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第134話 ここは本当に洞窟なのか?

 俺が玄関前の階段に座ってボーッとしていると、後ろからフレイアがやってきた。


「もう終わったみたいね」

「なんでそんな平然としてるんだよ」

「たまにあるのよ。 こう言うの」

「そうなのか。 ……と言うかあの時の騎士は無能に見えたのに結構有能じゃないか」


 あの時とはフレイアが盗賊に誘拐された時の事だ。

 護衛対象から目を離し、危険な目に遭わせる。 どう考えても無能だ。

 俺と同じだ。


「あの時の騎士はあまり強く無い人を連れて行っていたらしいわ。 なんでも、屋敷の警備を厳重にしないといけなかったとか」

「オリヴィアやフレイアが死んだら意味ないのにな」

「全くよ」




 翌日


 今日は休みだ。

 今更だが、フェルナリス魔法学校は休日がランダムだ。

 なぜそうなっているのかは分からないが。



 と言う事で、朝からいつものメンバーで冒険者活動だ。

 


 カイネフール洞窟へやってきた俺達はクエストの内容を完了させ、いつものように自由に狩りをしていた。


 やがて道なりに進んでいると二手に分かれた分岐を見つけた。


 ……ん? ……あれ? この間はこんな分岐なんか無かった筈だが…… いや、俺の記憶違いか。


 なんにせよこれで狩りの効率があがるな。


 適当にじゃんけんでチームを分けてそれぞれで探索を始める。


 俺、ガレット、クルトは右の分岐を進む。


 見事にラモン以外の男が固まってしまった。

 ラモンはさぞ居心地が悪い事だろう。



「暗い場所にいると気分まで沈んでくるな……」

「そうですね……」


 ガレットの呟くに答えるクルト。

 確かにそうだ。 ……なぜだろうな?



 そんな感じで進んでいると、少し拓けた場所にまた分岐があった。

 今度は四つに分かれている。


「どうすんだこれ」

「ふむ。 これだけあるなら別れずに一つの通路に絞った方がよさそうだな」

「じゃあ取り敢えず……一番右から行って見ましょうか」


 反対意見も出なかったのでクルトの提案を受け入れ、一番右の通路へ進む。




「まただ……」

「しかも更に増えているぞ」

「あ、はは……」


 また分岐だ。 さっきより拓けた場所にあったのは八つの分岐だ。


 危険だ。 俺はこう言う入り組んだ場所が苦手だ。 すぐに迷ってしまう。

 今すぐにでも戻りたい。


「どうしましょうか……」

「一旦引き返して他の場所も探索してみよう」



 四つの分岐点に戻ってきた。 今度は右から二番目の通路を進む。

 こちらは上下にうねる小さな坂が沢山あり、通路の節々に無数の横路が伸びていた。


 比較的まともだが、この通路もダメだと判断した俺達は順番通りに左から二番目の通路を進む。

 この通路は途中で大きな縦穴が出来ていた。

 下は真っ暗で光魔法を下にやっても一向に地面が見えて来なかった。

 上にも縦穴は続いているが、そこからは太陽の光が差し込んでいた。

 まぁその光も俺達には届かず途中で途切れているが。



 そう言えばこの世界のアレは太陽と言う名前なのだろうか?



 そんな事はともかく、この通路もダメだと言う事で余った一番左の通路を進む。


「……まともっぽいですね」

「漸く正解の通路を進めるのだな」

「結局一番最後のやつかよ」


 通路は異常なく、まともだった。 ぐにゃりぐにゃりと曲がり角はあるが、他の場所に比べればましだ。 と言うか曲がり角があるのが普通だろう。

 しかし俺達は草臥れていた。 無駄に歩いて体力を消耗したのもあるが、何より精神的な疲労が大きかった。



 その内、コボルトや洞窟蜘蛛──ケイブスパイダーと言うらしいの他にも火を吹く蜥蜴──ファイアリザード、デカイ鼠──ジャイアントラットなどの魔物が出現し始めた。


 所詮、俺が言う【洞窟蜘蛛】等の名称は俺が勝手に名付けただけに過ぎない。

 この世界ではちゃんとした名前があるのだ。



 やがて進んでいるいると、大きな鉄の扉が俺達の前に立ちはだかった。


「なぜ洞窟に扉が……?」

「結局この通路もまともじゃなかった訳だ」

「宝箱もそうですけど、このような扉もダンジョンによく見られる要素ですね」


 世に知られていないだけでこの洞窟はただの洞窟じゃ無いのだろうな。


「進みますか?」

「俺がちょっと覗いてくる」

「危ないぞクドウ!」

「そうですよ! もしここが本当にダンジョンだったらかなりの確率でボス部屋ですよ!?」

「大丈夫だ」


 俺は俺の身長の倍はある巨大な鉄扉を開ける。



 扉の中は勿論部屋だった。 結構広い。 学校の体育館ぐらいはあるな。

 そしてその部屋の中心には青い体に犬の耳を付けた人の形をした生物の上位種、ハイコボルトやコボルトジェネラルなどを従えた生物──コボルトキングがいた。


 ……こいつとは遺跡世界の序盤辺りで戦った事があるな。

 ボス部屋と呼ぶに相応しい魔物じゃないか?


 ちなみにゴブリンやオーク、オーガなどもコボルトと同じ様な種族形態で、ハイゴブリン、ハイオーク、ハイオーガ、ゴブリンジェネラル、オークジェネラル……と言った具合に続いている。



 さて、コボルトキングの取り巻きは俺が始末するとして、コボルトキングにこの二人は対応できるか試してみよう。

 危なくなったら手助けはするつもりだ。

分かり難いでしょうが一応。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


コボルトキング  縦穴  上下通路  八つの分岐

      ↑    ↑    ↑    ↑

      |    |    |    |

 

            ↑内部


   フレイア達← Y →秋達

          ↓

       ティアネーの森

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