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ラノベ作家と予言の書  作者: ふりまじん
アストラル トリップ
53/56

四つの世界4

プロバンスの赤いしずく…


作者は、涙ぐみながら空を見上げました。


本当に…詐欺師というのは、人の弱味を的確についてきます。


友人に先立たれ、目標を失い、落選続きで瞑想する作者には、ネット作家デビューの頃のきらやかな記憶と共に胸をつかれる話に違いありません。


『プロバンスの赤いしずく』この題名の少女小説の設定は…しかし、それほどは書かれていません。


すぐに、他の話に埋もれてしまったからです。


不安が胸をつきました。

不安定な昔の話を…作者すらしらない設定を…勝手に付け加えて壊した挙げ句に、作者を傷つけたりしないのか…と。


「プロバンスの赤いしずく…懐かしいわ。主題歌まで…なんか、それっぽく、少女アニメに出てきそうな(うた)を…こんなところで聞けるなんて!」

作者が叫び、グアニンが否定する。

「違う、これは『ふぁうすと・レディ』『プロバンスの赤いしずく』は主題歌です。」


え?と、いう顔をグアニンに向け、それから作者は、黄昏を(まと)った柔らかい微笑みを浮かべた。

「『ふぁうすと・レディ』ね。まあ、いいわ…。

ネット生活も既に6年目。虫とか、変質者とか、そんな話ばかりだったけれど、ここに来て、まさか、あんなに少女アニメのような恋の詩を聴けたんだから。」


作者は、幸せを噛み締めるように目を閉じて、これからしばらく、黙っていた。


私は、私の役割をしなくては行けません。

久しぶりに見た、幸せそうな作者の笑顔が消えない道を…

ここは、あの大魔術師の干渉(かんしょう)する生命の樹。

油断するわけには行きません。


これはゲームの世界ではありません。

あの世とこの世の中間の世界。アストラル界なのです。

道を間違えたら…狂気の世界へと引き込まれてしまうのです。


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