさいな」


 勇者はそんな僧侶のことを睨んだ後で、ゆっくりと立ち上がり口を開いた。


「ふん、40歳の子供おばさんになんて負けませんもんね!このチビ!」


 僧侶は予想だにしないその返答に、一瞬びくりとした後に驚いたような顔をした。少しして、顔を真っ赤にし目がウルウルし始めた。そして頬が徐々に膨らみ始めついには。


「うわあああああああああん!ダンサー様あああああああ」


 僧侶も部屋から出て行った。勇者は勝ったと思った。子供っぽいやり方だと少し自戒したが、王の間で雌犬だと言われたことを根に持っていたし、子供っぽい僧侶には効果的だという考えもあったので良しとした。


「ゆ、勇者殿、あれはまずいぞ。とんでもない仕返しがくる。剣士もそうやって...」


 しかし、勇者は勇ましかった。負けない!絶対に!そう自分を鼓舞していた。少し経つと大臣がやって来た。


「ん?ダンサー殿と僧侶殿はいないようだな」


 2人が席を外しているが大臣はそのまま話を続けた。


「勇者殿、格闘家殿。もしかしたら旅の助けにはなるだろうとこれを持ってきた。受け取ってほしい」


 大臣から何かの箱を受け取った。勇者は中身は何だろう?と思い大臣を見る。


「それは国で保管していたオーパーツと呼ばれるもの。古代語であり意味は「古代の遺産」だ。鑑定したところ【ラッズィカッセイ】という代物だったようで、その場に適した事が起こると言われる不思議な遺物だ」


 大臣から古代の遺産などという通常ならば国宝にもなろう物をいただいた。


「こんな大事なものを!ありがとうございます!」


 大臣が出て行くと入れ違いでダンサーと僧侶が戻ってきた。僧侶はダンサーの後ろ蓑に掴まり、ぐずぐずと鼻を啜っていた。勇者は僧侶がダンサーに何を言ったのか気になったが、雰囲気を和ます為にダンサーへ質問をした。


「ダンサー様。旅の装備は何もいらないのですか?」


 勇者が見た限りではダンサーは特に武器などを持っていなかった。

 

「腰蓑をしとろう」

「いくらダンサー様でも武器が無いと戦えないじゃ無いですか?」

「腰蓑があろう」

「その腰蓑は、強い装備なんですか?まさか前回の冒険で手に入れた神具級の防具だったり!?」

「この前俺が編んだ。」


 伝説の勇者であったダンサーは全ての魔法と術技を習得しているという。自分で付呪を組んだのだろうか。そう勇者が考えていると、ダンサーがおもむろに自分の腰蓑をさすりながらにやにやしはじめた。


「...あの、その腰蓑には何か付呪がされているのですか?」

「ふん、これを見よ!」


 勇者は【光り輝く】腰蓑を見て心が折れそうになった。


可能な限り毎週土曜日の19時にアップロードをしていきます!

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