表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/365

第116話 魔人発見

 体育以降の授業は寝ている奴が殆どだった。

 俺もその一人だ。


「クドウ君はいつもの事だけど、今日はみんな疲れてるみたいだね」


 入学試験の試験官だった細身の眼鏡をかけた優男──アンドリューが言う。


 アンドリューは魔法基礎の担当だ。

 魔法基礎とは、魔法を使うにあたっての詠唱や消費するMP─魔力などの基礎的な事を教わる。


「仕方ないですね……こんな様子じゃ教えても無意味でしょう……えー皆さん。この時間は自習にします」


 普段なら歓声があがるところだが、今はそんな余裕もないのだろう。

 なんせ、今日の体育はいつもより厳しかったし、食後の運動だったと言うこともあったしな。




 休み時間


 廊下が騒がしい。

 俺は顔を上げてチラリと窓から覗く廊下に目をやる。


「会長!」「会長!」「会長!」「会長!」「会長!」


 生徒達が一ヶ所に群がり、会長!とだけ呼び掛けている。【透視】を使って群衆を強引に突破して、輪の中心を見る。


 ちなみに【◯◯視】系統のスキルを使用すると、黒目の色が変色する。


 群衆の中心に居たのは生徒会長──フレデリカ・エルウェッグだ。

 入学式や、臨時集会などで見掛けたきりだった人物だ。


 黒髪ロングに黒い目。キリッと整った顔立ちはクソ真面目な雰囲気を漂わせる。

 スタイルも、モデルをやっていると言われたら納得してしまう程だ。

 つまり、厳しそうな美人生徒会長だ。


 

 いや、しかし……こいつだけの為にこれだけの人間が群がっているのか。

 洗脳にも似た何かを感じざるを得ない。


 気になった俺はフレデリカを【鑑定】する。

ちなみに鑑定を使うと額に目が浮かぶので、サッと済ませなければいけない。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

名前:フレデリカ・エルウェッグ

種族:魔人

Lv14

MP :153

物攻 :123

物防 :110

魔攻 :147

魔防 :145

敏捷 :139


固有能力

無し


能力

短剣術Lv1 拳闘術Lv1 蹴脚術Lv2 魔法Lv3 魔力操作Lv2 魅了Lv3 作法Lv3 歌唱Lv1 速筆Lv3 短時間睡眠Lv4


魔法

火魔法Lv1

水魔法Lv2

土魔法Lv2

風魔法Lv2

氷魔法Lv3

雷魔法Lv1

光魔法Lv1

闇魔法Lv2

無魔法Lv1


称号

無し

__________________________




 うおおおおおお! 魔人きたあああああ!


 何の魔物に化ける魔人なんだろうか?


 って言うか魔人って人間と同じ見た目なんだな。 俺と同じで要所要所で姿を変えるってことか?


 それにしても【魅了】か。

 あのスキルであの群衆を意図的に作っているのだろうな。


 まぁ考えても仕方ないし、取り敢えずいつかあいつに接触してみよう。


 …………ん? 今、目があったような……


 ……まぁいいか生徒会長を囲う喧しい集団もいなくなったしもう一度寝よう。



 俺はクラスメイト帰り支度の音で目覚めた。

 これはいつもの事で、これが俺の目覚まし時計になっているのだ。


 俺はさっさと鞄に荷物を詰め込んで教室を後にする。


 教室の外にはフレイアとガレットがいた。


「クドウさん…また寝てたの?」

「退屈なんだよ」

「それでも、ちゃんと授業は受けておけよ?」

「……えぇ……」

「全くお前は……」


 面倒臭いし、退屈だ。

 はっきり言って入学したのを後悔している。 あの時は面白そうだと感じたけど、今は全くそう思わない。


「さ、早く行こう」


 ガレットの説教が始まりそうだと予感した俺は話を逸らして階段へ向かう。


「こら、待てクドウ!」



 まぁ一緒に帰る以上、ガレットの説教は免れないのだが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ