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第43話 試験

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ガレットの剣の描写を修正しました。

 試験日まで暇になった俺は面白い物を探す為にウロウロしていた。


 小さな諍いは割りとあるんだけど規模が小さすぎた。俺は予想外の展開が無いか諍いが収まるまで観察していた。

 でも大抵俺の視線が居心地悪いのか、投げ遣り気味にお互いに謝罪して去っていった。


 争いが無くなるのは良い事だけど静かすぎる平和もつまらない。


 まぁ、俺はそんな感じで時間を潰していた。







 試験当日、俺は学校へ向かっていた。

 道中は何事もなかった。つまらない。





 俺は受付を済ませ訓練所にいた。ここで試験を受けるらしい。

 会場には俺の他に四人の受験者がいた。二人は男で残りの二人は女だ。

 椅子は無いので俺達は地面に座っている。


 しばらくして、二人の男性教師が訓練所に姿を現した。

 一人はがっしりしたボディビルダーのような溌剌そうな男で、もう一人は細身の眼鏡をかけた優男風の男だった。


 ムキムキ男と細身男が俺達五人の前に立った。一拍置いて細身男が点呼を取り始めた。



「ラモンさん」

「…うぃーっす」


 返事をした男は紫髪で青目にオールバックで三角座りを崩したような座り方で気怠げに俯いている。


「エリーゼ・リュハノフさん」

「はいですわ」


 ですわ口調の女は金髪緑目のロングヘアーだ。

 スカートなので座らずに立っている。俺の位置からは見えそうだ。


「ラウラ・ベールさん」

「……あ、は、はい!」


 一瞬どもって答えたのは、小柄な少女だった。肩にギリギリかかるくらいの明るめの茶髪に青目で、両足を抱え込んで座っている。……って言うかこいつ盗賊に襲われてた馬車の人じゃん。


「ガレット・シルヴェールさん」

「はい」


 金髪に青目をした長髪の男は、凛々しい表情で返事をする。

 何故か腰には剣を提げている。その剣の柄には真珠が埋め込まれている。ここ魔法学校じゃないのか?


「アキ・クドウさん」

「はい」


 俺は懲りずにまた名字を名乗ったのだ。

 まぁ仕方ないだろう。なんせ名字は日本から持ってこれた唯一の家族との思い出みたいなもんだし。





「えー……全員揃っているようなので早速試験を始めたいと思います。試験内容はあそこに見える的に、何でも良いので魔法を当てて下さい。魔法はその線の奥から放って下さい」


 的を指差し言った後に俺達の後ろにある黒色の線を指差す。


「ではまずは……ラモンさんからお願いします」

「…へーい」


 ラモンはそう言い、ゆっくりと立ち上がりトボトボと移動し、線の奥へ立つ。


「…ウォーターレーザー」


 ラモンがそう口にすると、手から強烈な勢いの水が放たれた。ウォーターレーザーは軽々しく的を貫いた。まるで、最初から穴が空いていたかのように。


「次、エリーゼ・リュハノフさん」

「はいですわ!」


 エリーゼは走って線の奥へ移動する。


「ウィンドスラッシュ!」


 エリーゼがラモンと同じく何かを唱えると、エリーゼの手から不可視の刃が高速で的に飛来し、的をいとも容易く切断した。


「次、ラウラ・ベールさん」

「はいぃ!」


 ラウラは飛び上がるように立ち上がり、逃げるように線の奥に立った。


「ぐ、グランドスパイク!」


 ラウラがそう言うと、地面から的を目掛けて先端が尖った土の柱が飛び出し、的の中心を斜め下から貫いた。


「次、ガレット・シルヴェールさん」

「はい!」


 ガレットは駆け足で線の奥へ移動する。


「ファイアーブラスト!」


 ガレットが手を前に突きだすと、掌から炎が的に目掛けて飛び出す。的に激突すると爆発した。 やがて煙が晴れると、焦げて抉れた地面だけがあり、的は跡形もなく消え去っていた。


「次、アキ・クドウさん」

「はい」


 俺は線の奥歩いていく。どうしようかな。皆別々の属性の魔法を使ってるし、俺も別の属性を使おう。


 ……折角なら目立つやつを使おう。


 目立つと言う事は厄介事に巻き込まれ易くなると言うことだからな。

 光魔法は性に合わないし、かといって闇魔法も怖い奴って印象を与えそうだ……無魔法は地味すぎて目立てない。

 じゃあ消去法で時空間魔法だ。


 俺は手を様々な方向に振るう。すると的は俺が手を振るった方向に亀裂が入り、音を立てて崩れ落ちた。


 的が崩れる音がした以降一切の音が聞こえなくなったように感じる程訓練所は静まり帰った。元々そんなに騒がしく無かったけど。


「…………は? なんだその魔法は!?」


 細身の男が俺に詰め寄る。目を剥き出しにしながら呼吸荒く俺の両肩を両手で掴む。


「……えっと……図書館の本で学びました。どこの図書館かは忘れましたけど」


 嘘だ。自作の魔法だからな。


「どこの図書館か思い出せないのか!?」


 俺の肩を激しく揺さぶる。


「……すみません。思い出せないです……」

「くっ……! そうか……すまなかったな乱暴な事をして」

「……いえ」


 気まずいぞ。すごく空気が重い。


「……ゴホン……えーと、じゃあこれより筆記試験に移る」


 俺達は校舎の中へ移動し、筆記試験をした。その後「合格通知は明日届く」とか「開校一週間前に制服などを渡す」等の話をして解散になった。





 結局ムキムキ男は何をしに来たんだろうか。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 場所や建物の説明がぜんぜん足りないので世界観がわからない。感情移入しにくい。
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