KaIjYUU
前回までのあらすじ
「遂に来た……」
レコーディング当日凪は緊張と不安でいっぱいだったここ数日で初めてのことを多く経験をし必死に食らいつく事で精一杯だった。
スタジオの中から話し声が聞こえた
&Luckという言葉。
少なからずこのバンドと&Luckが関係している?疑問が募っていた。
間もなくレコーディングが始まろうとすると燈は凪を別室に連れ出して問い始めた
BackLightでの歌い方
「それぞれの色を混ぜ合わせて泥臭くも他人から汚いと言われても無視してお互いを尊重し自己中な音楽を鳴らすバケモンが欲しかったのよ」
この言葉を言われより緊張した凪だったが
凪、楽しめよ音楽は敵じゃない。いいな?
凪は今の全ての力を歌に乗せレコーディングは無事終わった。
25日みんな忘れんなよ
この日に何かがあると思いつつも皆凪には頑なに教えようとしなかった
気になりつつも当日を迎えていた
4曲目「KaIjYUU」
「おーい、凪ーーこっちだーー!!」
会場から少し離れた集合場所に遥斗の声が響き渡るこの日大和の車で会場?に向かおうとしていたまだ何処に向かうのか知らされず今日を迎えたが何故か不思議と緊張をしていた上京してから誰かと一緒に出掛ける事が凪は少なかったからだ
「今日ほんとにどこに行くの?」
「んー、口止めされてんだよ燈に」
「ほんとに口止めする意味あんまりないと思うんだよねでも、凪が変に口を滑らせない為とかかなそれ以外考えられないかな」
「え、えぇ……」
凪は目に見えて省かれていたここには翔の姿も見えなく凪の中で少しだけ壁を感じていた翔が居なくて少しだけ気持ち安心している部分があった燈と翔は他のメンバーとは違う関係があるのも感じでいた。
「ちなみに凪、翔は今日会場だからね」
「え、もう居るってこと?」
「そゆこと、あー見えてあいつら相思相愛みたいな部分あるからね」
「なんか夫婦感あるよな」
「えっともしかしてそっち系?」
「あっはっはっは。なわけないでしょどっちも女性が好きって豪語するよ例えよ例え」
「まー、ともあれ燈と付き合いが長いのは翔で間違いないからね」
「もしかして燈とか翔って長いこと音楽やってるのかな?」
何気ない質問だったすると前にいる2人が顔を見合せながら答えた
「ほんとに何も知らないんだなーレコーディングも一緒にやってご飯も一緒に食べてんのに気づかないのはもはや才能レベルだよ」
そう答える遥斗を横目にはにかみながら大和が答えた
「今日分かるよ全て」
「そうだね燈に何で俺たちがついていったかとか」
「あぁ、確かに結構ちゃらんぽらんだから」
「ははっウケる意外と凪はサッパリしてるな性格」
「え、そうかな?」
何気ない会話をしていると気づいたら地下駐車場に入っていた
「さ、着いたちょうど時間もいい感じ」
会場の地下駐車場に着いていたそこには「東京ドーム」と書かれていた
「え、ここ東京ドーム!?」
「そうだよ、今日は&Luck活動前最後のライブだ」
「お、俺抽選ハズレて配信とかもやってないから諦めてたんだけど」
「あるんですよーここにチケットが関係者だけどね」
「凄い&Luckと知り合いなんて信じられない……」
「……まーね……」
言葉を詰まらせている2人を横目に初めて&Luckのライブが見れることに興奮を隠せない凪は早く入りたいと言わんばかりの足運びをしていた
「もうそろそろ入れるんじゃないのかな」
「おぉ、ワクワクする……」
「燈と翔には後で会えるけど今は集中したいだろうしね」
「あーうんそうか……」
2人の話が凪の耳には届いていない状態だったが刻一刻と開場時間が近づいていた。
「グッズ買いに行こうよ早く!!」
「はいはい、凪はしゃぎすぎなー」
「余程嬉しいんだろうね」
グッズの列を見て改めて&Luckがどれほど人気なのか物語っていたメディアにあまり出ていないのに老若男女問わない音楽を作っている事がどれほどすごいことか凪自身も活動する中でより痛感している部分でもあった
まもなく開場致します
会場に響き渡る放送を皮切りに人が列をなしドームの中になだれ込んでいた
「俺らはこっち関係者だからね」
「あ、そっか」
中に入ると始めてみる&Luckの世界観が広がっていた無骨なセットとモニターの数に圧倒されながらステージに釘付けになっていると
「大和たちもう来たのか」
「あ、長谷部さんお疲れ様です」
3人で席に座っているとスーツを着た人が話しかけてきた大和や遥斗と知り合いみたいだった
「燈が用意してくれて」
「おーやっぱそうだよなしかし見かけない顔がいるけど……」
「こいつうちのボーカルです」
「あ、えっと、岩瀬凪ですよろしくお願いします……」
「燈がボーカル見つからない見つからないってずっと嘆いてたからな」
「燈と知り合いなんですか!?」
「知り合いも何も燈が……」
「ちょ、ちょっと長谷部さんちょっと!!」
凪に隠す形で3人が隅に固まるとニコニコしながら戻ってきた
「いやぁ……すまないすまない、僕は長谷部誠SuniMusicArtistsという事務所の社長だ」
「え!?SuniMusicArtistsの社長!?」
Suniとは国内外に多くの電化製品テクノロジーやエンターテインメントをシェアする上場企業だそのグループの一つであるSuniMusicArtistsというと日本の多くのトップアーティストが所属している事務所だ今そのトップが目の前にいると考えただけでも凪は気圧されていた
「今日は&Luckの事実上最後だからね彼はこの世界に何かを成し遂げる程の力を持ってたんだけど……まー今日は……そのなんだ……楽しんでってね」
そう言い残すとそそくさと立ち去って行った何気なく喋っていたがSuniMusicArtstsの社長というのだ凪は自分の思っている以上にとんでもないメンバーと今過ごしているんだと考えていた
「長谷部さんなんか言いたそうだったな」
「まーそもそも2年契約だもんまだまだここからっていう&Luckが活動休止ってなっちゃー……ねぇ……」
「そもそも&Luckを見つけたのは長谷部さんだって言うし」
「え、そうなんだ……」
「そうそう、&LuckがSuniのオーディションを受けたんだけど落ちちゃってそこから長谷部さんが見つけてスカウトって形で入ったんだよ」
「へぇー……そうなんだ……てか、異常に詳しくない?」
「え、そ、そう??まー聞いたからね本人から」
「そうなんだ」
確かに見つけた才能の原石が自分から活動休止を言い渡したというんだ誘った側としては悲しむのも無理はないかと凪は思いふけていると
「もうすぐだな、始まるぞ」
遥斗の言葉を皮切りに会場が暗くなる
ライブが始まった
軽快な音楽始まりは「逃亡録」この曲は凪と燈達を合わせてくれたあの日の思い出ある曲だったそう考えていると自然に涙が流れていたライブは生で聞けるというのが1番の醍醐味だがこの空気を味わうというのも魅力の一つだった全ての曲が今までの苦労を弔うかのように凪の体に響き渡っていた照明が少しだけ演者の顔を照らした時一瞬だったがすぐに気づいた
「あれ?翔?」
「あ、もしかして気づいた?」
「嘘だろ……&Luckのサポートギタリスト翔だったの!?」
「そう、だからあいつは何かと特別なんだよ」
「ちなみに俺らもね?」
「……?」
「そうだよ、特別燈に見つけて貰えた特別なんだよいつか俺ら5人でここを埋める日を目指すって話」
「凪ー気づいてない?あいつは示したいんだよ俺たちに。ここを目指すってことを」
「いや、燈ならそれ以上のこと言いそうだけどね」
「それもそうか」
一人一人が形は違えど同じ所を目指していた少しだけスポ根のような泥臭いかもしれなかったが凪にとってはこれ以上カッコイイものは無いと考えていた
気がつくとライブは終盤に差し掛かり本編の最後の曲となっていた
「次が最後の曲です、この曲は俺の全てだと思っています始まりであり終わりでもある気がしてどうしても最後はこの曲で閉めたいと思ってセットリストを組み立てました1人が怖くて躓いても何に躓いたのかも分からなった俺自身の過去が示してくれた1番好きで泥臭くカッコイイ歌です改めて次が最後になるけど消える訳じゃないからどこかでまた会おうぜそれでは聞いてください」
「ヒキコモリヒーロー」
「この声……燈?」
そう言うと大和と遥斗はやっとわかったかという顔をしながら顔を見合せていた凪は状況を処理することが出来なくなると同時に曲は始まっていた燈に初めて会った日向けられた一言「……ヒキコモリヒーロー……歌える?俺一番好きなんだよね」この言葉が凪を救った言葉だったそこ声が今ステージから&Luckから聞こえてくることに衝撃を覚えた
喋る間もないまま&Luck活動前最後のライブは終わっていた
「え、燈が&Luckで……俺らはその人と一緒にバンドをやっているってこと??」
「やっとわかったかそういうことよ」
「だから、特別なんだよ俺らも元々は燈のファンだし紆余曲折して今ここにいる」
「運命なんだよシンプルに」
&Luckは終わるけどまた形を変え「BackLight」としてまた再出発するしかし凪にはひとつ疑問が残った
「え、でも尚更燈って名前で活動せず&Luckって名前で動けば良くない?その方がファンもついてくるだろうし……」
「それは俺らも同じこと言ったよこれ以上は本人から聞きな」
「行くぞ控え室に」
「う、うん」
そう言うと3人は席を後にし控え室へと向かった凪は聞きたいことが山積みだったが何から聞けばいいのか内容がまとまらなかったからだ
「……何から話せば……」
気づいた時には凪は2人と離れてしまっていた
「あれ?確か凪くんだよね?」
そこには開演前に話しかけて来てくれた長谷部だった彼もちょうど&Luckの控え室に向かう途中だった
「気づいた?&Luckが燈ってことに」
「はい……何が何だか……」
「燈はずっとボーカル探してたんだよ俺の理想を具現化したやつをーってそう簡単に見つからなかったらしいけど」
「それが俺だったってことですか……」
「正直見つからないと思ったあの子は夢追い人だから理想も高かったから君を見つけた時凄く嬉しそうだったんだよ無邪気に笑って見つけたって連絡してきやがって大変だったんだから」
「そうだったんですか……」
凪はより一層燈自身の理想に近づいているのかと不安になった気がつくと目の前には&Luck、燈の控え室の前にいた凪自身ここまで重い扉はないと思った
「入らないの?」
「なんか重くって……」
「なんだよー、メンバーだろ?シャキッとしなさい!!」
「は、はい!!」
凪は長谷部に鼓舞されながらも控え室の扉をノックすると中から聞き馴染みのある燈の声が聞こえてきた
「おつかれー」
「長谷部さんおつかれっす……あれ?凪もいるじゃんやっぱりこの2人じゃ凪の引率は無理だったか」
「俺らじゃなくって凪が消えたんだって」
「そうだよ振り返ったらもういないし電話しても出てくれないし」
「ご、ごめん!!」
中には燈と翔一緒にライブを見ていた2人がいた凪が居なくなってすぐにこの控え室で待っていたみたいだったすると翔が凪に声をかける
「凪……お前びっくりしただろ&Luckが燈だって」
「う、うん、ほんとになんで教えてくれなかったの?」
「教えても良かったんだけどー……人生にサプライズはつきものだろ?」
「だとしても俺……このバンドでボーカルとしてやって行けるか……」
凪はこのライブを通して感じたことそれは「実力不足による自身の欠如」だった。憧れの&Luckに認められた事実と自分の不甲斐なさが交差していた
「何言ってんだよ、もうお前は俺らのバンドのボーカルだそれ以上でもそれ以下でもない紛れもない事実なんだ今になってやっぱり無しなんて出来ねーぞ?」
「正直俺も凪異常に歌上手いの周りにいない」
「え?俺は?」
「いや遥斗はそんなに上手くないじゃん」
「あん?このこんちくしょうもう一度言ってみろや!!」
「あー言ってやるよ、歌下手っぴで音大でボロボロだったくせに」
「言うなそれ!!」
「ふっ……」
「おい!!凪笑うな!!」
気づいたらライブ後の熱はどこかに消えいつも通りの空間となっていたこの空気感に少し救われたと思っていると長谷部が燈に問いかけた
「燈……あの話答え出たか?」
「あーメンバーにまだ言ってないです!!」
「はぁ……言っとけって言っただろ……俺から言う。このBackLightをSuniMusicArtstsにスカウトしたい」
「「「「え!?!?」」」」
「そうゆうことなんだがどうだ?」
そう言うと4人は顔を見合わせながら頷いていたしかし1人だけ首を縦に降らない人がいた
「いや、長谷部さん……その話まだ待ってもらっていいですか?」
他の4人の答えとは裏腹に燈は真剣な眼差しで答えた
なぜ答えを先延ばしにするのか凪は燈の意図が全く読めずにいた
Dreamer挿入歌「KaIjYUU」youtubeで配信中⤵︎
https://youtu.be/0_PR5D7rKBk?si=oRrQsUL-UPDBI9GX