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学校でもやっぱり話題はゲーム

リアルの生活はもうちょっと続くんじゃよ。何たって高校生、学校があるのです。

 翌日。僕は朝ご飯を食べ、顔を洗って、学校に行く準備を整えた。チョコに行ってきますと一撫でして、靴を履く。


「行ってきます」

「「いってらっしゃい」」


 お父さんとお母さんに見送られて、家を出た。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


 青い空の下を歩く。昨日メールで送られた待ち合わせ場所に行く。まあ、学校までの通り道なんだけど。


 やがて待ち合わせ場所に着く。まだ誰も来ていないようだ。制服のポケットからアルフォンを取り出し、暇つぶしをしていると、


「ぉーぃ……!」


 遠くから誰かの声が。声のした方に顔を向けると、三人がこっちに手を振っている。


「相変わらず早いなあ!」

「おはよう、そっちは時間ぴったりだね」


 真っ先に声を掛けてきた男子生徒は『日室(ひむろ) 啓介(けいすけ)』、小学校からの友達だ。短く切った髪、バスケ部で鍛えているガタイの良い体が特徴である。


「朝練は無いの?」

「まあ、仮入部が終わったばっかだからなぁ」


 言い忘れてたけど、僕と啓介はこの春高校生になったばかり。ピカピカの一年生というやつだ。今は四月の末で、そろそろGWが始まる頃である。


「ハク先輩、おはよーっす!」


 と、後ろから元気な声が。声の主は『日室(ひむろ) 萌絵(もえ)』、苗字で分かる通り、啓介の妹だ。


「おはよ、そっちも元気だね」

「そーいうハク先輩はいつも通りのテンションですね!」


 萌絵ちゃんはこの通りの元気娘。明るい茶色のショートボブと合わせていかにも運動します! という感じがにじみ出ている。


 ちなみに萌絵ちゃんは中三。年は啓介の一つ下で、事あるごとに悔しがっている。なんでかは本人も良く分かってないみたいだ。


「ハク先輩、おはようございます」

「うん、おはよう」


 萌絵ちゃんの隣にいる女の子からも挨拶が来た。この子は『三井(みつい) 恵梨華(えりか)』、何と歴史とかで出てくるあの三井の親戚筋にあたるのだそうだ。だからなのか、家の大きいことときたら!


 萌絵ちゃんのクラスメイトで、よく一緒に歩いているところを見かける。萌絵ちゃん経由で僕も仲良くさせてもらってる、という感じだ。


「今日もあったかいですね」

「そうだね。運動してると汗かくかも……」


 萌絵ちゃんとは逆にこげ茶のロングヘアーで、後ろにリボンが付いているのが特徴。それが風に揺れる。


「取りあえず、行くか!」

「うん、いつまでもここにいたら遅刻しちゃうよ」


 僕たち四人は学校に向かって歩き出した。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


「そういえばハク、あのゲーム買ったのか?」

「うん、やっと買えたよ。昨日チュートリアル終わらせた」

「そっか! それじゃ、やっと俺たちのパーティーに合流できるな!」

「ハク先輩、待ってました!」


 萌絵ちゃんが手を叩く。


「うーん、でもこっちのレベル低いから、追いつくにはレベル上げしないと……」

「それくらいなら俺たちのパーティーで手伝ってやるよ! な?」

「もち!」


 うーん、さすが兄妹。見事な連携プレイ。


「うん、分かった。どうやって合流しよう?」

「こっちからハクに連絡するから、それで合流することにしようか」

「おっけ」


 とんとんと決まる。こういう時の即断即決能力はほんとにうらやましい。


「萌絵ちゃん、あのゲームって?」


 後ろで恵梨華ちゃんが萌絵ちゃんに聞く。


「んー? ホラ、BRAVE NEW WORLDっていうVRゲー。兄貴とあたしは発売日に買えたんだけど、ハク先輩は買えなくてね。ずっと一緒のパーティーでやろうって約束してたんだ」

「そうなんだ……」


 恵梨華ちゃんが頷く。……気のせいか瞳がキラリと光ったような?


「それよりハク先輩、聞いてくださいよ! 兄貴ったら……」


 それからの話はドカーンとか、ボカーンとか擬音ばっかりで、文章に起こすにはなんだか大変申し訳なくなりそうなので、こっちで意訳してみる。


 とあるダンジョンに行ったときの話。薄暗い森の中を進んでいると、突然何かにぶつかったそうだ。でもその何かが分からない。


 それもそのはず。後から分かったことだけど、その何かは透明の壁だったのだ。おまけに攻撃を跳ね返すバリア機能持ち。あろうことか、啓介はその壁に突進したのだ。


 するとどうなったか。啓介のキャラは、それはそれはキレイな放物線を空に描いて飛んで行ってしまった。萌絵ちゃん曰く、


「レインボーでした!」


 とのこと。訳が分からない。


「で、結局どうしたの?」

「穴掘って下から侵入しました!」


 あぁ……、きっと近くに壁を解除する仕掛けとかあっただろうに……。製作者涙目である。

 そんなことを話していると、僕たちの通う学校が見えてきた。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


『関都大学付属関都高校』。それが僕たちの通う高校の名前。ちなみに萌絵ちゃんと恵梨華ちゃんが通うのは『関都大学付属関都中学』。更に更に小学校も幼稚園もある。


 そう、この学校は下は幼稚園から上は高校まで、全部大学の敷地に収まっている。なんでもひと昔前、学校のスマート化とかいう政策が通ったことがあって、関都大学がそのモデルケースに選ばれたらしい。


 元々は高校しか無かったところに中学校と小学校と幼稚園を作ったそうである。ちなみに全部公立。そんな学校に僕たちは通っているのだ。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


 そうはいっても授業は普通の学校と変わらない(はず)なので、特に言うべきことはなし。あれよあれよと時間は過ぎて昼休み。


「どこで食べる?」

「中庭でいいだろ。行くか」


 啓介と短く確認し、中庭へ行く。


 中庭に着くと、既に先客がいた。


「おう、萌絵に恵梨華、もう来てたのか」

「お、兄貴にハク先輩、こっちこっち」


 この通り、中学生でも高校の中庭に来れるのだ。中庭に置いてある大きなベンチに4人で座る。そしてそれぞれが持っている弁当を広げる。って、


「啓介、中身少なくない?」

「おう、休み時間に腹減ったから少し食った」


 そういう割には半分くらい無くなっているような……。そしていつの間にか啓介の食料にパンが追加されていた。


「萌絵ちゃんもよく食べるよね」

「そーいう先輩は、それだけでカラダ持つんですか?」


 僕が持っている弁当よりも萌絵ちゃんの方が大きいのだ。きっと日室家は大食の家計に違いない。


「ハク先輩、私の玉子焼き、いかがですか?」

「え? ホント? じゃこっちはウインナーを……」


 と、横に座っている恵梨華ちゃんが玉子焼きを差し出してきたので、こっちはウインナーを渡す。貰った玉子焼きは……、うん、程よい甘みが丁度いい。


「あ、俺にもおかずよこせ!」

「何かくれるの?」

「もう俺の弁当はカラだ!」

「あげられるわけないでしょ! 蛮族か!」


 お隣の暴食から必死に弁当を守る。萌絵ちゃんとやれやれといった感じ、恵梨華ちゃんは苦笑していた。


◇◆◇◆◇-------------◇◆◇◆◇


 そうして午後の授業も終わり、部活の時間。……なんだけど僕はまだ帰宅部。必ずどこかの部活に入らなきゃいけない、なんてことは無いんだけど、せっかくの高校生活なんだから、どっかの部活には入りたいよなあ、なんて考える。


 でも早くゲームがやりたいからと、今日のところはさっさと帰ることにした。学校の敷地に沿って歩いていると、中学校側のグラウンドが見えた。ちらっと見ると、萌絵ちゃんが陸上部のユニフォーム姿で走っているところだった。う~ん、足、速いなあ(当たり前か)。


 このまま見てたら変な人扱いされる。それは避けないと。とにかくさっさと帰る。そんでゲームをするのだ!

中高一貫とか通ったことないので、イメージです。まぁ、未来の学校ってことで一つ……。

次回からまたゲームに戻りますよ。

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