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第139話 ダンジョン探索

「なんか用か? 俺とお前は面識無かった筈だけど」

「うふふ。場所を移しましょう」


 そう言うフレデリカに連れられてやってきたのは校舎裏だ。 なに? 俺今からボコボコにされるのか?


 などと冗談を考えていた俺に、突然込み上げる不快感。


 この感覚は状態異常を無効化したときに感じる感覚に似ている。


 この不快感は何度も俺を襲った。


「……?」


 その度に怪訝そうに首を傾げるフレデリカ。

 どうやらこいつが俺に何かしているようだ。


「お前か? 俺に何かしているのは」

「え!? な、なんの事でしょう!?」


 驚いたフレデリカは挙動不審になりながら答える。


「……魅了か」

「!!!」


 前見たフレデリカのステータスに確かそんな物があった筈だったから出鱈目に言ってみたが、こいつの反応を見る限り、正解のようだ。


「不快だから止めろ」

「……なぜ?」

「……?」

「なぜ魅了が利かないのですか?」


 なぜって、そりゃあ俺が色んな魔物を喰って耐性スキルを手に入れているからだ。 それ以前に【全状態異常無効】を持っているしな。


 一応言っておくが、別に変形しなくてもスキルは使える。

 だが、変形した方がスムーズにスキルを使用出来るからそうしている。

 一部の変形させないと使えないスキルを除く(鋼鉄化など)


 例えるなら、機械による自動的で正確な作業と、自分の手で行う融通が利く手作業の違いが分かりやすいだろうか。



「教える訳ないだろ」

「……そうですよね……」

「で? なぜ俺に魅了を使った?」

「噂で貴方がとても強いと聞きましてね。 私のお願いを強制的に聞いて欲しかったのです」

「普通に頼めば良いだろう」

「嫌ですよ。他人に頭を下げてお願いするなんて」


 中々にプライドが高いようだ。


「でもまぁ……魅了が利かない以上、やむを得ませんね。貴方にお願いしたいのは……校内に蔓延る不良の粛正です」

「……なるほどな。 ……受けるのは構わないが、気が向いたらでいいか?」

「正してくださるのならいつでも構いません」


 強さを聞き付けてやってきたのなら、力で捩じ伏せろと言う事なのだろうか?

 それとも、注意を受けて逆上して襲い掛かってきた不良から身を守る為の強さを求めているのか。


 分からないが、後者の方が穏便に済むだろうから出来るだけ口頭で注意するか。


 ではまた。 と言って去っていくフレデリカを見送りながらそんな事を考える。



 放課後、いつも(以下略)



「本当にボス部屋のようだね……」


 巨大な鉄扉を開き、おおべやと内装を見ながらアデルは呟く。


「……復活してますね……コボルトキング」

「あぁ。 ますますダンジョン説が濃厚になってきたな」


 クルトとマーガレットの言う通りコボルトキングは復活して相変わらず配下を侍らせ、胡座をかいていた。


「…取り敢えず奥に進んでみようぜ。 アキ、コボルトキングを頼む。 周りのは俺らがやるから」

「分かった」


 ちなみに今日は全員でここに来ている。


 昨日とは真逆の采配で大部屋へ突撃する。 背後で扉が閉まる音を聞きながら俺はコボルトキングへ転移して顔面を粉砕する。


 調査メインだから無駄に時間をかけていられないから早く終わらせた。



 後は皆がコボルトを狩り尽くすのを眺めていた。

 これならもう少し時間をかけても良かったな、と自分の行動を後悔していた。


「ふぅ。 コボルトを狩り尽くすのにこんなに時間がかかるとは…… 昨日のクドウはもっと早かったのにな。 私もまだまだだ」


 そう言えば昨日の一件からガレット……いや、マーガレットの一人称は私に変わっていた。 こっちの方が言い慣れている感じがしている。


「この人数より早いなんて…とんでもないですわね……」

「…はは。アキはそう言う奴だからな。 さ、早く行こうぜ」


 ラモンはワクワクが抑えられないと言った様子で俺達に早く進むよう催促する。


 分かるぞその気持ち。 やっぱりダンジョンはロマンだよな。 薄暗いと気分まで下がるのが欠点だが。


 ちなみにコボルトキングが復活していた時点で、俺達の中でここはダンジョン認定されていた。

 コボルトキング自体が珍しい魔物な上、この洞窟には通常存在しない魔物なのに2日連続でいるのは異常だと言う理由からだ。



 暫く魔物を倒しながら進んでいると、下へ続く階段を発見した。


「地下に続くタイプのダンジョンみたいね」

「地下タイプなら光魔法が更に重宝されますわね」

「この下にいる魔物はここの奴より強くなっている事だろう。みんな準備はいいか?」

「あぁ」「…おう!」「えぇ!」「勿論ですわ!」「はい!」「うん!」


 ラモン、フレイア、エリーゼ、クルト、アデルの全員が返事をする。


 皆のやる気を確認したマーガレットは真剣な顔をして先頭を進む。


 



 階段が途切れると、そこは一見するとまともそうな洞窟だが、【探知】を使っている俺にはわかる。


 囲まれている。 壁の中から気配がする。 恐らく大半が動物をベースにした魔物ではなく、無機物をベースにした魔物が潜んでいるのだろう。


 例えば鉄人形──アイアンゴーレム、とかのゴーレム種だろう。

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