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第132話 カイネフール洞窟

 暗殺者でレベル上げをした俺はゲートで屋敷まで帰った。


「おかえりなさいませ」

「おかえりなさいませなのだ」

「こく、ニグレドよ、お主は本当に堕ちたのだな」

「なぬ!? お、堕ちてなどおらんわ!」


 いつものメイドさんとメイド服のクロカ、複製制服姿のアルベドがいた。

 そして、奥からはオリヴィアがやってきた。


「あら、おかえりなさいクドウ様。 えっとそちらの白髪の方は……?」

「えっと、ニグレドと同じような感じです」

「ニグレドさんと……えっと……白龍……? ……嘘ではなさそうですね……」


 相変わらず理解が早いオリヴィアは【看破】で真実だと認識する。


「仕事をして頂けるのなら住まわせる事は構いませんよ」

「え……あ、ありがとうございます」


 俺が何を言おうとしているか汲み取ったオリヴィアは先に言う。


 驚いたな。


 シロカはいつものメイドさんとクロカに連れられて奧へ消えていった。

 オリヴィアも自分の用事を済ませる為に去っていった。



 自室に帰って(以下略)



 次の日


 自分の教室で授業を寝て過ごし放課後は重傷を負って入院しているラウラ以外のみんなで集まり、ラウラの様子を見に行く。


 特に怪我の具合が悪化しているとかは無く、ただ静かに眠っていた。



 その後はクエストを受ける。

 昨日昇格したから別のクエストを受けられる。

 ティアネーの森で受けられるクエストが増えたが、俺達は狩場を変えたいので別の場所のクエストを受ける。




【カイネフール洞窟】


 ここがよさそうだ。

 王都からそれほど離れてないし出現する魔物も丁度良い。 それにここのクエストは山程ある。 しかもこの場所のクエストの報酬も総じて悪くない。


 なぜ沢山クエストが残っているのか分からないが、俺にとってデメリットが無いのであまり考えないで良いだろう。



 じゃあまずは『コボルト8体討伐』と『洞窟蜘蛛6匹討伐』を受けよう。


 皆も賛成してくれたので受付嬢にクエストを受理して貰ったので、王都を出てカイネフール洞窟へ向かう。


 カイネフール洞窟の入り口は複数あり、最も王都から近い入り口はティアネーの森の中にある。


 ティアネーの森を彷徨き、思い思いに狩りをしていた俺達は既にその入り口を見つけていたので、迷わずに向かえた。



 洞窟に入ってすぐの一本道にコボルトが3体現れた。

 俺が遺跡世界で最初に見たものよりは強そうだ。

 あの時は苦戦していたな……


 などと思い出に浸っていると、コボルトはアイテムボックスへ仕舞われていた。


 コボルトを倒した本人であるラモンは不満そうな顔をしていた。 どうやらまだ役不足なようだ。


 俺が光魔法で洞窟内を照らし、誰かが度々現れるコボルトを倒しながら洞窟を進んでいると、謎の箱があった。


「なぜダンジョンでもないこの洞窟に……?」


 ガレットの疑問も当然だ。

 通常、宝箱と言うのはダンジョンの中にしか出現しないのだ。

 しかもその宝箱は極稀に突然ダンジョン内に出現し、中には確実と言って良い程にレアな装備やアイテムが入っているそうだ。


 あと、宝箱に擬態しているミミックが混ざっている事もある。


 ちなみにミミックは宝箱以外にも擬態できる。

 例えばダンジョンの壁掛け松明や、ダンジョン内の装飾品など。

 しかも、ミミックはその周辺の適正レベルから大きく外れている事が多いので、ミミックに見つかったら必死で逃げるのが定石らしい。



「誰かの悪戯かしらね……」

「だとしたら何が目的なんでしょうか?」

「……全く分からないわ」

「…念の為にミミックか確認しておこうぜ」


 ミミックは手を掛けた瞬間に擬態を解いて襲いかかってくる。

 と言うより、自分に衝撃が与えられると襲い掛かってくるのだ。


 ラモンは洞窟内に落ちている石ころを手にして宝箱に投げ付ける。



 カツン──


 宝箱と石ころがぶつかる乾いた音が洞窟内に響き渡る。

 反応が無いので少なくともミミックでは無いようだ。


 ラモンが宝箱に近付き手を掛けて、宝箱を開ける。 鍵は掛かってなかったようだ。


 宝箱からは目映い光が漏れだした。


「…おぉ……」


 嘘だろ。 なんで洞窟の偽宝箱に……?


 俺は気になり覗き込むと、発光している宝玉が一つだけ入っていた。


 鑑定を使う。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

【転送の宝玉】


魔力を流すと強力な魔物の巣窟に転送される

(推奨レベル:73)

__________________________





 俺はラモンが宝玉に触れようとしている手を腕を掴んで止めた。


「…どうしたんだ?」

「それ危ないぞ」

「…本当か……助かった」


 普通なら横取りしようと企んでるんじゃないか、とか疑うところだろ。

 なのにラモンはあっさり引いて礼を言った。 ちょっと気を許しすぎではないか?


「うわぁ! 本当だ! それ危ないよ!」


 遅れて鑑定したらしいアデルが叫ぶ。


「ボクの鑑定はレベルが低くて一部しか見えないけど、強力な魔物の巣窟に転送される、って見えたよ!」

「本当ですね……」


 鑑定結果を伝えるアデルと確認するクルト。


「この宝玉どうするんだ?」

「魔力さえ流さなければ発動しないらしいからアイテムボックスに放り込もう。 開けたからには責任を取れよラモン」

「…はぁ……マジかよこんな危険物持ちたくねぇよぉ……」


 仕方ないだろ。 自分で開けたんだ。 最後まで責任を持って管理しないとな。



 その後は普通にクエストを達成させて冒険者ギルドへ帰った。

 洞窟は狭いし、分岐も無いので狩りの効率が凄く悪かった。 でもクエストの報酬はティアネーの森よりいいから合計額は全く変わらなかった。

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