仲間たちと共に
さあ、ネトゲだけど今回はストーリーモードのお話です!
NPC達との冒険をお楽しみください!
GWのある日。ログインした僕は一人用のモード、ソロ・ストーリーをやることにした。え? 優依姉ちゃんとはどうなったか? さんざん連れ回されたよ……。ひたすらに疲れましたとも。
「やーやー、ブランさん、お久しぶりです!」
何だか久しぶりに聞いた声。最初に案内役をしてくれた、ヘイムダルさんのものだ。
「あ、どうも。どうしたんですか?」
「ブランさん、反応うすーい。いや、ソロ・ストーリーやるのこれが初回でしょ? ちょっとした選択肢をあげないといけないんですよ」
「選択肢?」
「チュートリアルの時一緒に戦ったキャラ、覚えてます?」
「あぁ、はい」
「これからソロ・ストーリーをやるにあたって、そのキャラ達と一緒に冒険するか、一人で冒険に出るか選べるんですよ」
「そうなんですか?」
「そうなんです。で、どうします?」
うーん、どうしようか。……とは言うけど、これはあんまり悩まないな。
「一緒に冒険します」
「オッケーです! それじゃ、ブランさん達は試験に合格した後、新人冒険者として旅立つことになりました、というところからスタートしますので、そのつもりで」
「はい」
「じゃ、楽しんでくださいね!」
そうして、僕は白い光に包まれた。
◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇
目の前に街並みが広がる。どこかでみた光景。……そうだ、チュートリアルででっかい鳥、ガルダに追い回されて駆け込んだ街だ。そのギルドハウスの前に僕は立っていた。
「ぉーぃ……」
ギルドハウスは小高い丘のようなところに建っているので、陽の光を浴びて輝く建物たち、遠くの景色が良く見える。
「おーい!」
誰かがこっちに来る。……あれは。
「ブランくん!」
一緒にガルダと戦った……、そう、マロンだ。
「みんな待ってるよ! こっちこっち!」
手を引っ張られて一緒に走る。その先には、あの時の仲間たちがいた。
剣を振って勇敢に戦うロッソ。
誰よりも先に敵を見つけるアスール。
危険な囮を一手に引き受けるシンザ。
優しい心で傷を癒すベルデ。
みんなが僕を待っていた。この広い世界を冒険するために。
◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇
「それにしても……」
最初に声を上げたのはロッソだった。
「俺たち、これかか何をすりゃいいんだ?」
この一言で、全員の足が止まる。
「何するって……、そりゃ冒険?」
アスールが言う。
「いや、そりゃそうなんだけどさ……。冒険たって、どこを冒険するんだ? 俺たち、やっとこ試験をパスした新人だぞ?」
「まあ、そうだなぁ。経験みたいなのが全く足りんよな」
アスールが頷く。
「うん……、わたしたち、実績が足りないかも……」
恐る恐るといった感じでベルデも続く。
「う~ん、取りあえずギルドにもう一回寄ってみる? 依頼とかこなして実績を積むのもいいんじゃない?」
両手を合わせてマロンが言った。
「あぁ~、そりゃいいな! 依頼か! じゃ早速行ってみるか!」
というわけで、全員でギルドハウスに向かった。
◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇
「「「うぅ~ん……」」」
やってきましたギルドハウス。なんだけど、全員で依頼が貼ってある掲示板を見て唸っている。
「どの依頼がいいか、分かるか?」
「いや~、やっぱり採取系とか?」
「んん~、ちとつまらんなぁ……」
「そんなこと言ってたら、あぶないよ?」
「そうだよ、最初はこういうのからやるのがいいんだって」
みんなであれこれ意見を出し合う。僕はそれを聞きながら依頼を見る。
┏── 依頼 ───┓
《依頼者》
ベーカー商会
《内容》
隣町までの護衛をお願いしたく。
道中の経費はある程度負担します。
《終了条件》
・馬車を目的地までに到達させる
《報酬》
・800G
┗──── ────┛
これは護衛系の依頼、チュートリアルでやったのと同じ感じかな。
┏── 依頼 ───┓
《依頼者》
裏路地の薬局
《内容》
ちょいと薬草を取ってきてほしい。
なに、生えてる場所は分かってる
から、危ないことはないさ、ヒヒ…。
《終了条件》
・ドレイク草10個を納品
《報酬》
・1500G
┗──── ────┛
こっちは採取。なのに護衛より報酬が高い……!?
「お、これなんかいいんじゃない? 報酬いいし」
アスールがこの依頼に目を付けた。その時、なぜか僕の脳裏にこの言葉が浮かんできた。
『難易度が低いクセに、金払いの良い依頼には絶対手を出すな……』
「アスール……」
「ん? どしたの?」
「冒険者の間じゃ、こんな言葉が伝えられている。『難易度が低いクセに、金払いの良い依頼には絶対手を出すな』。この依頼はいけない……!」
「えー? でも採取だよ? だーいじょうぶだって!」
「アスール、だめだ! そんな考えじゃいつか大変な目に遭う! 報酬に釣られて何の説明も無い依頼を受けたら、敵の大部隊相手に大立ち回りさせられたこともあったんだ! ちゃんと依頼の難易度と報酬が釣り合ったものを選ぶんだ! OK!?」
「う、うん。分かったよ、そこまで言うなら……。ていうか大丈夫? 昔なんかひどい目に遭わされたの?」
忘れもしない。あの時勧められるがまま、高額のお金とレア装備に釣られて依頼を受けたら、100体近いモンスターに追い回されたあの時のことを……! あれ以来、この手の依頼には気を付けるようにしているのだ。ちなみにその依頼を勧めたのは優依姉ちゃんである。今思い出してもホントロクなことしてないな!
「ご、ごめん、ちょっと昔の記憶が……」
「あんまり無理しないでよ? でも、そっかー。こういう依頼は気を付けなきゃだめか……」
「ま、まぁ、少しずつやっていこ? ね?」
取りあえず全員で相談して、それなりに簡単そうで、報酬が釣り合っているものを選んだ。気を取り直して、頑張ろう!
かくして冒険に出ることになった訳ですが……、準備は万端かな?
良くある話ですよね。出掛けてから「あ、あれ忘れた!」ってなるの。
余裕のあるうちに準備しとくのはホントに大事ですよ?
それでは次回もお楽しみに!




