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第六話
部屋を見て回っていると後ろから声がした。
「おい。」
僕しかこの部屋にはいないはずなのにと思い、僕は驚いた。
咄嗟に声の聞こえた方向を見ると、そこには手足の生えた顔のあるタコスがいた。
おでこらしい部分にシワが寄っている気がするのは気のせいだろうか。
「お前だろ、俺のことをくわえて走ってたやつ。」
タコスは言った。
え、もしかして朝ごはんのタコスかな。
たしかにくわえて走ってたけどさ。
その前に聞きたいことがたくさんあるんですけど。
僕は理由がわからなかった。
朝ご飯になるはずだったタコスに手と足があるし顔もある。
なんなら言葉喋ってるし。
こ、これは未確認生物だ。