分身◆
分身◆
作者:みやしろちうこ 様
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【あらすじ】
どこか社会の常識から外れがちな文治と、そんなかれと特別な仲の栗栖崎。何があっても離れないはずのふたりだったが……。
【感想】
少し変わった一人語りに引き込まれて、一気読みした現代BL。
BLはほとんど読まないのですが、時々すごい作品に出くわしますね……
主人公の文治を表すのに近い言葉は、浮世離れとか、社会不適合とか、純粋とか、色々思いつくのですが、そのどれにもピッタリ当てはまらなくて、形容が難しいです……
でもそういうカテゴライズに意味はないなと思ってしまうくらい、独自の感覚で生きてるのがこの主人公。
自分とはかけはなれた人物を通して、世界を知覚出来るのが読書の醍醐味の一つだと思いますが、例えば、文治の父親が一般の(今で言うと古い)社会通念で彼を詰るシーンでは、父親の方が完全に異分子に見えてしまうくらい深くのめりこんでました。
読み終えた時は、長い夢から覚めた気分になったほど。
そんな変わった文治に、魂レベルで捕まった栗栖崎からすると、男性が好きというよりは、相手が男性だっただけなんだろうなぁ……という気がします。
個人的には、じゅうぞうとおじいの出てくる二章が好きでした。
独特の雰囲気ですが、好きな人はめっちゃハマると思いますので、まずは読んでみてほしいな、と。
本編36話+番外編。




