第6話 身体強奪
ステータスからMPの項目が抜け落ちていたので修正しました。
結局悩んだけどこれを食べなければこれから先、生き残れないだろうし食べるしかない。
僕は自分が着ていた服を脱ぎ、赤い玉を包んで破片が飛び散らないようにしてから壁に投げ付ける。
思わず身を竦めてしまうような破砕音を響かせて赤い玉は砕け散る。
何度か叩き付けた後に踏みつけてさらに細かくする。
土で汚れた服を開き、中の赤い破片で手を切らないように手で掴む。
本当に食べて良いのか……と一瞬躊躇うが、その躊躇いをかきけすように一気に口に含みゆっくりと噛む。鉄臭い味がしてしまわないように。
数分かけてゆっくりと飲み込む。
ゴク
ゴク
ゴク
ゴクン
"身体強奪が発動します"
僕はその脳内アナウンスを聞きながら、口から血が出ていないか確認しながらステータスを確認する。
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名前:久遠秋
種族:異質同体人間
Lv2
MP :18
物攻 :30
物防 :24
魔攻 :16
魔防 :12
敏捷 :26
固有能力
:強奪Lv1 :スライム化
能力
無し
称号
異質同体人間
__________________________
固有能力にスライム化が追加されている。
よしテストだ!
暫く片腕や片足、同体、頭、全身をスライムに変形させて見たけど特に異常はなかった。
「おぉ……!」
気付いたら僕は声を上げ笑みを浮かべていた。
それも無理ないだろう。
レベルアップし、日本にいた頃より数倍高くなった身体能力、自由に変形させられる身体。
一通り検証し終わった僕はわざと目を背けていたステータスの項目に目をやる
【異質同体人間】
種族と称号の欄に表示されている。
僕は困惑した表情を浮かべ、ため息をつく。
見た目が人間ではなくなると言うことではなく、ステータスの表示まで変わってしまうとは……
僕は自分の軽率さに嫌気がさした。
冷静に考えれば気付けたはず……それなのに見逃していた。
この失意から立ち直るにはそれほどの時間を要さなかった。
A:キメラはDNAがどうたらこうたら……
B:じゃあこれキメラって呼んで良いの?
C:うるせぇ黙れ