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正式第1話 共同生活

日向夕陽新生活が始まる!

とその前にまさかの幼馴染達とのトンデモ話が?本編がここから始まります。



()()()、言葉だけでも人の心を躍らせる。ましてや青春の本場である高校での新生活と言ったら、心躍らない人はいないのではないか。


俺こと、日向夕陽(ひなた ゆうひ)はどこにでもいる普通の男の子。成績も容姿もスポーツも全てが標準である。そんな俺が唯一普通ではないところがある。それは…。



3人の幼馴染と一つ屋根の下で一緒に暮らしているということである。



突然だが、俺には3人の幼馴染がいる。


容姿端麗、誰にでも優しく丁寧なみんなのお姉さん的立ち位置成宮桜(なるみや さくら)


スポーツ万能、いつでも元気で明るく周りを引っ張ってくれるアイドルで元気っ娘天宮海(てんぐう うみ)


小さくて可愛い、小動物みたいに可愛がられてる少し内気でマスコット的立ち位置結城もみじ(ゆうき もみじ)


この3人、幼馴染という贔屓目を抜きにしてもとても可愛いと思っている。俺とは住む世界の違う3人のはずが、何故こいつらと同棲することになったのかというと時を遡ること1時間前…。


「良し、準備できた。」

今日は高校の入学式、そして多くの人の新生活の始まる日でもある。戦闘服(制服やスーツ等)に身を包み各々覚悟や、決意を持つ日でもある。そしてそれは俺も例外ではない。

高校では青春を謳歌したいと思っている。

こう聞くと中学で青春出来なかったように聞こえるがそうではない。先ほども述べた通り俺には3人の幼馴染がいて、中学時代俺を色々な意味で支えていてくれた。

あいつらのおかげで俺の周りには常に人がいた。目を引く彼女たちの幼馴染である俺と仲良くしていれば何かと有利に働くと思って近づいて来る人や、純粋に俺への興味で来てくれる人もいただろう。

だが、どのような状況だったとしても、あいつらが<常に俺の近く>に居てくれたからと言う事実には恐らく変わりないと思う。


だからこそ、高校生になる今あいつらに頼らず高校生活を謳歌したいと思っている。いや思っていたのだが…。


ピンポーン♪


「うん?こんな朝早く誰だろう。」

自室の時計は午前7時を指す。両親は出張中につき留守。朝から訪ねてくるのはせいぜい新聞配達員くらいだろうが、それも基本無い、普通はインターホンは鳴らさずにポストに投函してくれるだろう。

そうすると、本当に誰だか予想が付かない、と考えていると更に感覚短くインターホンが鳴り響く。


ピンポーン♪ピンポーン♪ピンポーン♪


トントントン


とノック音まで聞こえる。本当に誰なんだ。少し怖気づいていると、


「夕陽くん?起きていますか?」

透き通っていて甘く心地よい声

「夕陽ー?おーい!夕陽ー」

声がでかいのに何故か嫌な感じが一切ない少し優しい声

「ゆう…起きてる?」

静な声なのに語気がしっかり強い耳聞えの良い声

あぁこの声の主たちは…

俺は少し憂鬱そうな、でも少し微笑みを浮かべながら玄関に向かい、ゆっくりと扉を開けた。

「こんな朝早くからどうした?桜、海、もみじ」

そう、この声の主たちは俺の幼馴染である3人の声だ。

「「「おはようございます!」」」

息の合った3人の挨拶。

3人の顔は少し照れているのか頬がピンクに色づいていて、どことなく緊張しているように感じた。そして、手には大きな荷物…。おおきなにもつ?

「あ、朝早くからおはよう!んで、こんな早くに何か俺に用か?今日から高校だろ?その準備は済んだのか…。って」

俺の前には確かに3人の幼馴染がいる。だが、今までの少し幼く見える中学の制服を着た3人ではなく、少し大人に見える高校の制服を着た3人が。少し、いや、とても見惚れてしまうほど似合っている制服。

春を彩っている桜の花も背景にすらならない、そんな3人の制服姿。

「……綺麗」

ボソッと、そよ風にかき消されてしまうような音量で言ってしまった。

「い、今なんて?なんて言いましたか?」

さっきよりも顔を赤らめて聞いてきた。

「い、いや何でもないぞ!それより桜たちこそそんな大きな荷物もってどうしたんだ?せ、制服にもしっかり着替えているみたいだし」

俺は照れ隠しもあり、本当に疑問に思っていたことを少し息をあげながら聞いた。桜はもじもじしながらトマトと同じくらい頬を赤らめた後口を開く。

「きょ、今日からお願いします。」

頓珍漢な事を言い始めたぞこの子。いくら顔をトマト色に染めても思考は正常でいてくれ。

「お願いします。ってのはなんだ?」

俺はこの言葉の意味を模索した。高校の入学式の日にお願いされる事とは何か、そして大きな荷物を持っていることに何か意味があるのか。ハンドスピナーが止まる20秒前くらいの速度で脳内で考えていたところ、海もまた桜と同じく頬を赤らめながら、でもしっかりと俺でもわかるように説明してくれそうな雰囲気で話始めた。

「今日から、私達夕陽の家に住むから!だから今日からお願いします!だよ。」

前言撤回、何もわかりやすく無かった。ん?え?何て?どういうこと?一緒に住む?俺と?君らが?

本当に何を言っているのかわからない。

「待て待て、どういうことだ?一緒に住むってなんのことだ?何がどうしてそうなった?もしかしてその大きい荷物って…」

「そ、そう。洋服とか生活必需品とか入ってる…」

か細くも力強い肯定をもみじが言う。

「入ってる…じゃなくて、何故住むことになってるの?」

「そ、それは夕陽くんのお父様がお伝えしてるはずですが…。もしかして知らなかったのですか?」

「そんなこと一言も…」

と一件のメールが俺の携帯に届く。

親父からだ。内容は

「「桜ちゃん、海ちゃん、もみじちゃん、みんな高校入ったら一人暮らしする予定だったらしいのだが、みんな親バカだから少しビビっててよ、だから3人でシェアハウスすればええじゃんって俺が提案してよ!そしてほら、うち部屋余ってるし俺らそもそも当面主張から帰れないし新しく家探すくらいならうちにきたらって言ったわけよ。」」

言ったわけよ。じゃねぇよ。そもそも俺いるのに良いわけないだろと思っていると

「「んで、みんなにうちのバカ息子いるけど良いか?って聞いたら全員夕陽なら良い!って言ってくれたから、あとは3人次第ってことにしたのよ」」

そもそも俺が考えてること先読みしてメール送って来てるの凄いな。

「「で、3人ともokってことになったから、たぶんうちに来るから、今日から面倒見てやってくれってさ。いや、面倒みられるのはお前の方か!!」」

メールでもウザいなこの親父、ってかこんな大切なことなら電話

「「電話はお前に途中で切られる可能性があるからメールで送ったわ。まぁ、そういう事で!部屋は桜ちゃんたちに選ばせてあげてな。」」

あげてなって、そもそも俺の意見は聞かないのかよ。あと一応でも俺男なのに、あいつらの両親たちは大丈夫なのか…

「「あと、あいつらはお前だから同棲の許可を出したんだ。それは忘れるなよ。いつもあの娘たちと比べていて自分に自信が無いようだが、お前はちゃんと俺の自慢の息子だ。まぁ、そういうわけで後よろしく!最後になるが」」

ここで改行を多くしている。親父のことだからろくでもないことを書いてそうだが、先が気になるのでスマホを下にスクロールする

「「しっかりと()()はしろよ!男同士の約束だ!」」

見なければよかった。さすがは糞親父、最後の最後でゴミ発言してやがる。でも、最後のを抜きにすると要するに、俺の家で3人と暮らすのは確定で、3人の両親も認めてくれている。そしてこいつらもそれでよいと思ってくれているわけだな。なら、俺が言うべきことはこれしかない

「まぁ、ようそこ!いらっしゃい」

3人とも先ほどまでの様子とは変わり、笑顔になり手をつないで喜んでいる。あぁ本当にこいつらここに住むんだな。と雲一つない空を見上げて思い老け、そして3人を部屋に招き入れた。

「「「お邪魔します!」」」

`


ここから俺の、俺たちの共同生活が始まる。



3人を家に招き入れた後、まずはみんなを部屋へと案内した。俺の家は二階建ての一軒家。

一階にリビング、トイレ、浴室があり両親の部屋と俺の部屋も同じく一階にある。そして3人の部屋となる二階にはトイレ、浴室、そして物置部屋になっている一室と、特に使っていないが綺麗にしてある都合の良い部屋が4部屋ある。その余っている部屋を3人で場所を決めて使ってもらおうというわけだ。

というか俺の家デカすぎるだろ、などと考えていたら3人が各々の部屋を決め、俺のいるリビングへ降りてきた。だがみんな少し気落ちをしていた。

「お?部屋決まったか?」

「はい。でも本当に良かったのでしょうか?私たちが言い始めたとはいえ夕陽くんの意見も聞かず、急に決めてしまって」

「もしかしてみんな少し気落ちしてるのって今更迷惑だと思ったからなのか?」

「いや、それは違うけど。」

いや違うんかい。

「まぁ、そ、それもある。」

あるんかい。

「でも桜の言う通り私ら夕陽のこと考えずにおじさんに提案してもらったから決めちゃったのは確かだし、申し訳なさというか、あの一件以来話してないのもあったしで、いろいろとね。」

「あぁ、まぁあれはもう桜が説明してくれた通りだし、俺はもう気にはしてないよ。」

「ゆう、本当はもみじ達と暮らすの嫌だったり、する?」

「それはないから!絶対に。むしろお前らこそ俺と一緒に暮らすのはアリなのかよ?幼馴染とはいえ、男と暮らすとか、そのみんな可愛くてモテるし…万が一、一緒に暮らしてるのがばれたりしたら、それこそ嫌じゃないのか?」

「「「嫌じゃないよ!!」」」

今朝の挨拶よりも大きく声かつ力強く否定してくれた。その時の3人の顔は、気恥ずかしさなのか大きい声を出したからなのかはわからないが、顔が赤くなり、そして何故か目が潤っていた。

「なら、俺は平気だ。本当に。自分から言うのはあれかもしれんが、改めて。」

俺はその場の薄暗く切ない雰囲気を払拭するかのような、光差す声で

「今日から、よろしく!」

そう返した。

そのあと、みんな何か言いたげな様子を見せるも特に何も言ってくる事無く、各々準備が整った。リビングに集まり、登校時間までどうしようと悩んでいると、先陣を切って桜が自己紹介をした。

「お待たせしました。改めまして、本日からお世話になる成宮桜です。家事全般出来ますが、料理が得意で、お掃除が少し苦手です。」

その後海が続く

「え?なになに自己紹介する感じ?えーとね、今日からお世話になりまーす!天宮海です!料理は一ミリも出来ないです!食べることが得意?大好きです!よろしく!」

そしてもみじ

「……結城もみじです。お菓子を作るのと、寝るのがす、好きです。お掃除もす、好きなので頑張ります…。よ、よろしく。」

最後は…俺だな。

「日向夕陽です。桜と同じとまではいかないが、家事全般一通り出来ます。うーんそうだな、俺ももみじと同じで寝るのが好きかも知れないなー、まぁよろしく」


自己紹介を済ませたら、ちょうど登校時間が来た。

ひと悶着あったけど、いよいよ本当にここから始まる。俺の…。いや、俺たちの高校生活が。

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