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第19話 邪神討伐

「うわ……ははは……アルヴィスの時を思い出すな……」


 圧倒的なステータスの差。


 勝てるか? またアルヴィスの時のように体の中に入り込めば……

 …………無理か……目も鼻も口も耳もない。つまりそもそも入り込めない。

 普通に戦うしかないんだが、普通にやれば負ける。


「秋君っ! 早く僕を喰ってアイツを殺してくれ!」


 ……あんな勝ち方して終わり? 嫌なこった。ちゃんとテントラを俺の実力で殺して喰いたい。


 …………だが、今はそんな事を言ってる場合じゃない。こんな事に拘って、一番大事な俺の命を捨てられない。


 悔しいが、喰うしかないんだ。


「テントラ。お前の本名は?」

「はい……?」

「日本人だったのならちゃんとした名前があるんだろ?」

「今はそんな事言ってる場合じゃ……」

「早く言え」

「…………えっと……シュウ……だった気がする。何せ凄い昔の事だからね。名字もわからない。忘れた。自分の名前の……漢字も忘れちゃった」

「じゃあ、シュウ。 俺はお前を喰う。でも、いつか絶対に俺の手で殺す。その時は手加減なんかすんなよ」


 俺はそれだけ言ってテントラに止めを刺し、テントラに喰らいついた。




"レベルアップしました"



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

名前:久遠秋くどうあき

種族:異質同体キメラ人間

Lv1910

MP :11,071,717

物攻 :11,072,065

物防 :11,071,727

魔攻 :11,071,720

魔防 :11,071,715

敏捷 :11,072,000


固有能力

【強奪Lv3】 【悪食】 【化け者×1000】 【】 【】 【】 【】 【】 【】 【】


能力

無し


称号

異質同体人間 神殺し 神喰らい

__________________________





 体の奥底から力が漲ってくる。今なら目の前の邪神も倒せるだろう。

 邪神も目の前の脅威に気付いたのか、濃密な殺気を飛ばしている。


 邪神はパンチを繰り出す。

 さっきの俺だったら一瞬死んでいただろう。 でもシュウを殺して喰った今なら余裕を持って躱せる。


 俺はお返しとばかりになんのスキルも使わず殴る。

 これは俺の誠意だ。相手がスキルを使わないのなら、俺もスキルを使わずに戦う。


 つまりステータスで勝っている俺が有利だ。その上、邪神は久しぶりに動くからだろう。動きが鈍すぎる。ステータスすら存分に活かせていないんじゃないか。



 この戦いは戦いと呼ぶにはレベルが低すぎた。



 双方の攻撃の威力だけは凄まじいが、その他が悲惨だった。



 面白味に欠けるただの一方的な暴力だった。



 邪神が死ぬのは時間の問題だった。





"レベルアップしました"



 俺は凄く無駄な事をした。

 あんなに弱いならテントラ……シュウを喰う必要は無かっただろう。


 そんな事を考えながら黒い塊──邪神の死骸を喰う。





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

名前:久遠秋くどうあき

種族:異質同体キメラ人間

Lv2418

MP :16,362,377

物攻 :16,362,442

物防 :16,362,384

魔攻 :16,362,373

魔防 :16,362,369

敏捷 :16,362,431


固有能力

【強奪Lv4】 【悪食】 【化け者×1001】 【傲慢】 【強欲】 【暴食】 【憤怒】 【怠惰】 【嫉妬】 【色欲】


能力

無し


称号

異質同体人間 神殺し 神喰らい

__________________________





▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【強奪Lv4】

身体強奪

スキル強奪

ステータス強奪

魔法強奪


発動条件:自分が殺した相手を喰う

▲_________________


文字通り喰った相手の魔法を奪えるらしい。

どうやら魔法はスキルとは別物のようだ。




▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【傲慢】

格下との戦闘で相手のステータスに一時的に下降補正

格下との戦闘で自分のステータスに一時的に上昇補正

格下を威圧する。


任意発動

▲_________________


どれぐらい補正されるのか分からないけど、強いんじゃないか。




▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【強欲】

入手経験値超増加


任意発動

▲_________________


これは常に発動させておこう。




▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【暴食】

食えば食うほどステータスが増加する

すぐに空腹になる

空腹状態中はステータスが一時的に急上昇し、暴走状態になる


任意発動

▲_________________


これは……物を食べるときにだけ発動させよう。




▼─────────────────

【憤怒】

発動すると、憤怒状態になりステータスが一時的に上昇し、専用スキル【怒りの咆哮】が使用できるようになる


任意発動

▲_________________

▼───

【怒りの咆哮】

この咆哮を聞いた格下の敵は、恐慌状態になる

▲___


結構良いスキルだ。でも俺は理性ある人間のつもりだから咆哮するのには抵抗があるな。


……いや、待てよ。体をモンスターのように変形させれば人間を気取らなくて良いから、問題ないんじゃないか?




▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【怠惰】

堕落した生活を送るとステータス増加

三日以上堕落した生活を送ると、精神が急速に堕落していく


任意発動

▲_________________


普通の睡眠でも堕落判定になるのだろうか?





▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【嫉妬】

格上との戦闘で自分のステータスに上昇補正

格上から得る経験値が増加する


任意発動

▲_________________


弱っていたとは言え邪神を殺した俺より強い奴と出会う事があるだろうか?




▼ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【色欲】

異性との戦闘で自分のステータスに上昇補正

性欲が強くなる


任意発動

▲_________________


異性ってのはモンスターの雌も入るのだろうか?だとしたら便利そうだ。


まぁステータス上昇系のスキルは窮地に陥らない限り使う気はないがな。

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