You Soul
前回までのあらすじ
「おーい、凪ーーこっちだーー!!」
この日大和の車で会場に向かおうとしていた
「今日ほんとにどこに行くの?」
「んー、口止めされてんだよ燈に」
凪は目に見えるように省かれていると感じた
「ほんとに何も知らないんだなー凪は」
そう答える遥斗を横目にはにかみながら大和が答えた
「今日分かるよ全て」
何気ない会話をしていると会場に着いた
「さ、着いたちょうど時間もいい感じ」
「え、ここ東京ドーム!?」
「そうだよ、今日は&Luck活動前最後のライブだ」
東京ドームに着いた一行。刻一刻と開場時間が近づいていた。
「大和たちもう来たのか」
「あ、長谷部さんお疲れ様です」
そこには1人長身の男性が立っていた
「そうか……君なのか……僕は長谷部誠SuniMusicArtistsという事務所の社長だ」
「え!?SuniMusicArtistsの社長!?」
SuniMusicArtistsの社長を前に関係者である自分の存在が本当に数ヶ月前の自分では想像つかないと考えていると長谷部はそそくさと席を離れていった
開演と同時に眩いほどの光を食らったすると演者の顔を照らした時一瞬だったがすぐに気づいた
「あれ?翔?」
「あ、もしかして気づいた?」
「嘘だろ……&Luckのサポートギタリスト翔だったの!?」
「燈俺ら5人でここを埋める日を目指すんだって」
「あいつは示したいんだよ俺たちに。ここを目指すってことを」
気がつくとライブは終盤に差し掛かり本編の最後の曲となっていた
「次が最後になるけど消える訳じゃないからどこかでまた会おうぜそれでは聞いてください」
「ヒキコモリヒーロー」
「この声……燈?」
そう言うと大和と遥斗はやっとわかったかという顔をしながら顔を見合せていた凪は状況を処理することが出来なくなると同時に曲は始まっていた燈に初めて会った日向けられた一言「……ヒキコモリヒーロー……歌える?俺一番好きなんだよね」この言葉が凪を救った言葉だったその声が今ステージから&Luckから聞こえてくることに衝撃を覚えていた
喋る間もないまま&Luck活動前最後のライブは終わっていた
「え、燈が&Luckで……俺らはその人と一緒にバンドをやっているってこと??」
「運命なんだよシンプルに」
&Luckは終わるけどまた形を変え「BackLight」としてまた再出発するしかし凪にはひとつ疑問が残った
「え、でも尚更燈って名前で活動せず&Luckって名前で動けば良くない?その方がファンもついてくるだろうし……」
「それは俺らも同じこと言ったよこれ以上は本人から聞きな」
凪は控え室に行く途中廊下で長谷部に会い控え室の扉を開けた
目の前に居る燈に凪はこのライブを通して感じたことそれは「実力不足による自身の欠如」だった。
ライブ後緊張はみんなと喋っていたら緩和し気づいたらライブの熱はどこかに消えいつも通りの空間となっていたこの空気感に少し救われたと思っていると長谷部が燈に問いかけた
「燈……あの話答え出たか?」
「あーメンバーにまだ言ってないです!!」
「はぁ……言っとけって言っただろ……俺から言う。このBackLightをSuniMusicArtstsにスカウトしたい」
「「「「え!?!?」」」」
4人は顔を見合わせながら頷いていたしかし1人だけ首を縦に降らない人がいた
「いや、長谷部さん……その話まだ待ってもらっていいですか?」
他の4人の答えとは裏腹に燈は真剣な眼差しで答えた
なぜ答えを先延ばしにするのか凪は燈の意図が全く読めずにいた
5曲目「You Soul」
「いや、長谷部さん……その話まだ待ってもらっていいですか?」
他の4人の答えとは裏腹に燈は真剣な眼差しで答えた
「な、なんでよ燈これ以上ないチャンスだろ!?」
「そそ、そうだよ流石にふざけるのはよしてくれ」
「ふざけている訳じゃない」
真剣な眼差しと燈から溢れるオーラに気圧されていると続けて答えた
「長谷部さん、嬉しいんですけど俺らグループアーティストとしては初心者なんです結成して1年も経ってない曲数も少ないまだ認知度も低い……」
「それでもみんなに対してマネジメント出来ることは多いから初めから話を通したいんだ」
「ほ、ほら長谷部さんもそう言ってるし……」
「いや、俺は燈に賛成だな」
「ちょ、翔……」
「俺らは個々で活動はしていたけど圧倒的にグループとしての動きが素人同然だそれならまだインディーズで動くっていうのもありだろ」
「お、俺もそっちの方がいいかなバンドってまだ実感も湧いてなくって……」
「うーん……一理あるか」
長谷部が妙に納得していると燈が答えを出した
「てなわけで、長谷部さん俺らはまだインディーズで動きたいと思います」
「……」
分かった……
少しの緊張と沈黙が過ぎた時
「てなわけで1年後俺らBack Light配信ライブします」
「「「「!?」」」」
「聞いてないぞ燈!!」
「今言ったぞ」
「はぁー!?」
突然の燈からの提案という名のタイムリミット何が何だか分からないまま話が進んで行っていた
「だから長谷部さんは1年後の配信でまた俺らをスカウトしたいか考えてください」
「1年の猶予つけてくださいってか……燈も図々しくなったな分かったそれまでに曲数も増やすってことでいいか?」
「はい、最低15曲今は3曲しかない俺らにはそれぐらい必要だと俺は思っています」
ごもっともすぎる提案と長谷部に対しての答えに全員が目を合わせていると
「じゃー1年後な今以上に期待値が上がるぞそれでもいいんだな?」
「もちろんです、期待以上のものを見せますよ」
「……ふ、あの時と同じ目をしやがって……分かった今日はもう休め……諸々は明日以降にしよう……お疲れさん」
「お疲れ様ですまた連絡します」
振り返らず手を振る長谷部を後に控え室で5人で話し合う時間が出来た
「どうゆう事だ燈1年後配信ライブって」
「そのままだよ1年後配信をするってことそれまでにもう10曲以上増やすって事よ」
「でも、なんで配信なんだ?ライブハウスとかの方がもしお客さんが来るってなるなら空気感や熱が直に伝えられるだろ長谷部さんも足を運んでもらえれば……」
「それもそうだけどシンプルに多くの人に聞いてもらいたいこれが一番の理由だハコには限りがある配信と現地ライブどちらもできることがベストだけど最初からそれをするには金銭的にも厳しい何より俺ら自身の知名度が低い……」
「それでも配信って……」
「もうひとつの理由は保険だ」
「保険?」
保険とはなんの事だろう何に対しての保険なのか分からなかったでもこの一通りの話を聞く限り燈はこのBackLightの先のことを考えていると感じた
「保険ってなんの」
「もしもの話だぞ長谷部さんが1年後別のアーティストで俺たちに目を向けなかった場合他の事務所からの声掛けも兼ねてって話だ」
「長谷部さんが俺たちに目を向けなくなる?」
「俺はBackLightを世界で1番のアーティストにしたい可能性を少しでも増やすって話だ」
思っている以上に重い話になっていたこれからの将来を左右しかねない話であることに間違いはないからだ
「俺は燈の考えに乗る」
そう答える翔を皮切りに仕方ないという顔で他のメンバーも賛同し始めていた
「まーリーダーは燈だし」
「一理あることに変わりは無い自分から乗ったものをわざわざ自分から降りる事もしないしな」
みんなの答えが一致し始めるのを肌に感じていた
「さぁ……凪はどうする?」
凪に向けられた目線は何処かに吸い込まれる程輝いていたそんな時にでも1つ引っかかるものがあった
「うーん……1つ聞いていい?」
「おーなんだ」
「なんで燈は&Lackという大きな名前を捨てたんだこの名前を使えば少なからずファンは着いてきてくれると思うだけど……」
「別に捨てたわけじゃないただ単純にみんなと足並みを揃えたかったんだ」
こんなにも大きな名を置いてまで俺たちと足並みを揃えるという事が燈がこのバンドに対する覚悟と渇望だった
「そう言うことか……うん、俺も燈の考えに乗る」
「てなわけで改めて1年後のライブに向けてより曲数を増やすことにする明日メールでデモ曲渡すから編曲してきてね」
「すげぇーな……しっかり休めよ」
「いやー創作意欲が止まらなくってね」
「俺は明日はOFF流石に疲れたぞ今日」
「お疲れーいいライブだったよ」
「いつかここに俺ら5人で立つぞ」
目指すべき場所を定めて今は1年後の配信ライブに向かう目的が出来た疲れも相まってその日はすぐに解散したが凪は明日届くデモを待ち遠しく感じていた
次の日
凪はライブで感じた「実力不足による自信の欠如」を埋めるべくカラオケに来ていた凪の家は賃貸壁は薄く思いっきり歌うことや自主的な練習は昔からカラオケでしか出来なかったすると一通のメールが届く
「ん?なんだ」
宛名は「デモテープYou Soul」と書かれていたこれは昨日燈が言っていたデモ曲だったしかし聞こうとしたその時昨日のライブを思い出したボーカルと楽器隊のレベル差と目指す場所が思っているよりも上だった時の全体の考えと自分のちっぽけな悩みの差は寒暖差の激しい岩山のようだった事を思い出した
相応しい自分BackLightにおいての立ち位置が分からない
様々な考えが凪の頭を交差して居ると電話がかかってきた
「あれ、燈からだ……」
デモの送り間違え?何か俺はやってしまったか?といきなりの電話に戸惑いつつも早く出なきゃという考えが先行した
「あ、もしもしー」
「も…しもし、どうしたの?」
「今どこにいる?」
「し、新宿のカラオケにいるよ?……」
「あーーーね、今送ったんだけど聞いてくれた?結構いい曲だから早く聞いて欲しくて激しめで今までの曲の中でも結構重い曲でザ、ロック!!って感じなんだよ」
「ま、まだ聞いてないかな……」
「ん?なんで?あれだろ凪またなんか色々考えてただろ」
「っ……」
凪は図星だった声色や言葉で相手の考えが分かる燈の特殊能力レベルの観察眼にびっくりしていると
「考えるなんて後でいいまず聞いて目の前のやるべき事を考えてみな」
「目の前のやるべき事それは歌唱力をあげることかな……」
「んーまーそれも大事だけどまず、まずよ?一旦この曲を煮詰めてみ?どう歌うとか」
「でも歌唱力を上げる事が後々に繋がると思ってるんだけど……」
「そうっちゃそうだけど凪は先を考えるより今の環境になれるって意味でも今を見てほしいかな全員が先見すぎても足元見えなくなって終わりだからね」
「でも……」
「俺ら楽器隊は全員前に出ちゃう人達なんだよ1人でも足元見て欲しいから凪はその役目を任したい……いいか?」
凪は1人だけ見ている物が別でいいのかと疑問を持っていたでもそれは先急いでしまう凪を止めるための燈なりの優しさだった
「……分かった」
「じゃー早速聞いてみてくれー」
……燈……今話し良いか……?
電話越しに遠くから誰かの声が聞こえてきていた
「あ、すぐ行きまーす。すまん呼ばれたから行くわじゃーな!!」
プツっと数分の電話だったがドッと疲れが出た気がしたこのいきなりの電話とかにも慣れていかないとなと感じつつも言われた通りにデモテープを開いた
ジャーン……
「この曲……」
今までのものとは打って変わって違う味をより感じるロックナンバーだったより感情を乗せなければいけない曲とも感じた
「これを煮詰める……やってやる……」
そう考えさせられる曲だった昨日今日の一連の出来事もあり凪はやる気というよりやるしかないしがみつくしかないと考えた
「You Soul」YouTube、各SNS配信中⤵︎ ︎
https://youtu.be/rc9go8HJnkc?si=1KMDJkG7RO1drQoH




