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ABYSS CHRONICLE  作者: 望月 梓
天恵の歌姫に賛歌を
8/19

わたしはともだちをてにいれた

 

 今現在、俺は三人にアイテムが余りすぎたのと、空腹を何とかしようにも調理の仕方が分からない点と、余りすぎた肉を少し分ける旨を伝えると、ありがたいことに快諾してくれた。まぁ、調理の仕方がわからないと言った時の反応は一生忘れないけどな。

 そして、全員で木の枝らしきものを拾い集める。

 「じゃあやりますね。」


 「あ、俺がやるからいいよ。全部やらせるのもなんか申し訳ないし。」


 「あ、ありがとうございます。じゃあ、木の枝の中心あたりにファイアボールを当ててください。」


 「了解した。『ファイアボール!』」


 この3時間程度頼っていた火の玉はみんなが集めた木の枝へぶつかり焚き火となった。3人が焚き火に夢中になってる中さっき言われた通りに焚き火の中に肉を入れていく。


 「あ、1個ずつじゃなくて一括で焼けるのか。時々1個ずつのゲームとかあっちじゃいっぱいあったからなー。」

 

 「あっちってなんのゲームですか?」


 あっちの言葉に反応したリーナが質問してくる。


 「あぁ、ええとアストレア ヴィーナスっていうゲーム知ってる?」

 

 「あ!知ってます! 一昨年に発売したファンタジーのやつですよね。」


 アストレアヴィーナスとは、天使と共存してきた人間が突如悪魔に進行され、大半が亡くなり悪魔倒そうぜ!っていうまぁ、割と王道なファンタジーゲームだ(バリバリのコントローラー型)

 最後に結局天使はみな悪魔だったというオチはびっくりしたがストーリーも完成されていて良かった印象だ。

 全ての操作が一括でできない点を除いたらの話だが。(肉を焼くのも物を捨てるのも1回1回やらなければならず、アイテム欄もまさかの個別。結局修正されることは無かった。)

 そして、カエデも質問してくる。


 「え?ということはケープロさんはVRをせずにコントローラー型ばっかりを?」


 「まぁ、そんな感じだな。なんかやり出す機会がなかったんだよ。あと、K(けー)でいいよ。同じ初心者なんだしこのゲームに下も上もないから。」


 女子のふたりは少し悩んだような顔をしたが、

 

 「でも、やっぱり年上そうなのでさんはつけたいと思います。なのでケープロさんでいこうと思います。」


 「ん。俺もそうする。」


 あ? 男はそりゃそうだろてか、しっかり喋れ女子に任せるな。別にお前からは呼ばれたい名前なんぞないわ。またまた男にファイアボールをぶち込んでやりたい気持ちになってきたが深呼吸して抑える。

 それからリーナが申し訳なさそうな感じで聞いてきた。

 

 「そういえばなんですけど。」


 「どうしたの?」

 

 「最初の門をくぐる時に出ませんでしたか?チュートリアルが終わってませんがよろしいですか?みたいな文章。」


 「あー、なんかチュートリアルの文字の途中まで見てPKの方に気を取られた気がする。」


 まさか、あの文章に続きがあったなんて。まぁ、ざっくり読んだからそんな気にしてないけど。

 

 「そっか、ジョブあったのか...みんなはどんなジョブなの?」


 「ええと、ショウが騎士、私が魔法使いでカエデが盗賊です。私の画面がこんな感じですね。」


 そう言って自分のステータス画面を見せてくる。


―――――――――――――


  PN リーナ

 所持金:3080リル

 Lv:4

 JOB:魔法使い

 HP(体力):32

 MP(魔力):18

 STR(筋力):10

 VIT(耐久力):14

 INT(知力):18

 DEX(技量):13

 LUK(幸運値):9


 SPステータスポイント:(24)

 メイン

 魔法熟練度 5


 パッシブ

 索敵 熟練度2

 

 スキル

 ファイアボール

 アイスバレット

  

  装備

 右:ノーマルロッド(INT+2 MP+2)

 左:無し

 頭:魔法使いの帽子(INT+1)

 胴:魔法使いのローブ(VIT+3 MP+2)

 腰:無し

 足:無し

 アクセサリー:トパーズの欠片(INT+2)


――――――――――――――――


 うわー僕よりしっかりしてるー


 「失礼でなければこの装備は...」


 「あー、チュートリアルやったら貰えました。」


 デスヨネー全然服とか落ちねぇわけだよ。最初に貰えるんだからなぁ!もっと読んでいれば...読んでいれば...楽できたかもしれないのに...


 「とにかく教えてくれてありがとな。ほんと助かった。」


 「あ、お近付きの印にフレンド登録しませんか?」


 フレンド?友達?私に?

 

 「あ、ああだいじょぶ。フレンドなろうか。」


 左指でフリックしステータス画面を表示させフレンドの文字に手をかける。そして、送られてきたフレンド申請を承諾する。どうやら近くにいる人はすぐにフレンド登録できるようだ。

 ともかくアビスクロニクル初のフレンドを手に入れ、他の2人ともフレンド登録をする。


 「あ、全部焼けたみたいだ……はい、これお礼な。」


 焼けた肉のうち、オーク肉はなんか汚そうなのでカーバンクルのウサギ肉やヴォーパルキャットの猫肉(猫肉を食べさせるべきかと聞いたら微妙だが)を三人に分配し、俺はオーク肉に齧り付く。


 「んー……全体的に薄い?」

 

 味はするが、リアルで同じもの(豚肉だが)を食べるのと比べてなんか味や食感が全体的に薄く感じる。

ゲーム内の食事で満足しないようにする配慮だろうか、確かにこればかり食べていたらそのうち耐え切れずにログアウトして生姜焼きでも食べたくなるな……上手くできているものだ。

 

 「ログアウトして肉食べたくなってきた。」


 「あ、分かるかも。物足りないですよね〜」


 「同感。」


 「おまっ」


 手出口を直ぐに塞ぎ、お前同感しか言えんのか?という言葉を飲み込む。


 「どうかしました?」

 

 「いや、なんでもない。ああそうだ、厚かましいけどもう幾つか質問していいか?」


 別に攻略サイト並の情報が欲しいわけではないので三人から最初の街のチュートリアルの受け方や武器屋の品揃え、ここら辺の地図を見せてもらい、俺はこれからの方針を決めるのだった。

 



 薬草の採取クエストのために森に来たらしい三人、「クエストもあるのかよ...」と別れ、俺は彼らが来た街の方向へと戻るのであった。

次回にある程度の説明が乗るので疑問に思う点はそれで解決してくれると助かります。まぁ、めっちゃ適当な説明ですけどね。

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