第36話 痛い人
俺は宿屋に帰って来ていた。
俺は自分のベッドに腰を掛ける。
暇だ。何にもすることがない。
地球いた頃はゲームをして暇潰しができていたけど今はそれができない。
暇な俺はなにも考えずステータスを確認する。
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名前:久遠秋
種族:異質同体人間
Lv2418
MP :16,362,468
物攻 :16,362,583
物防 :16,362,535
魔攻 :16,362,476
魔防 :16,362,463
敏捷 :16,362,576
固有能力
【強奪Lv4】 【悪食】 【化け者×1004】 【傲慢】 【強欲】 【暴食】 【憤怒】 【怠惰】 【嫉妬】 【色欲】
能力
無し
魔法
火魔法Lv1
風魔法Lv1
闇魔法Lv1
無魔法Lv1
称号
異質同体人間 神殺し 神喰らい
__________________________
あぁ、そうだ魔法だ。
魔法を試さないと。
俺は宿屋を出て、草原に向かう。
草原に着いた俺は途方に暮れていた。使い方が分からないのだ。
「まぁ色々試して見るか」
俺は手を前に出し、手から火を出そうと念じてみる。
……何もおこらない。
次に手で輪を作る。その空間に火が出るようイメージする。
……何もおこらない。
色々試すとは言ったがこれ以上何も思い付かない。
その後も俺は日が暮れるまでずっと手から火を出そうとしていた。だが、結局何もおこらなかった。
端から見れば痛い人だったと思う。
翌朝
俺はギルドの前にいた。フレイアを待っているのだ。
やがて、フレイアがやってきた。
フレイアはやって来るなり俺に詰め寄ってきた。
「どうした?」
「どうしたじゃないわよ。昨日あんたは私を噴水に投げ飛ばしたわよね? それで家に帰ったらお母様に凄く心配されたわ。」
「それだけ大事に思われてるって事だろ」
「えぇ! そうね!」
「は? 何が言いたいんだ?」
「……なんでもないわよ! バカ!」
えぇ……なんでだ。いい話じゃないか。なんで怒ってるんだ。
「そんな事より、今日も魔物討伐をするのよね?」
「そのつもりだ。本来の目的はお前を強くする事だからな。……まぁ、今日もゴブリン討伐かな」
「Fランクはそれ以外無いものね」
今更だけど、クエストは、自分のランクと同じランクのクエストしか受けられない。
俺達はゴブリン討伐のクエストを受けに、受付へ向かう。
「は、はい! ゴブリン討伐ですね! 少々お待ち下さい!」
まあ怖がりもするよな。昨日気絶した人間を放り込んだりしたんだから。
俺達はクエストを終わらせて街に続く街道を歩いている。
「そういえば指輪はどうしたんだ? 手繋がなくても大丈夫なのか?」
「お母様が予備の指輪をくれたわ」
そう言って指輪を見せつけてくる。
なんだ。着けてたのか。
「あ、そうそうなんかお母様がクドウさんに用事があるって言ってたから後で屋敷まで一緒に行きましょう」
「分かった」
俺に用事? なんだろう。
フレイアを水浸しにしたことかな……?