黄金の国の狩人◆
黄金の国の狩人◆
作者:神誠 様
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【あらすじ】
神聖帝国の東方に位置するオステンブルグ侯爵領。その地を統べる侯爵の娘アンナは、行き倒れていた一人の旅人の命を救う。
真十郎と名乗るその旅人は、遥か東方の黄金の国と呼ばれる島国から来たのだという。
それから六年。
真十郎は流れ着いた地で、狩人として穏やかに日々を過ごしていた。だが、国境を接する草原の民の軍勢が彼らの住む地を脅かし始めたのをきっかけに、その平穏な日々は終わりを迎える。
少女の悲しみを目にしたとき、真十郎は己の過去と向き合い、戦いに身を投じる決意をする。
これが、のちに英雄と呼ばれることになる一人の男の戦いの始まりだった。
【感想】
シリアス風味の作品をぼちぼち読んでます。
こちら、いわゆる最強主人公ですが、主人公の真十郎が謙虚かつ寡黙な性格で、恋愛面も鈍感で控えめ。文体も丁寧な落ち着いた感じで、良い意味でなろうっぽさのない作品です。
一途なヒロインもとってもかわいい。
狩人として穏やかに暮らしていた真十郎ですが、行き倒れの自分を救ったヒロインが、侵攻してきた蛮族に身柄を要求された事から、たった一人で行動を起こす決意をします。
最強系によくある派手なバトルではなく、隠密系主人公による、淡々とした冷静な戦闘がめちゃ格好いい。逆に、敵側はわけのわからない攻撃を受け、ものすごい恐怖を味わう事になります。
次第に実力が認められていく主人公に、「ちょっと周りが頼りすぎじゃ……?」と思わなくもないですが、これが最強系の醍醐味なのかなとも思いました。
個人的には、序盤の狩人生活の描写がとても好きだったので、その辺りももっとじっくり読みたかったかも。
寡黙な最強ヒーローが主人公の作品を読みたい方にすごくおすすめ。全51話完結。