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第28話 おや?フレイアの様子が…!?

 俺は今アイドラーク邸の客間にいる。

 俺の目の前には美味しそうな茶菓子が置かれている。

 因みに豪華な料理を御馳走になった後だ。

 美味しかった。それだけだ。料理評論家でも何でもないのだから美味しい以外に何も言えない。


「それでクドウ様へのお礼の品についてなんですが、なにか御希望などはありますか?」

「えっと……今は手持ちのお金が全く無いので、できるならお金が良いですね」

「分かりました。少々お待ち下さい」


 そう言ってオリヴィアは席をたつ。


「こちらで宜しいでしょうか?」


 オリヴィアはジャラジャラと音が鳴る袋を差し出す。

 俺は両手で受け取り、ポケットにしまう。


「あの、中の確認は……」

「…………僕は貴女方が恩を仇で返すような人ではないと信じていますので」

「…………」


 勿論嘘だ。【透視】スキルで中を確認しただけだ。

 これは、僕は信用していますアピールだ。

 媚を売っておいて損はない。


「あらまあ。嬉しい事を言ってくれますね」


 オリヴィアはうふふ、と微笑む。


「では、僕はこれで失礼致します」

「あ、ちょっと待って下さい。これから冒険者ギルドへ向かわれるのですよね? でしたらフレイアも御一緒させて貰っても宜しいですか?」

「え? 何故ですか?」

「私達は立場上、あまり安全では無いのです。ですから、フレイアには少しでも強くなって自分の身を自分で守ってもらう必要があるのです。そのために魔物を倒してレベルを上げるのが一番なのです。 なのでお強いクドウ様と一緒なら安全かなと……」


 あぁなるほど。冒険者になれば魔物を倒して強くなれるし、お金も稼げるから丁度良いと。


「分かりました。もしよければこれからも僕がフレイアさんの護衛も兼ねますけど、どうですか?」

「……!?」

「いえ!そこまでクドウさんに迷惑をかける訳には行きませんよ!」

「うーん……僕としても数少ない知り合いを危険と知りながら放置はしたくないんですけれど……」

「うぅ……でも……しかし……」

「お願いします。僕に護衛をさせて下さい!」


 俺はそう言い、頭を下げる。


 これはただのお節介ではない。この元王族に媚を売るための作戦だ。亡国の王族にできる事なんてたかが知れているだろうけど、俺の目的はそんな物じゃない。

 こんな面白い存在をみすみす手放したくない。こいつらに恩を着せて引っ付いていれば愉快な厄介事が舞い込んでくるに違いない。


「あ、頭を上げてください! わ、分かりました! フレイアの護衛をお願いできますか?」

「! は、はい!」


 俺はバッと頭をあげ、パァッと満面の笑みを浮かべ返事する。


 よし、上手く行った。ははは、楽しくなりそうだ。

 俺が楽しむ為に面白可笑しく厄介事に巻き込まれて頂こう。


「という訳で、フレイアさんこれから宜しくお願いします」

「…………」


 相変わらず俯いて無言だがコクリと頷いた。


 ん?

 雰囲気がさっきと違う?


 俺の目には俯いているフレイアの様子が馬車に乗っている時と違うように映った。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] オリヴィアはジャラジャラと音が鳴る袋を差し出す。・・・普通は執事かメイドが渡すもの。
[気になる点] モンスターを食べるんですよね? パーティやパートナーが一緒だと食えなくね? モンスターをくうって特性を持ってるのに自ら護衛を申し出て頭を下げるって展開に意味がわからなくなった。
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