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第十一話
もしかして魔王様はたこきれが見えていないのかな。
僕は魔王様の言葉を聞いてそう思った。
執事さんも魔王様同様に不思議そうな顔をしている。
ふたり共たこきれのことが見えていないようだ。
それに声も聞こえてないのかな。
「いや独り言だよ?」
とりあえず僕はそう答えた。
「……そうか。」
魔王様は短い沈黙のあと言った。
おかしな人だと思われたかもしれないけどまあいいや。
僕は胸の前に手を持ってくると、手を合わせて
「いただきます。」
といった。
僕はご飯を食べ始める。
すると魔王様が言った。
「そう言えばだけど明日入学式あるからこのあと準備しようか。」