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第49話 お風呂あるんだ

「大丈夫か? えっと……アデル?」

「え? ……あっはい!」

「そうか。じゃあな」

「あの! ありがとうございました!」


 アデルは大袈裟に頭を下げた。俺はそれをチラリと見て、フレイアの手を引きながら路地裏を出た。


「それにしてもビックリしたな。仲間を殺してまでレベルアップした事」

「あぁーあれね。私も驚いたわ。普通はあそこまでしないもの」


 等と会話しながら再び屋敷へ向かう。




「ただいまー!」

「ただいま」


 奥からオリヴィアのおかえりなさいと言う声が聞こえてきた。

 俺は自分に割り当てられた部屋に戻り、ベッドに寝転がる。


 今日は色々あったと思う。始業式にゴブリン狩り、路地裏のチンピラ退治。

 日本じゃまずありえない話だ。凄く充実した一日だった。


 ふぅー……


 と息を吹き出し俺は目を閉じる。






 コンコン


 ドアをノックする音が聞こえる。


 俺は起き上がる。寝てしまっていたようだ。


 俺はドアに向かい、ドアを開ける。そこにはフレイアがいた。


「クドウさん。ご飯の時間よ」

「ん? そうか。じゃあ行こうか」


 俺はフレイアと食堂に向かう。

 そこにはオリヴィアが席について待っていた。


「ごちそうさまでした。食器はどうしたらいいですか?」

「あぁ使用人が洗って下さるからそのままでいいですよ。あっそうだ。クドウ様。お風呂はどう致しますか?」

「え? お風呂あるんですか?」

「えぇ。貴族の屋敷には大抵ありますよ」

「そうなんですか。じゃあ後で時間がある時に入ります」



 俺は部屋に戻り、食後の満足感に浸っていた。今すぐにでもお風呂に入りたいけど、何故か食後はお風呂に入る気にならないんだよな。


 じゃあそれまで何か時間を潰せるもの無いかな……


 ……あ、そう言えば筆記用具とか何も持ってなかったな。

 買いに行こう。お金足りるかな……




 俺は道具屋に来ていた。


 安いやつ……安いやつ……安いやつ……


 俺は出来るだけ安い文房具を探していた。


「あっ! 貴方は!」

「ん?」


 俺は顔をあげる。

 そこにはさっきチンピラから助けたアデルがいた。


「えっとアデルだっけ?」

「はい! アデルです! えっと貴方は?」


 そう言えば名乗って無かったな。


「俺はアキ・クドウだ」

「え!? ……貴族の方なんですか?」

「いや、俺の故郷では皆名字があるんだ」

「へぇ。そうなんですね。クドウさんはここで何を?」

「安い文房具探してるんだ。お金が無くてな」

「あっ! じゃあ昼間のお礼と言ってはなんですが僕がお金出しますよ!」

「本当か?」

「はい! もちろんですよ!」

「助かるよ。じゃあ適当にこれにしようかな」


 いやぁ。恩を売っておいて良かった。


「本当にありがとうアデル」

「いえいえ。恩返しですよ! こんな事で返しきれたとは思ってませんけどね」

「そうか。じゃあもう遅いし早く帰ろう」

「そうですね。じゃあまたどこかで会いましょう」

「あぁ。またな」

「さようなら!」


 俺はアデルと別れて屋敷へと帰った。

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