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第179話 魔剣

 ラウラがルーカケルピーを倒した後も順調に探索は続いていた。 無駄に入り組んだ小賢しいこの通路に俺は若干イラつきながら。


 やがて、二つ目のボス部屋の前に辿り着いた俺達は、そろそろ日が暮れる頃だ、と言う事で歩いて引き返していた。


 あ、帰り道は俺達も魔物を倒す事にした。

 だって一緒にクエストをダンジョン探索をしていたのに、ラウラだけが成果を上げているのは不自然に思われるだろうからな。




 その後、特に何事もなくダンジョンを出た俺達はいつものようにクエストの達成報告と素材の売却をしていた。


「……え、えっと……怪我をされていたのではないのですか……?」


 ラウラがアイテムボックスから取り出した死骸の量を見た買い取りの受付嬢が困惑しながら言う。


「あー、大した怪我じゃなかったので……えへへ」

「重体だったって聞いてるんですけど……まぁ、いいです。 …………少々お待ち下さい」


 笑って誤魔化すラウラにジト目を向けてから素材の査定に向かう受付嬢。


 ……ラウラ……説明が面倒臭いからって……




 素材の査定が終わるまでギルド内の机を囲んで談笑していた。


「──あー! それボクも知ってるよ。 いいよね魔剣!」

「…だよな! 俺もこの前、武器屋を覗いた時にチラッと見たんだけどよ、明らかに他の武器とは違うオーラ? を放ってたぜ」

「! に、兄ちゃん! その魔剣はどんな見た目だった!?」


 すると、興奮気味に俺達に声をかけてくる者がいた。

 フード付きのローブでフードを深く被っていて顔が見えないが、恐らく関わりはない筈だ。 背はクロカ達よりも少し大きい程度だ。


「…え、誰だよあんた」

「そんな事よりどんな剣だった!?」


 フードの人物はラモンの両肩を掴んで大きく揺さぶる。


「…や、止めろ! 揺さぶるな! い、言うから!」

「本当か!? 頼む!」

「…えーと……このくらいの刀身で淡く紫色に光ってたな。 んで、柄の部分には蛇みたいな模様があったぜ」


 ラモンは自分が見た魔剣の刀身を両手を使い表現し、空中に文字を書くようにして模様を表現した。


「……! ……それだ……! どこにあった!?」

「…えーと、多分……アルロ武器商店……だったと思うぜ」

「ありがとう助かった!」


 そう言ってフードの人物は走って去っていった。


「…ありゃぁ、なんだったんだ…?」

「さぁ…?」


 頭を掻きながらラモンが訝しげに呟き、呆気に取られたような顔をしたマーガレットが答える。






 受付嬢に呼ばれた俺達は金を受け取り解散した。 今はフレイアと屋敷に帰っている途中だ。


 行き交う人々には、早くも風景と化した異種族もいる。


「あ、あの人……さっきの人じゃない?」

「ん? あ、本当だ。」


 フレイアが指差す先にはさっきギルドで話し掛けてきたフードの人物がいた。

 相変わらず顔は分からないが、背丈やローブに刺繍された拳をバッテンで塗り潰した特徴的な模様が全く同じだったのでほぼ間違いないだろう。

 魔剣は買えなかったのだろう。 それらしきものは見当たらなかった。


 そう言えば、フレイアとその家族、使用人を狙っているゲヴァルティア帝国の国旗が拳のような感じだったな。 ……もしかしてあの人は反ゲヴァルティア帝国見たいな団体の人なのか?


「買えなかったのかしら……」

「多分な」


 そう中身のない会話をして俺達は再び歩き出す。


 それにしても……魔剣か……そうだな……

 そろそろ俺も素手じゃなくて何か武器でも使ってみようかな。今のところ金の使い道も特にないし、今度武器屋でも覗いてみよう。



「おかえりなさいませ」


 いつもの三人に出迎えられる。 クラエルは長い槍を地面に立てて門番らしい感じになっていた。


 そう言えばこの、名前を知らない送迎のメイドさんの名前を確認しないとな。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

名前:リブ

種族:人間

Lv34

MP :321

物攻 :317

物防 :332

魔攻 :326

魔防 :330

敏捷 :327


固有能力

無し


能力

片手剣術Lv1 短剣術Lv6 盾術Lv5 拳闘術Lv3 蹴脚術Lv3 隠密Lv4 闇討ちLv1 魔法Lv2 魔力操作Lv3 家事Lv5 作法Lv5 逃走Lv3 城塞Lv3


魔法

火魔法Lv2

水魔法Lv2

土魔法Lv2

風魔法Lv2

氷魔法Lv1

雷魔法Lv1

光魔法Lv1

闇魔法Lv1

無魔法Lv4

聖魔法Lv3

時空魔法Lv1


称号

無し

__________________________




 なるほど。 リブさんか。

 闇討ち……? ……物騒なスキルがあるんだが……


「……? どうされましたか?」

「いや、何でもないです」


 俺はそそくさと自室へと戻る。 動揺を悟られないように。


 今朝得た教訓により、俺は課題を早々に片付ける事にした。 もう朝っぱらから眠い目を擦りながら課題をしたくはないからな。

 俺は【思考加速】を使って手早く問題を解いていく。 こいつは残していたらいけないものなのだ。


 その甲斐あって、夕飯前には片付いた。 これからも【思考加速】を使ってとっとと終わらせてしまおう。



 机から顔を離した俺は痛む頭を押さえて時計を見る。 ……まだ夕飯までは時間があるな。


 早く終わらせ過ぎたのかあっという間に暇になってしまった。


 …………精神世界で暇潰しでもするか? …………いや、あれは時間の感覚が掴めないから止めておこう。

 …………じゃあ散歩? いや、それは時間が無さすぎる。 …………うーん。



 俺は良い暇潰しが思い浮かばずボーッとクロカとシロカの言い争いを眺めていた。






 そうして暫く何をするでもなくボーッとしていると、部屋の扉がノックされた。


「はーい」


 返事をして扉を開けると、そこにはオリヴィアがいた。

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