第122話 職務放棄
クロカが森の浄化から帰って来たので、狩りを再開した。チームは同じだ。
シロカはクロカと一緒に森の外で待っている。
二人とも強いから何事も無いだろう。
「あ、そうだ。 クドウさんはレベル幾つなの?」
「んー? 幾つだっけな……」
アデルの質問にそう言えば最近ステータスを確認してなかったなと、ステータスを確認する。
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名前:久遠秋
種族:異質同体人間
Lv2418
MP :16,369,353
物攻 :16,369,398
物防 :16,369,321
魔攻 :16,369,380
魔防 :16,369,376
敏捷 :16,369,389
固有能力
【強奪Lv4】 【悪食】 【化け者×1187】 【傲慢】 【強欲】 【暴食】 【憤怒】 【怠惰】 【嫉妬】 【色欲】
能力
無し
魔法
火魔法Lv4
水魔法Lv3
土魔法Lv3
風魔法Lv5
氷魔法Lv2
雷魔法Lv3
光魔法Lv3
闇魔法Lv4
無魔法Lv6
聖魔法Lv3
時空間魔法Lv3
称号
異質同体人間 神殺し 神喰らい 同族喰らい
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まぁ流石にレベルは上がってないよな。 だって雑魚しか倒してないし。
アルベドを殺しはしたが、それでは経験値にはならないようだ。
ってか邪神から奪ったスキルの使いどころが無い。
【傲慢】と【強欲】しか使ってない。
傲慢は付属の格下を威圧するのにたまに使っている。 で、強欲は入手経験値が増えるので常に発動させている。
あ、前に一度【暴食】を使ってみたが、本当に一瞬で空腹になった。 それ以来使っていない。
説明には暴走状態になるとあったがこれは、飢餓によるストレスで発狂して自我を失い暴走する、と言う事だろう。 本当にそうなりそうな位、空腹になった。
【憤怒】も使ってみたかったが、【暴食】がアレなので使うのを止めた。 他のもだ。
ステータスは俺が摘まみ食いしてたテイネブリス教団や、俺が狩った魔物の分だけ増えている。
魔法レベルが全く上がっていないのは、おそらく更に細かく、ステータスに表示されないレベルがあるんだろうな。
例えば火魔法Lv2(10/20)みたいな。この値は適当だ。
火魔法Lv3の奴を喰って(13/20)ぐらいになると考えないとこのレベルの上がり幅はおかしい。 それなりに魔法が使える人間を喰っていたんだからな。
そして人に見せられないような称号が……【同族喰らい】
これは人間を喰った事だろう。魔物を喰った時はこんな称号貰えなかったのだから。
……あれ? じゃあ俺は人間と言う事になるのか……?
まぁいいか。
「えっとなんだったけ」
ステータスに集中しすぎて忘れてしまった。
「レベル幾つ?」
「あぁレベルか。 ……2418だな」
「…………ん? …………ボクの聞き間違いかな……ごめんクドウさんもう一回言ってくれる?」
「2418だ」
「…………え? 本当に……?」
俺は頷く。 俺でも異常なのは分かる。 邪神とか言う神の端くれと、シュウを殺した結果だからな。
「み、見せてくれる……?」
それは不味い。 【同族喰らい】とか言う称号を見られる訳にはいかない。 なにより勇者なんて言う、正義の塊には。
「嫌だ」
「なんでさ」
「見られたくないものがあるんだよ」
「えっと、見せたくないもの以外を見せるよう念じれば隠せるよ」
あ、そうなのね。
じゃあレベル以外隠しておこう。 幾ら身内とは言え、無闇に個人情報は与えない方が良い。
「………わっ……本当だぁ……どうやってそんなにレベルをあげたの?」
「秘密だ」
「えーケチぃー」
アデルが頬を膨らませて媚びるように言う。
実に可愛らしい。 てかあざとい。 狙ってるのか?
【思考読み】で頭の中を覗いたけど無意識らしい。 こんな恐ろしい者がこの世にはいたのか。
俺が戦慄していると、アデルは「まぁいいや」と言って歩き始めたので黙ってついていく。
どことなく小動物のようだった。
と言うか俺はフレイアの護衛なんだけど離れて良かったのか? これは立派な職務放棄なんだけどバレたらオリヴィアに追い出されたりしないか……?
俺は一抹の不安を抱えながらアデルについていく。




