第1話 死んだ
気まぐれにダラダラ書いていくつもりです
よろしくお願いします。
高校二年の春。
無事進級した僕はいつものように学校へ向かっていた。
そこで、いつもと変わらない平凡な日々を過ごすはずだった。
目の前の小学生ぐらいの子供が信号無視をしたトラックに轢かれそうになるまでは。
僕は気付いたら飛び出していた。
なにも知らない見ず知らずの子供を助けるために。
なんで飛び出したのか、それは僕の人生で一番の謎になるだろう。
いつもの僕なら見なかった事にするか、周りの野次馬に合わせて傍観者を気取っていただろう。
誰にも目をつけられないように。
自分が咎められないように。
今回僕のとった行動は明らかに誰かに目をつけられる行為だっただろう。
もし僕が突き飛ばした子供が、突き飛ばされた距離が足りず、助からなかったら、僕が咎められるのだろう。
僕の生死を問わずに。
「お前が余計な事をするから」「あの距離なら走れば助かっていた」「お前が突き飛ばしたから轢かれたんだ」
その場にいなかったものはそう喚き散らすのだろう。
あるいはその場にいた者も僕を非難するのだろう。
僕は子供を突き飛ばし、誰かの耳障りな甲高い悲鳴を聞きながら、どこか他人事のようにそんな悲観的な事を考えていた。
その数秒後、体に鈍く大きな衝撃が走った。
僕は浮遊感を感じる間もなく───
────死んだ