第26話 王女
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名前:フレイア・アイドラーク
種族:人間
Lv7
MP :72
物攻 :69
物防 :64
魔攻 :75
魔防 :74
敏捷 :66
固有能力
無し
能力
片手剣術Lv2 短剣術Lv3 槍術Lv1 魔法Lv2 魔力操作Lv1 家事Lv3 作法Lv2 歌唱Lv2
魔法
火魔法Lv1
水魔法Lv1
土魔法Lv1
風魔法Lv1
光魔法Lv1
闇魔法Lv1
無魔法Lv1
聖魔法Lv1
時空間魔法Lv1
称号
亡国の王女
__________________________
魔法……そう言えばこの間【魔法強奪】を覚えたんだった。
それとなんだこの称号は……
亡国の王女って………………王女って……
チラリとフレイアを見る。
あー……確かに気付かなかったけど結構上等な服着てるよ。
自分で王女って名乗らないってことは、触れられたくないことなんだろう。
森を出ると、そわそわと落ち着きなくウロウロしている女性がいる。
「あの、フレイアさん。あの人、フレイアさんのお母さんじゃないですか?」
「え!? どこ!?」
俺はウロウロしている女性を指差す。
「あっホントだ! お母様ぁぁあ!!」
フレイアは手を振る。ウロウロしている女性がフレイアに気付き、一目散に駆け寄ってくる。
「フレイアっ!」
「お母様ぁぁぁっ!」
フレイアは母親に飛び付く。母親はそんなフレイアを抱き締める。
「お母様ぁぁぁっ! お母様! お母様! お母様!」
フレイアはしきりに母を呼ぶ。
「良かった……っ! 無事で良かった……っ! 大丈夫っ! もう大丈夫よフレイアっ!」
その親子は暫く抱き合っていた。
「お見苦しい所をおみせしました。私はフレイアの母親の、オリヴィアと申します。この度は私の娘を誘拐犯から救いだして下さり、本当にありがとうございました」
一頻り抱き締めあったオリヴィアとフレイアは俺に向き直り、礼を言う。
「いえ、どういたしまして。では僕はこれで」
「……もう行ってしまわれるのですか?」
「はい。あぁ、そんなに急いでいる訳では無いですけど、早く街に行ってみたいんです。」
あぁしまった。余計な事を言ってしまった。
「でしたら、私達の騎士が帰って来るまで待って頂けませんか? きっとそうした方が早く街に着きますよ。それに、お礼もさせて頂きたいですし」
急いでいないと言ってしまった手前、凄く断りにくい。
あー失敗したな。
「……早く着くのでしたら御一緒させて貰います」
やがて、騎士が帰って来た。
そして俺達は馬車で移動をしている。
「僕、初めて馬車に乗りました」
「あらあら、そうなんですか?」
「…………」
「えぇ、馬車に乗る機会なんて全くありませんでしたから」
「早いでしょう? でもお尻が痛いのが残念ですけどね」
「あはは……そうですね……」
「…………」
…………やっぱりフレイアはコミュ障らしい。さっきからずっと俯いたまま何も喋らない。
そんなフレイアをオリヴィアは肘で突っつく。
そして何やらコソコソ二人で会話をしだす。
時折、フレイアは俺をチラチラ見てくる。
俺にはその意味が分からないので曖昧に微笑んでおく。
すると、すぐに目を逸らしてしまう。
コミュ障と言うより人見知りって感じなのかな。いや両方か?
いや、でも森の中では普通に会話できてたしな……
まぁ何にせよ、元コミュ障として理解者になってやりたいんだけどな……