夜へと続く扉
これは一応、壊されたバラッドの後日譚ですが、蛇足の続編なので、パラレルワールドに片足を突っ込んでいます。
ある日唐突に扉が開いて。
次の瞬間その子はいきなり飛んできて。
扉の前に転がった。
なんだなんだと物陰から少し乗り出して見れば、外の光の中に、怪しい影が数名。
ぱたんと閉まった扉の向こうに見えてしまった。
「…………」
地面を見やればうつ伏せで目を回す少年が一名。あと、その横にひっくり返ったボウル。
この少年が目を覚ますまで、どうにもなりそうになかった。
ある日唐突に扉が開いて。
次の瞬間怪しい奴らが家に上がり込んできた。
突然のことに声も出なくって、棒立ちになってしまった。
怪しい仮面の奴らは、ずりずりと長い裾を引きずりつつ、床に何か書いたり、壁に立てかけてあった箒を逆さまにしたり、本棚をいじったり、ティーポッドを確かめたり、寝室から枕を持ってきたりしたけど、意味が分からない。分からないんだけど、意味があったらしい。
よく分からない扉が出現して、ぱかりと開いた。
仮面たちが頷きあう。
いやいや一寸前までは無かったはずだよね、と作っていたプディングの元を抱えて震えていたら、問答無用で怪しい扉向かってにぶん投げられた。そういえばこの怪しい仮面、一言も喋っていない。
今日は厄日じゃない、怪日だと苦し紛れに思ったけど、
扉の向こうにも仮面が見えたので、やっぱり厄日かなあと考え直して、気を失った。