囁くヴァニタス◆
囁くヴァニタス◆
作者:中村 颯希 様
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【あらすじ】
学問と芸術の都・ヴェレスの裏通りで、密かに絵画の贋作屋を営むライルは、ある日、ヴェレスきっての名門校に通う少年・ルドルフから、「火曜会」という有力なサロンの入門試験に協力するよう頼まれる。
しかし、ライルには火曜会に近付きたくない事情があった。
断ろうとしたものの、やむをえない経緯で依頼を引き受けてしまったライル。しかし、それがきっかけで、因縁の相手から次々とつけ狙われる羽目になり――。
【感想】
美術の寓意をモチーフにした、ミステリー寄りの異世界物。
「このアートはあれがモデルかなぁ」と想像しながら読むのが楽しかったです。また、アートの寓意がキャラの心情と重なってたり、物語の鍵になってて、ほんと面白かった!
さらにそこから一歩踏みこんで、「ひとの生き方は額縁に嵌められない」てところまで、鮮やかに見せてくれたラストに感動。
とはいえこのラストも、読み手によって、いろんな解釈ができそうです。
ジャンル問わず、良作と呼ばれる作品の中には、受け手により様々に解釈できるものがあって、この作品もそうなんだろうなぁ、と。
ただしヤンデレ率が高いので、苦手な方はご注意。全26話。
同作者さまの「アリアは絶対捕まらない」もとても面白かったです!




