第94話 クルト 1
俺はアデルの幼馴染、クルトです。
アデルとは小さい頃からずっと一緒にいました。
嬉しい時も、悲しいときも、落ち込んだ時も、どんな時も一緒にいました。
ある日俺は賢者としての使命を賜りました。
『魔法Lv成長不可』と言う呪い付きで。
なぜ俺が呪われているのか分からないけど、賢者への道は険しそうです。
アデルも勇者であるとアデルから聞かされた時、俺は驚きよりも嬉しさが大きかったです。
俺はアデルから離れて、別の勇者と魔王討伐をするものだと思っていたので、アデルと共に戦える事が嬉しかったのです。
俺がなぜアデルにここまで執着するのかは分かりませんが、それでも俺は現状に満足しています。
ただ、俺の呪いがアデルの足を引っ張らないかが心配でした。なので俺は一生懸命魔法の練習をしました。魔法のレベルは上がりませんが、それでも魔法を操るのは上達していきました。
俺とアデルは、強くなるには魔法学校に通うのが早いと思い、魔法学校に通うことにしました。
しかし、入学して早々事件が起こりました。
王都で噂になっているテイネブリス教団が、学校を襲撃しました。
目的はアキ・クドウと言う生徒らしかったので、近くの教室から手当たり次第に突撃しました。
クドウさんがいたのは二年二組でした。
そこで俺は自分の浅はかさを思い知らされました。
俺は教徒の話を最後まで聞かずに押し掛けたのです。俺は間接的に見ず知らずの他人に死ねと言ったのです。
俺は一瞬、頭が真っ白になりました。
ハッとした俺は急いで階段を掛け降りてグラウンドへ向かいました。
でも、遅かったようです。
事は全て片付き、アデルとクドウさんと赤髪の綺麗な女性が話し合っていました。
その側では紫色の髪をした男性と、金髪の男性(?)と、金髪の女性と、茶髪の女性がその様子を見守っていました。
俺はアデルに駆け寄り、アデルに心配の言葉を投げ掛ける。
アデルは大丈夫。とへらへら笑って答えた。
よかった。
その後、色々あって皆さんと友達になりました。でも、クドウさんにあんな事を言ってしまった手前、クドウさんの顔をまともに見れませんでした。
後、その話の流れで冒険者をやってみる事になりました。俺に魔物が倒せるか分からないけど頑張ってみよう。