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第65話 殺さず拘束

 俺は白ローブ達が待っているグラウンドへ出た。


「そこのお前。何をしに来た」


 しかし、白ローブ達は俺を見るなり誰何する。

 報復相手の顔も知らないのに来たのか……


「お前らが探してる奴だよ」

「!! そうか。貴様がアキ・クドウか……! よくノコノコと出てこられたな! このクソ野郎!」

「お前らが俺を呼び出したんだろ……?」

「……ふっ……まぁいい。お前達、こいつの手を拘束しろ。この俺が直々に首を斬り落としてやる」


 質素ローブは俺の言う事を無視し、部下に指示をして俺の手を拘束させる。

 今の俺の体勢は後ろから二人の白ローブに両腕を引っ張られている状態だ。


「じゃあ地面に膝を突け。後、約束通り人質は離してやれ」


 質素ローブは俺に膝を突くよう命令し、人質を解放させた。

 どうやらちゃんと約束は守るようだ。それにしても……もう俺を殺した気になっているのだろうか? だとしたら油断し過ぎだ。


 質素ローブは剣を構えて俺の前に立っている。

 質素ローブは首を斬り易いように俺の頭を足で下向きに押さえ付けている。

 そして俺にだけ聞こえるように囁いた。


「貴様は我々の活動の妨げになる。だからここで二度と邪魔できないように、死んでもらう」


 それが本音か。


「あっそ」


 そう言い、俺は後方に転移して、頭に付いた土を払いながら立ち上がる。


「ありがとうな。タダで人質を解放してくれて」

「なにっ!? ど、どうやって!」

「教えない」

「クソッ……! ……ふぅ……まぁいい。この人数で掛かれば貴様など! お前達! 行くぞ!」


 深呼吸をして冷静さを取り戻した質素ローブは、数の利を思い出して一斉に攻撃を仕掛けさせた。


 俺は魔法に対して同じ魔法で対応し、前と同じように相殺させる。爆風で生じた自然の煙幕に身を隠して白ローブ達の方へ【透視】スキルを使いながら進む。


 MP──魔力の消費具合を考えてか、闇雲に魔法を放ったりはしないらしい。

 暫くして煙が晴れると、俺は白ローブ達の目の前にいた。


 俺は白ローブ達を殺さないように手加減をして気絶するぐらいの力で殴る。


 そこからは呆気なかった。放たれる魔法を躱して、白ローブを加減して昏倒させるだけの単なる作業だった。


 やがて一人になってしまった質素ローブは後退りしながら、尻餅をつく。


「ば、馬鹿な……! 何故これだけの人数がいながらたった一人に負けるんだ……! おかしい! どんな卑怯な手を使った!」

「卑怯な手を使ったのはお前達だろ。お前達が人質を捕ったこと忘れたか? 司祭様?」

「何故私が司祭だと……? いや、そんな事より、その口を閉じろ! 絶対に我々が正しいのだ! 何も間違った事はしていない!」

「ふーん……まぁいいや。そろそろ授業が始まるしもう終わりな」


 面倒臭なったので強引に話を終わらせて司祭を気絶させる。


 ……待ってて誰もこいつらを拘束しに来ないので仕方なく俺が土の縄で縛っておく。





「く、クドウさんですよね!?」


 なんだ? なんか聞き覚えのある声がする。どこで聞いたんだったか? 

 俺は記憶を探りながら声のした方を振り返る。









 そこにはアデルがいた。

 少々おかしな格好をしているが。

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