表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

真面目ホラー

布団から手を出して寝ると

作者: 七宝

 何かに触られた気がして目を覚ましたが、そんなわけがない。ひとり暮らしなんだから。よし、もう1回寝よう。


 それからすぐに布団から出していた右手の甲を〈トントン〉とされた気がした。

 気味が悪かったが、それ以上に眠たかったので、手足を布団の中にしまってそのまま眠った。


 次の夜、今度は布団から出ていた足に冷たさを感じて目を覚ました。


〈誰かが触った〉


 そう直感した。


 それに、一瞬だけ真っ白な手が見えた気がする。赤い部分もあったような。⋯⋯爪だろうか。


 その日も手足を布団にしまって寝た。窮屈だったが起こされるよりはマシだったので我慢した。


 手足をしまった状態で寝ていると、頬を撫でられた。それから俺は全身に布団を被り、亀のような状態で寝ることが多くなった。


 しかし寝相というのはコントロール出来るものではないので、夜中になると勝手に手足が出てしまう。その度に冷たい手で触られた。


 それが何日も続き、2週間経っても止むことはなかった。


 しかし、収穫もあった。足に冷たさを感じた瞬間に目線を向けた際、一瞬だけ髪の長い女が見えたのだ。つまり、夜中に手足を触っていたのは女の霊だったということだ。そして、やつは必ず夜中の2時に現れる。

 そうと決まればやることはひとつだ。俺は夜に備えて昼間に数時間寝た。


 そして夜になり、俺は裸で寝た。


 顔と手足を布団にしまい、横向きになり、ちんちんだけ出す作戦だ。

 彼女いない歴42年の俺にとっては幽霊も人間も大した違いはないのだ。幽霊よ、どうか触ってくれ。


 やがて2時になると、部屋の温度が1、2度下がったのをちんちんが感じた。


 やつが現れる前触れだ。


 ちんちんを臨戦態勢にし、体勢を崩さず静かに待ち構える。


『⋯⋯は?』


 女の声が聞こえたと思った瞬間、空気が少し温かくなり、嫌な感じが消えた。


 それ以降、夜中に霊が出ることはなくなった。

 ⋯⋯は?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 布団から手を出して寝てたらその手でオナニー(なのか?)されたことある。 逆に寝ている相手にチンポ咥えさせたら噛まれました、漫画のは嘘なので気を付けましょう!
2022/12/09 16:53 通りすがり
[一言] タイトルに惹かれてつい読んでしまいました(笑)。つまり騙されたわけですが、笑ってしまった私の負けということでしょう。面白かったです。  ありがとうございました。
[良い点] なんで触ってたんでしょう。存在に気づいてほしかったのかな?(*´艸`*) それなのにそんなことされて、「は?」「ちげーよ!」ってやる気なくしたのかな? [一言] 人間の心理が精緻に描かれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ