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ABYSS CHRONICLE  作者: 望月 梓
天恵の歌姫に賛歌を
6/19

早速問題発生なのです


 場所は変わり、このアビスクロニクルを始めるにあたり最初に転送された街「アリエス」。

 初日の夜ということで、仕事から帰ってきた者や学生などがログインしているのもあり人が溢れかえってる中、初の「固有スキル取得者」が現れた。これを取得したのは何の変哲もないただのプレイヤー。スキル名は「???」であり、ゲームの概念が変わるようなスキルだった。

 このスキルが世に伝わってしまうのはまだ先の話。

 

 

――――――――――――――――――――――――――


 「こんなの予想出来んやん...どうしよ。」


 あの後コツを掴んできた俺は、小1時間ほど森を出歩き経験値稼ぎを行ったのだが、ここで問題が2つ発生した。1つ目はストレージに入る量。今のところ計30以上はモブを倒していて、全てのアイテムを収納している。体感だが、一定量を超えるとアクションにマイナス補正が入るらしい。

 ゴブリンやコボルト以外にも、角の生えた兎である「アルミラージ」や、ゴブリンと双璧を成す大柄なオトナファンタジー最強モンスター「オーク」、そしてその中でも苦戦したのは、執拗に首を手元の短剣で狙ってくる二足歩行の首狩り猫(ヴォーパルキャット)なんてのもいた。

 最後の猫は、隙を見せたと思ったらフェイントをかけてくるやつで、全ての攻撃が首辺り(クリティカル)を狙ってくる。こいつに会ったからこそ首が急所と知れたのだが、結局はショックボルトで徐々にダメージを与え、首に来る直前で全弾アイスバレットを叩き込むことで勝つことが出来た。危ない賭けではあるけど、慣れれば絶好のカモだ。猫だけど。

 そして、ヴォーパルキャットの体感2割くらいで落とす「致命の爪(ヴォーパルクロー)」はまた魔法系の私には使えないが、なかなかの有能武器と思われる。杖で比較するのはおかしいかもしれないが、クリティカル率とクリティカル時のダメージに補正がのるのはいい性能だろう。

 1番美味しいのは、多分この付近で1番経験値が多いことだ。そこからこの猫は色々美味しいモンスターと言えるだろう。

 そして、MP回復をレベルが上がることに依存している俺は、知らないうちにレベルも結構上がってきていた。


――――――――――


  PN KPro

 所持金:6420リル

 Lv:10

 HP(体力):62

 MP(魔力):32

 STR(筋力):16

 VIT(耐久力):19

 INT(知力):32

 AGI(敏捷):18

 DEX(技量):24

 LUK(幸運値):16


 SPステータスポイント:(18)

 メイン

 魔法熟練度 20


 パッシブ

 索敵 熟練度16

 


 スキル

 ファイアボール

 アイスバレット

 ショックボルト

 ファーストエイド

 フロストバレット(New)

 サンダーボルト(New)

 

  装備

 右:ノーマルロッド(INT+2 MP+2)

 左:無し

 頭:無し

 胴:無し

 腰:無し

 足:無し

 アクセサリー:紅のクリスタル(MP+2 LUK+2)


――――――――――


 レベルは10になり、初日にしてはいい戦果ではないだろうか。新しく覚えたスキルは、フロストバレットはMP消費の多い代わりに弾数と威力の増えたアイスバレット、サンダーボルトはファイアボール型の若干溜めの必要な電撃が飛んでいく感じで、どちらも有能なスキルという感想だ。

 スキルといえば、アイスバレットなどの多段型のものは、思考した方向に飛んでいくらしい。もっと言うと思考補助しながら少し曲がる程度はできることが分かった。

 

 今装備している紅のクリスタルは、カーバンクルを倒した時に手に入れたもので、やっと杖でも使える(誰でも装備できる)優秀?らしきものが手に入ってほっとした。というか、今になってやっと?と思う程で、俺の武器運のなさを感じられる。ある意味あるのかもしれないが...。


 話を戻そう。1つ目の問題はストレージの容量がほぼ空きがないということ。その為にストレージの空き問題を解決したく、これに関しては肉系等のアイテムを消費すればいいのだが、生肉では食べられない(食べてもいいが、食中毒にはなるというメッセージがある)のでファイアボールで焼こうとしたのだが、ただ黒い炭になってしまうだけだった。

 そして、もう1つの問題は空腹がある。気づかなかったが、今になって仮想世界にもかかわらずお腹が空き、食欲も湧く。

 このままだと餓死リスポーンなんていうのも有り得てしまう。初のフルダイブのゲームの死に方が餓死なんてのはさすがに避けたい。さてどうしたものかと思案していると、何故か物凄く久しぶりに感じる自分以外の人の声を聞き取った。



 

 

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