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BRAVE NEW WORLD<素晴らしき新世界>  作者: olupheus
グローバル・ストーリーズ#1 バベルの顕現
18/27

首都防衛戦③

あ……、何か長くなりそうな予感が……。

 戦い続けることしばし。モンスターの攻勢は一旦止んだので、僕たちも元の待機場所に引き上げた。そこでHP、SPを回復したり、武器の耐久度を回復させたりしている。


「ブラン、どうだ?」


 啓介扮するエイギスがこっちに寄ってきた。


「今のところは何とか……。色んなところからモンスターが飛びかかってくるから、神経使うよね……」

「そうだな。だけどなんだかんだ言って結構やるじゃないか」

「ああ、うん、練習、したからね」


 僕はパリイの練習をしたときや、ゴブリンの群れに襲われた時のことを思い返した。……タイヘンダッタナー。


「それより、今の状況ってどうなってたっけ」

「あぁ、えーと、北門の耐久力が86%、東門が89%、だそうだ。これから後何回攻めてくるかは分からんけど、あんまり門まで行かせないほうがいいだろうな」

「うん」

「せんぱ~い」


 そこに萌絵ちゃん扮するシャーラちゃんも近付いてきた。


「斥候の人たちから伝言で、『敵に動きあり』だそうで~す。そろそろ第二波がくるっぽいですよ?」

「うん、ありがとう。他の人達には?」

「今あっちこっちで伝令役の人が走り回ってまっせ?」

「あ、そうなんだ。ボイスチャットは?」

「今準備中で……、あ、今から流すみたいです」


 《こちらラット。東門側のモンスターが動き出した。スポットを付けられるだけ付けたら後退する》

 《北門も同じく。スポット付けるから、それを目印にしてくれ》


「よし、行くか」


 周りのプレイヤーもがちゃがちゃと自分の武器を持って準備する。


「あ、また支援かけますね」


 いつの間にやって来ていたのか、さっきの魔術士がやって来た。攻撃、防御のバフがかかる。


「ありがとう! またよろしくね!」

「あっ……、はい!」


 僕たちは待機場所から飛び出した。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


「ブラン、行ったぞ!」

「任せて!」


 エイギスの挑発から抜け出したモンスターに追いすがり、縦一閃。

 HPが微妙に残る。

 僕の脇から飛び出したシャーラちゃんがダガーでもって喰らいつく。

 そのままモンスターのHPを喰らいつくした。


「ナイス!」

「イエ~イ!」


 喜びあっていると、


「ホラ、もう次が来てるぞ! てか、助けて~!」


 エイギスからの援護要請が来た。


「あにき、今いくぜ!」


 シャーラちゃんがやたらイケメンなセリフを吐いて駆け出す。僕もそれに続いた。


《モンスターが門に取り付きはじめたぞ!》

《どっちにだ!?》

《どっちにもだ!!》


 ボイスチャットでも激しく情報や飛び交う。


《東門の耐久が70%を切ったぞ!》

《応急修理は!?》

《総出でやってるが、壊れる速度の方が早い!》


「くそ、モンスターが抜け出し始めてるのか……!」


 大楯を器用に振り回してエイギスが叫ぶ。

 そのままモンスターをぶん殴った。


「ここが済んだら門行く!?」


 僕も負けじと叫ぶ。


「だがここの穴を別の誰かに埋めてもらわないと……!」

「うわあっ!」


 エイギスの近くで戦っていたプレイヤーのHPが尽きた……!


「蘇生アイテムは!?」

「ダメだ、今手持ちがない!」

「くそっ! 一回死に戻れ、そんで復帰してくれ!」


 このミッションではHPが尽きても、一定時間が経てば門内の復活地点(リスポーンポイント)から再出撃ができる。ただし全能力が一定時間下がったままになるので、結果的に戦力ダウンになってしまう。


 だから蘇生できるのであれば蘇生した方が良い。んだけど、今近くで蘇生ができるアイテム、スキルを持つプレイヤーはいなかった。


 HPが尽きたプレイヤーはポリゴンになって消えた。これで戦線を支えるのがまた難しくなった。と、


 ピィーーーーーィィ!!


 甲高い笛の音。これは……。


「後退の合図だ! 下がるぞ!」


 戦えるプレイヤーの数が減った時の合図だ。この音が聞こえたら所定の位置まで下がることになっている。ちなみに頑固に下がらないでいるとカウントダウンが始まり、0になった瞬間強制的に死に戻りさせられる。そんな訳で。


「急げ急げ!」

「結構な数が死に戻りしたのか……!」

「そうなんじゃないか!」


 ドタバタと後退。時々思い出したかのようにモンスターの群れに一撃を加え、追撃を遅らせる。


「そうら、吹っ飛べ! 『Mk21.フレシェットマイン』!」


 僕の後ろにいたプレイヤーが何かを作動させる。すると更に後ろで何本もの曳光弾が地上から空に撃ち上げられる。上にいたモンスターはあっという間にポリゴンとなった。


■□---□■

・Mk21.フレシェットマイン

消費SP:15%(1発あたり) クールタイム:60分(起動直後からカウント)

地面、もしくは壁に仕掛け、任意のタイミングで起動できる。

熟練度と同じ数だけ同時に仕掛けることができる。

ただし、設置地点から200m以上離れると起動しない。

起動しなかったものは消滅する。

■□---□■


「す、すげ……」

「ジョブ『罠師』の本領発揮ってな! そら、さっさと逃げるぞ!」


 そんなこんなで、僕たちは逃げ切ることができたのだった。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


《ここからは門を集中して守るぞ! 門に一番近いモンスター、もしくは遠距離攻撃の手段を持ってるモンスターを優先的に攻撃してくれ!》


 逃げ切ることができたプレイヤーと、死に戻りから復帰してきたプレイヤー、それと城壁の上で戦っていたプレイヤーで防衛線を築く。


 門に取り付いていたモンスターも何とか倒し切って、今は交代で回復をしていた。


「結構きつくなってきたなぁ……」

「全くだ。楯の耐久力が恐ろしいスピードで減る……」

「ダガー予備持ってきといてよかった……」


 僕たちもせっせと急いで準備を済ませる。


《北門側にボスクラスのモンスターが出た! こいつらを倒せばこっちは片付きそうだ!》

《うわっ、あいつこっちに真っすぐ……!》

《ズガガァン!!》


 ボイスチャットから響く音に思わず顔をしかめた。


╂━─━─━─━─━

 Mission Information

╂━─━─━─━─━

>注意:北門の耐久度が60%に減少


《ヤツの動きが止まったぞ! 攻撃しろ!》


 北門の方もかなり激しく戦っているみたいだ……。


《こちらラット。モンスターが動き出すぞ。第三波だ。またスポットを……、うわっ!》

《どうしたんだ!》

《こっちの居場所がばれた! 急いで逃げる!》


 相当慌てているのか、スポットの情報がまばらにしか来ない。


《城門の上からでも敵は見えるから、こっちでスポットをやる!》

《すまない……! たの……》


 そこでボイスチャットが切れた。


「今スポットが見えてる方向から来てるみたいだぞ!」

「全員準備しろ! もうすぐ来るぞ!」


 前の方がにわかに騒がしくなってきた。


「俺たちも行くか!」

「うん!」


 エイギス、シャーラちゃんと頷きあって前に出ることにした。東門から見て左側の方に、モンスターを示す赤い▼が見えた。


「右からは来ないのか?」

《今見てもらってるが、右からは来てないみたいだ。取りあえず左の方に集中してくれ》


 エイギスが右の方を気にしたが、どうやらモンスターは来ていないようである。


「よし、やるぞ!」

「「「おおぅ!!」」」


 誰かの掛け声に全員が合わせた。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


「はぁっ!」


 シャーラちゃんが槍の如くモンスターに突っ込む。

 モンスターの体勢が崩れる。

 そこに僕も『ストリーク・チャージ(突っ込む)』。

 モンスターは弾け飛び、そのままポリゴンと化した。

 と、シャーラちゃんの後ろからモンスターが突っ込んできた。


「シャーラちゃん!」


 叫び、『ハイ・スピード』で一気に近付く。

 タイミングを合わせ、『ダブルストライク』。

 一撃目。

 上からの一撃がモンスターを止める。

 二撃目。

 下からの攻撃がモンスターをかち上げる。


「せんぱい、ナイスです!」


 飛び上がったシャーラちゃんが。

 空中で一回転。

 その勢いでかかと落とし。

 モンスターは地面に叩きつけられる。

 そのままポリゴンとなり消えた。


「せんぱい、やった!」

「うん、次いこう!」


 シャーラちゃんと頷き合い、次の敵に向かう。僕たちが二人で動いている訳は、エイギスは城門を守る、文字通り最後の壁として奮闘しているからである。でも、時々モンスターが遠距離から城門に攻撃をかけてくるので、僕たちはそれを見つけて潰す、ということを繰り返していた。


 ズガン、という音が城門から響く。


╂━─━─━─━─━

 Mission Information

╂━─━─━─━─━

>注意:東門の耐久度が60%に減少


《まずいぞ! 城門が!》

《直接攻めてくるヤツは任せろ! 代わりに遠くのヤツを!》

《上から見えるか?》


 倒さなきゃいけないモンスターはあちこちに散らばっているので、どうしても時間がかかってしまう。その間にもどんどん耐久度が減っていく。


《見えた。あれか?》

《任せろ》

《ボシュッ》

《ワンダウン》

《ビューティフォー…》


 スポットが一つ消えた。城門から狙撃したのか……!


「せんぱい! あたし達も!」

「うん!」


 とにかく速く。『ハイ・スピード』も使って次の目標に向かう。戦いの終わりは、まだ見えない。

まだまだ戦いは終わりません。具体的にはエリア3をラオシャン□ンが通り過ぎたみたいな……。

あ、これだと古くてわかんない人も出るのか……。


と、とにかく次回もお楽しみに!

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