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銀色カラス◆

作者：紺とすん様

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【あらすじ】

呼ばれた気がして振り返ると、黒い瞳のその人がいた。初めて彼に出会ったのは、まだ二人とも幼かった雨の日。あのとき、彼はわたしを全力で睨んでいた。

【感想】

訳有りな孤児院育ちの少年と、これまたちょっとした訳有りながら運良く王城勤めになった少女。

子供の頃に一度会っただけの二人が、王城で再会し、互いの存在を気にしてるところに事件に巻き込まれる……というお話。

すっごい幸福感に包まれるお話でした。めちゃ良かった……！

子供時代、ヒーローはその孤独な生い立ちから、ヒロインに強い憎しみをぶつけてしまいます。

その時から、互いに鮮烈な印象を持っていた二人は、再会後に少しずつ距離を縮めていくのですが……シリアス展開かと思いきや、二人のもだもだが意外にコミカルで笑った。

そこに姉王女のサイドストーリーや、ハラハラする事件が加わって一気読みでした！

ヒーロー・コルウスはややヤンデレの素質がある、有能だけど不器用な近衛騎士。彼の贈った手袋の行方に爆笑。

ヒロイン・ティリアは健気でかわいいし、仕事に対して真摯。そして、彼女の目に映る世界の描写が、細やかでとても美しいのです。

奔放な妹王女や、コルウスの食えない上官など、メイン以外のキャラも立ってて最後まで楽しかった。読後感がものすごく幸せ。

本編37話+番外編。