第13話 望まぬ再会
気が付いたら僕はまた、白の世界に来ていた
「あぁそうか…僕は殺されたのか……」
「そうみたいだね」
僕はすぐさま飛び退き、睨み付ける。
「テントラ…………!」
「覚えていてくれたんだ。4日ぶりだね。久遠秋君」
僕はあの遺跡で4日間も過ごしていたらしい。
「で? また死んじゃったんだ」
テントラは笑いを堪えるように言う。
僕は無視して【鑑定】を発動させる。
……
…………
あれ? 【鑑定】が使えない……!
他の能力も使えない!
なんで!?
僕の動揺に気付いたのかテントラは可哀想なものを見る目をして言う。
「あー無駄無駄。この白の世界にいる死者は全て僕の支配下あるんだ。だから君は今何にもできない只の一般人だよ。あぁそうそう、ステータスにも制限を掛けてるからね」
……何だよ……それ……
僕はまた……何も出来ないのか……?
……そんなの耐えられない。 ……許せない。
僕は本能の赴くままに獣のように叫びながらテントラを殺すため、走り出す
「うおおおおおおおおおお!!!」
しかしテントラはやれやれ、とため息を吐く。
「……っ! 何だこれ!?」
すると何もない空間から、鎖が飛び出し僕の四肢を拘束する。
「無理無理、君に僕は傷つけられないよ」
テントラは笑いを堪えながら告げる。
僕は諦めず、手足を動かすため闇雲に暴れる。
「……口で言っても分からないかな。まぁいいや」
テントラは呟くように言う。
そしてテントラは僕の目の前に来て僕と視線を重ねる。
「いつまで隠れてるの? いつまで偽っているの?」
「……は? いきなりなにを……?」
隠れる? 偽る?
本当に何を言っているんだ?
「僕は知っているよ。君が本当はどんな人間か」
「…………」
「…………フフ。まあいいや。じゃあ僕は君が諦められるように手助けをしようかな」