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交霊対決

遅くなってすいません。書く気はありますが、師走なので、次回は遅くなるかもしれません。

奈美は剛に悪魔と罵倒されてときめいていた。

いつもは交霊ゴッコなんて、難しくも馬鹿馬鹿しい遊びに付き合う様なやつでは無いのだが、

なんの気まぐれか今回は、奈美の遊びに付き合ってくれる様だ。

しかも、剛はルターを演じる様だ。


ノストラダムスの霊を呼んだはずなのに何故ルターなのか?

これからどう演じるのか、考えるとワクワクする。


ワクワクしすぎて剛がいつもと違う事に奈美は違和感を感じることはなかった。

いつもは、奈美の啖呵にビビり気味に口籠りながら話す、

恥ずかしがり屋の剛が酒の力も借りずにこんなに滑舌よく話しているのだ。

おかしく感じないわけが無いのだが、それより奈美は剛の手元のスマホが気になる様だ。


あれでルターの知識を仕入れているに違いない。

どう切りくずすかいつ取り上げようか…そう考えると胸が踊る。そうこうしてると、剛が口を開いた。

「そこは、地獄か?」

「じごく…」

奈美は、絶句する。


悪魔からの地獄…考えているみたいね。バカでも頭は使い様ね、

地獄なら史実で言い負かせないもの。はじめの反応を見るには無難な質問の仕方だわ。


でも、負けてないわよ。


奈美は滑舌よく話す剛を不敵な微笑みを浮かべて軽く睨んだ。さ、口撃開始だわ!

奈美は息を吸い込むと、一気にまくしたてる様に話し出した。


「 ふざけんじゃ無いわよ!ここが地獄なら、あんただって無職地獄の囚人じゃない。でも、私は、年末に仕事が入ってるんですからね!割のいい即金払(とっぱらい)の…私は年明けには温泉入って気持ちよく地獄を脱出してやるわ。」

奈美は、ドヤ顔で剛を睨んだ。


「なんと、なんと、汚らしい言葉を発する悪魔なのだ。」

貧相だが厚みのあるフードをまとった男が奈美の啖呵に恐れを抱いていた。



奈美の声は、海を越え、時を超え、500年前のヨーロッパの貴婦人の声帯を震わせていた。

「ルター様。奥様は、助かりますでしょうか?」

使用人らしい小柄な中年男が、心配そうにキリスト教の僧侶に声をかけた。

「わからぬ。」

僧侶は、男の方を向くこともなく唸る様に呟いた。


1517年。ノストラダムスが来年の大学入学に向けて人生の岐路に立っていたその頃、

神聖ローマ帝国では一人の若い僧侶が、同じく人生の岐路に立っていた。

10月にヴィッテンベルクの教会に提出した『95ヶ条の論題』が、アルプスの山頂から流れる小さな水が、大河となって神聖ローマ帝国を潤す様に、人知れず静かにルターの人生を飲み込みながら、大きな歴史の流れになろうとしていた。


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