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ともだちのいないトラ  作者: 美森つばさ
8/15



町は今日も変わらず平穏な一日。活気がありみんな笑顔にあふれています。

ここ最近の噂話は 一つの話題で持ちきりです。

「時々聴こえるよね」

「とってもいい曲なんだよねぇ」

「そうそう。朝には朝 夕方には夕方に合う曲が聴こえるよね」

「俺は昨日の昼間に流れてきた曲が良かった。仕事が頑張れたよ」

「そうなのよね。子供たちも喜んでいるのよ」

「でも聴こえない日もあるし風向きやら天気やらで変わるのかな」

「ずいぶん遠くから聴こえているみたいだけど」

「そうなんだよ。だから・・・」

「一体誰が弾いているんだろう?」



トラのピアノは古びた木が煙突のようになり うんと遠くのあの町まで届くようになっていました。ほんの少し風の精霊が手伝って 風で運んでいる時もあります。トラはもちろんそのことを知りません。トラを怖がった町の人々がトラの弾くピアノを聴いてくれているなんて。

トラは自分自身の心を潤すためと ピアノを教えてくれている古びた木に思いを込めて弾いているので 誰かが聴いてくれている想定はしていません。ですが トラのピアノは本当に優しくきれいな音色で 精霊たちが聴いているだけではもったいないのかもしれません。



とても空気が澄んでいた日 町の子供たちにもトラのピアノが聴こえていました。とても軽快なリズムで思わずダンスをしてしまう子もいました。そんな中 うさぎの男の子とひつじの女の子が話していました。

「私 どんな人が弾いてるのか見てみたい」

「でも どこから聴こえてくるのかわからないって母ちゃん言ってたよ」

「そうよね。でも いつか会ってみたいわ」

「そうだね。僕も会ってみたいかな」






月日は流れ 季節が変わっても トラは毎日ピアノを弾いて充実した日々を送っていました。いつしか鍵盤の光がなくてもたくさんの曲を弾けるようになりました。トラは教えてくれていた古びた木に 心を込めて弾いていました。

精霊たちも変わらずトラを見守り トラのピアノを毎日楽しみに聴いています。ですが 精霊4人とも『時』が来るのを待っています。

それにはまだ時間が必要でした。


お読みいただきありがとうございます。

掲載が遅くなりましたが短いです。

近日中につづきを投稿します。

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