第138話 白龍メイド
まるごと飛ばしたがフレイアが俺の事を下の名前で呼んでいた事をずっと質問責めにされた。
……一頻り団欒した後でクルトが話し出す。
「ラモンさん達の方の通路はどうなってましたか?」
「…どうって普通だったよな?」
「そうだね。 普通だったよ。 あぁ……入り組んではいたけど至って普通だったね」
俺には普通の洞窟って言うのが良く分からないが、少なくともこっちの通路よりは格段にまともそうだ。
「そうか…… 私達の方はなんと言うか…… 話に聞くダンジョンのようだった」
「特にボス部屋ですね」
「ボス部屋?」
「そうだ。 コボルトキングがいた。 ちなみに私がこんな格好になっている理由だな」
前にもクルトが言っていたが、ボス部屋はダンジョンにしか出現しない。 しかも普通の洞窟と違って洞窟の内部が滅茶苦茶なところがダンジョンだと言う予想をより顕著にしている。
「ボス部屋ねぇ……今すぐ確認したいところだけど今日はもう時間が無いから明日ね」
「そうですわね」
冒険者ギルドで(以下略)
フレイアと屋敷に戻ると、今日はアルベドも出迎えをしていた。
「おぉ、アルベドじゃないか。 メイド修行はもう終わったのか?」
「童は龍種なのじゃぞ? この程度も楽にこなせずにどうすると言うのじゃ」
「そうは言うが貴様、皿を割りまくっていたではないか……」
「あ、あれは人間の姿と言う慣れない姿じゃったから力加減が難しかったのじゃ!」
クロカの暴露に両手をバタバタして弁明するシロカ。
ちなみに名前を付けた後のシロカのステータスはこれだ。
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名前:アルベド
種族:龍
Lv77
MP :18,167(7,783)
物攻 :18,231(7,794)
物防 :18,228(7,789)
魔攻 :18,232(7,796)
魔防 :18,227(7,787)
敏捷 :18,246(7,800)
固有能力
【精神的浄化】【復活】【再生】【結晶化】
能力
爪撃Lv4 牙撃Lv4 竜の息吹Lv4 威圧Lv1 飛行Lv2 咆哮Lv3 人化/龍化
魔法
火魔法Lv4
水魔法Lv3
土魔法Lv1
風魔法Lv2
氷魔法Lv2
雷魔法Lv4
光魔法Lv3
闇魔法Lv1
無魔法Lv2
聖魔法Lv2
時空間魔法Lv1
称号
白龍の姫 名前持ち
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ちゃんと名前の欄にアルベドと記載されている。
ニグレドもそうだったが、名付けたら固有能力が発現するのはなんなのだろうか?
まぁいいか。
クロカとシロカのやり取りをスルーして自分の部屋に帰って課題を終わらせる。
授業中に寝ている分しっかりしておかないとな。
夕飯の時、オリヴィアが口を開いた。
「クドウ様、アルベドさんも専属メイドにしてよろしいですか? 前も言ったと思いますけど、クドウ様が連れて来られた方ですから、クドウ様の側に居させた方が良いと思いまして」
「あぁ、なるほど。 構いませんよ」
……これからは無闇に連れてくるの控えようと思う。 この調子だと毎回専属にさせられそうだ。
夕飯後はクロカとシロカに挟まれながら課題の続きをする。
「ほう、これが……ふむ。 童には全くわからんな」
「お前も文字を?」
「うむ!」
「ふーん」
凄い事なんだがもう同じ流れをやったからどうしても反応は薄くなってしまう。
「なんじゃその反応は!? もっと褒めるとかないのかのぅ!?」
「いや、クロカの時と全く同じだし……」
「なんじゃと!? ニグレド! お主狡いぞ!」
「なにが狡いのだ?」
「だってお主だけ褒められて童は──」
またクロカとシロカの言い争いが始まった。
お前ら友達同士じゃ無かったのか? 仲悪すぎないか? 喧嘩するほど仲が良いってやつか?
と言うかシロカは俺の事を嫌ってた筈だけどなんで好感を得ようとしてるんだよ。
……あぁ……懐いてますアピールか。
……なんにせようるさすぎて集中できない。
俺は二人の足下にゲートを出現させて部屋の外へ移動させる。 鍵も閉めておかないとな。
どんどんと扉を叩く音とクロカとシロカの喚き声が聞こえてくるが俺は無視して課題を進めた。
翌日
いつものように机に突っ伏して寝ていると話し掛けられた。
「クドウさん。生徒会長が呼んでるよ」
「ん? ……今行く」
見ると教師の扉から微笑みながら俺を見つめていた。
この間見たときと違って取り巻きはいなかった。
あの魔人の生徒会長が……?




