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乙女ゲームの主人公は恋愛フラグを折りたい  作者: ジュラ
乙女ゲームの主人公になってしまった
3/5

3話 頭を抱える程に

目の前の男の人の話を聞いて気付いた。

私は本当に死んでしまったのだと。

そして私は何故か、乙女ゲームの世界へと転生してしまったのだと。


今の私の名前は、田中(たなか) ハツ。

有名実況者が実況したことによって世に広まり、私もその実況を見て見事にハマった乙女ゲーム「恋してラブどっきゅん♡」略して「恋ラブ」の主人公のデフォルト名だ。


そしてこの男の人。

自分をお兄ちゃんだと名乗るこの人は、田中(たなか) (なる)。主人公の義兄だ。




「そ、うだった…。思い出したよ、全部」


「よかったー!ハツの記憶に何かがあったら、せっかく築いた俺との思い出あれやこれが失われて泣くところだったー!」




段々と記憶が鮮明になって来た為、その一連の騒動も思い出した。

確かに私は高校入学初日に子供を助けて自分が溺れた。まじのバカ。

そしてこの義兄こと成との思い出あれやこれがない事も分かる。




「あれやこれの思い出はないでしょ」


「あるよ!一緒にお風呂入ったりしたじゃん…♡」




頬をぽっと染めて照れる成、シンプルに気持ち悪い。

もちろんそんな事実は一切ない。

一応こんなのも攻略対象なのだ。成は名目上シークレットではあるみたいだけど。




「捏造するな」


「起きて早々辛辣〜!でもそんなハツも好きだよ♡」


「無理」


「くぅー!その言葉、染みる〜!」




テンションが本当にだるい。

私はまだ自分が死んでしまったショックと、それによって家族を無くしてしまった現実にSANチェックしてる所なのに。

大好きなお兄ちゃんの次の兄がこれだと言う、そしてよりにもよってこの乙女ゲームに転生してしまったと言う事実に追加SANチェックでSAN値ごっそり減って発狂しそう。




「とにかく、ハツが無事でよかったよ。起きたばっかりでなんだけど、軽く診察だったりがあるみたいだから頑張って!俺は安心出来たことだし、名残惜しいけど帰るね」


「あ、うん。ありがとう」




成はばいばーい!と元気に言うと、病室から出ていった。



それから体に異常がないか、記憶に問題がないかなどの診察や、ちょうど外に出ていた両親の訪問。また、助けた子供の御家族がお礼にやって来たりとてんやわんやで時間が過ぎた。

溺れている時間が短かったのもあり目覚めが早かったのと、どこにも異常がないのと、私の希望により今日まで病院で過ごして、明日から家に帰って学校にも行けるようになった。


落ち着いたので考える時間が出来た。

さて。

さてさてさて。

んんん、さぁ…どうしよう。

うん…んんんんん……ど、どうしよう。




「これはまた、やっばい事になりましたなぁ…」




起き上がっていた体を、ぽすりとベッドに預ける。目覚めた時と同じ白い天井を見つめ、軽く現実逃避をする。

私が死んだことや、転生したっていう仰天的な事はもう落ち着いた。

でも、私が悩んでいるのは、転生先の話。



舞台は「恋してラブどっきゅん♡」略して「恋ラブ」

タイトルからもうイカれてやがる。

そして成のあのテンション、イカれてやがる。

そう、この乙女ゲーム、乙女ゲームと同時にバカゲーでもあるのだ。

そこまではまだいい。

なんとこのゲーム、バッドエンドで死ぬ事があるのだ。




「いや、いやいや…もっかい死ねと…?嫌なんですけど…??」




ゴロゴロしながら悶える。無理、流石に嫌だ。

しかもこのゲームのバッドエンドは唐突にくる。

イベントは突発的に発生するものもあり、場合によってはどの選択肢選んでも好感度によっては死ぬことがある。

こまめなセーブが必須のゲームなのだ。




「無理ゲーすぎて草ぁ…」




もちろん現実にセーブもなけりゃあロードもない。

あれ、涙出てきた。

いやでもでも、私は実況を見たのと公式サイトやみんなの呟きを見たくらいの知識しかない。もしかすると安寧の道はあるかもしれない。


ちなみに実況は一人のキャラのノーマルエンドとハッピーエンド、何人かとのバッドエンドにまた違うキャラの攻略の途中まで。

続き上がるの楽しみにしてたんだよなぁ…。

ちなみにゲームはパソコンで無料でダウンロード出来た。私はパソコン持ってなかったから、実況やみんなのコメントを見て楽しんでいた。

このゲーム、何故か主人公ガン無視のBLルートとかもあるらしい、しかも逆カプに配慮してルートが分かれてて、全部の攻略対象とのルートがあるんだとか。

それもあって更に人気爆上げ。率先して壁になれて、かつ自分が見たい方を見れるから余計に人気になった。キャラはちょっとあれだけど。

そして無料ゲームなのにボイスも豪華、イラストも神。人気にならないはずがなく…って言った所。

確かに、見る分だったら楽しいし面白いよ?




「でも当事者は話が違うじゃあああああん!」


「先程から騒がしいですよ田中さん。静かにしてくださいね」


「スミマセン…」




見回りに来ていた看護師さんに注意されてしまった。でもこの気持ち分かってほしい…。無理だけど。


一旦整理しよう。

ここでは私は主人公、突発的なイベントで死ぬ可能性もあるし、攻略対象ですら死ぬことがある世界。好感度が低すぎても危ないからある程度は上げないといけない。誰かとひっつけば…とは思うけど、それぞれが頭おかしいから流石に嫌だしなんなら友人枠の最推しを嫁にしたいのが本音。

という事は、全キャラとある程度交流を深めつつ、誰一人とて命尽きる事なく、そしてゴールインすることもなく無事卒業まで頑張るってこと。




「…難易度高すぎでは?!!」


「田中さん」


「スミマセン!!」

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