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第0話 新生活の始まり


卒業式、そして春休みが終わり今日から高校生活が始まる…。

の前に告白した後の事を思い出すとしよう。


俺は桜の言う通りに告白し、そしてしっかりと、なんならこっぴどく振られた。というか今思うと何故告白する必要があったのか、そして何故振られる必要があったのか考えてしまうが起きたことはしょうがないよな。うん。ではなくてだな、そう、あの後。


「む、無理です。ごめんなさい!」

「ものすっごい速さで走っていくんだな」


桜に振られた後、100メートル先の木の陰から俺らを見ていた海ともみじが俺のもとへ駆け寄ってきた。


「夕陽!ど、どう言うこと?」

「ゆう。今の何?」

「どういうことって、ていうか何でお前らこんなところにいるんだよ!」

「そ、それはぁー?桜と夕陽がホームルーム終わった途端二人で出ていくんだもん。そりゃ何かあるのかもって思ってみーちゃんと二人でつけてきたらさ、その…。」

告白現場に遭遇した、と言いたげなご様子の海だな。もみじも同じように考えているっぽいな。ってか凄いな桜のやつ、こいつら本当に尾行して来てやがったわ。作戦会議?の時に私たちが二人一緒に教室をでれば海ともみじは後をつけて来ます。とか言ってたのは本当だったな。とまぁ閑話休題

「なるほどな。そしたら俺が告白していたわけだな。桜に。そして振られたのも見ていたのか。」

「そうなの!ビックリして居たたまれなくなって。(でも何で桜は夕陽からの告白を断るなんてことをしたのかな)」

少し遠い目をしながら海が答える。

だから遠くから見てたけどこっちに駆け寄ってきたわけだ。

「たしかにびっくりした。いろんな意味で…。(さくらがゆうの告白断るなんてありえない…はずなのに。)」

もみじもまた、何か含みを持たせた言い方をした。

「ま、まぁ振られちまったし?とりあえず俺の恋は終わったってことで解散だな!!よし帰ろう。」

この息が詰まるような雰囲気から一刻も早く立ち去りたい一心で少し明るい声色で言ったのだが…

「でも待って?そもそも何で桜に告白なんてしたの?夕陽そんな素振りしたこと無かったよね?私達にも。勿論桜にもさ!」

何でこういう時こいつ勘が良いんだよ。

「後もう一つ!何で振られたのに、なんていうかそんなに夕陽は元気なの?普通さ告白なんて一大イベント、成功しても失敗しても感情爆発するものじゃない?」

「いや、それは感情爆発する前におまらがな…」

「だとしてもだよ!なんかこう?最初から「分かってました。」みたいなリアクションな気がしてならないんだけど」

本当にこの娘!勘が鋭いとかのレベル越えてません?心の中読まれてる?なんなら全部わかってるの?

海ちゃん!恐ろしい娘。

じゃなくて、どうしたものか。海が言っていることはその通りなんだよな。仕組まれた告白、振られるのもシナリオ通り悲しいとか悔しいとかそういう感情は芽生えるはずもない、からいつものようにこいつらと話せているわけで。

でも確かに告白といイベントを終えてこのリアクションは本当は合っているけど、周りからみたらおかしなことだよな。

海のやつはやけに何かを勘ぐっているし、またもみじも同じく何かおかしさに気づいているようだ。


いっその事素直に言うか?これは桜が提案したことで告白するのも、振られるのも決まっていた、と。

でもそれだと桜が何かを考えて行動してくれた事実を無下にすることになるし、やはり言うのは無しだ。でもどういうか。

長いようで短い思考をした後俺は口を開いた。

「その…だな?ほら、俺ら今日で中学卒業したろ?次は高校生になるだろ?高校生と言ったら青春じゃん?青春と言ったら友情や恋愛だと思うわけよ!」

海ともみじはまぁ確かに?というような顔をしている。

「でも、俺が高校で彼女出来るとも限らないだろ?それで高校で作る必要も無いな?て思ってさ、そういや、桜この前俺の事好き?とか言ってくれてからよ、桜美人だし?彼女だったら自慢できるかなって思って告白したら振られてしまったってわけよ。」

我ながら最低が過ぎることを言っているなこれ。

「まさかだけどゆう、それさくらに言ったりしてない?今の話した後に告白した…とか?」

ゴミを見るような目でもみじが言ってきた。

なんて返すのが正しいのか。そんなわけないだろ!と返すのが一般的であろう。そもそもこの発言を嘘でも言っている俺が一般論を語ってはいけないだろうが。でも、ここで否定してこの話を掘り下げられても困るしな。

「何かおかしいか?普通にそう言ってから告白したぞ?」

「「ゴミ」」

2人に頬を叩かれた。くっそ痛い。

(だから桜は振ったのかな。こんな最低な理由ならさすがの私も…)

海が何かボソッと呟いていたが聞き取れなかった。

「ゆうがそんな人とは、お、思ってなかった。ゴミ虫。」

「いや、さすがにゴミだわ。本当に」

「いっ…。返す言葉もないです。ごめんなさい」

桜を庇うためについた嘘とはいえ、ここまで2人に言われると本当に苦しいな。そもそも桜は俺らの関係を壊さないため!とか言ってこの告白作戦を提案してきたような。俺、ガチで本末転倒なことしてない?今2人に嫌われてしまいましたよ。桜さん。

「私達に謝る必要はない。桜にしっかり謝っといて。本当にその告白は最低すぎる。」

「もみじ、今のゆう大嫌い。さくらにしっかり謝って。」

重たい空気になってしまった。嘘に嘘を重ねてかつ、桜が思い描いていた道から外れてしまった。

「分かってる。本当に申し訳ないことをした。桜には後でしっかりと謝っておく。俺を叱ってくれてありがとう。」

その後、海ともみじは桜を慰めに行くと言ってその場を離れた。俺は疲れてしまい、また桜に海にもみじに申し訳ないことをしてしまったとい罪悪感に襲われながら帰宅した。

その後桜になんと説明しようか考えながら風呂に入り、そのままお風呂から上がりご飯の用意をしていると一通のメッセージが届いた。

「「「海ともみじが心配して家を訪ねて来てくれたのですが、私が思っているような結末になっておりませんでした。本当でしたら私が質問攻めにされる想定でしたが、何故か泣きながら私を抱きしめてきてくれて、事情をきいたら、その…。」」」

と、そういえば桜が走り去った後に咄嗟についた嘘だったから、桜の想定とは違うことになってしまっていたと、そして自分を庇うために嘘をついてくれたのは気づいてるとのメッセージが来た。

「「「頬を叩かれたことも聞きました。私が変な提案をしたせいで夕陽くんを傷つけてしまい大変申し訳ございませんでした。」」」

「「「桜は悪くないよ。俺が適当に嘘をついた結果だから桜は何も悪くない。俺こそすまん。桜が守ろうとしていた関係を俺が崩してしまったかも知れん。」」」

「「「夕陽くんが悪いわけないです。私が嘘の告白なんてさせてしまったばかりに…。なので居ても立っても居られないなり、夕陽くんには申し訳ないのですが、海ともみじには私が全部考えたことでした。と伝えました。」」」

「「「え?言ったの?嘘の告白イベントだと?」」」

この娘何言ってるの?言っちゃったの?なんで?そのまま俺が悪いで終わらせたら何もこじれる事無く3人仲良くできたでしょ?

「「「言いました。全部。私が夕陽くんに好きと伝えたことも、何もかも。」」」

えーーー、桜さん少しおバカ?あんなに色々考えた結果だったのでしょ?

「「「ですので、もう少ししたら海ともみじがそちらのお家にお伺いすると思うので、何卒宜しくお願い致します。」」」

その後夜8時だというのに本当にあいつらは俺の家にやってきて、俺に泣きながら謝ってきた。気にしてないといっても聞いてくれず、10分ほど2人して謝ってくれた後、急にケロッとした態度になり、今日は遅いから帰ると言って帰っていった。


その後春休みの間あいつらと連絡を取ることも無かった。


そして日は流れ春休みはあっという間に終わった。


桜舞う朝、俺は新しい制服を身にまとい出かける準備をしていた。そう、今日は高校入学の日だ。緊張と胸の高まりを感じながら朝食を取ろうとしていたら、


ピンポーン♪


こんな朝から誰だろうか

「はーい今出ます。どちら様でしょう…」

あぁ、本当にこいつらは

「夕陽くん」

「夕陽!」

「ゆう」

「「今日からお願いします!」」

俺の目の前にいたのは、大きい荷物を持ち、俺と同じ高校の制服を着た、桜、海、もみじの3人だった。

「今日からお願いします?ってなんだ?」

「朝日様からメール来てないですか?」

朝日と言うのは俺の親父だ。俺の親父と母さんは海外で働いている。

「親父から?メールはっと、来てたわ。ええーっと」

「「「今日からその家に桜さん、海さんともみじさんが来てくれるようだぞ良かったな!!がはは!あ、ヤル時はしっかりと…」」」

じゃねぇよ?え?どういう事ですか?あの一件以来3人と連絡とってない間に何があったの?

「と、言うことでもう一度。」「「今日からよろしくお願いします。」」

え?本当に何が起きたの?


高校入学初日、訳も分からないままこの家の住人が3人増えました。


「って意味がわからねぇーー」


日向夕陽の楽しく、甘酸っぱく、でも悲しくならない高校ライフが開幕。

これから夕陽たちの高校ライフが始まります。クラス発表に席決め、委員会を決めたりと最初のイベントも盛り沢山。これから白熱するかも?知れない幼馴染3人にも注目です。


これからもまだまだたくさん続きますので「ととと」を宜しくお願い致します。

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