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第十話
テーブルの上にはごちそう以外にも赤い、いちごのような花が花瓶に生けられている。
いちごのような形のろうそくみたい。
僕はその花を見て思った。
食堂には大きな椅子が二つあり、片方には魔王様が座っている。
魔王様は僕のことを見てからもう一つの椅子の方に目をやった。
その椅子に座れということなのだろうか。
僕が戸惑っているとたこきれがいった。
「その椅子に座りな。」
僕はたこきれに言われたようにその椅子に座った。
椅子に座っても特に何も言われないし、座ってよかった。
「ありがと。」
僕はたこきれにお礼を言った。
その声が魔王様は聞こえていたらしく、僕に尋ねた。
「誰に話しかけてるんだ?」