次元4
作者は、少し不機嫌な顔で空を見ながら、風の精霊を召喚する
「もうっ、私より先にイメージつけちゃって(>_<。)」
呼び出された風の精霊は、伯爵が先に具現化したので、美しい北欧の女性で、裸で浮いています。
正確には、オーロラを纏っているので、その光で危ない部分は隠れています。
「私が自ら召喚したのだぞ、普通、ここは喜ぶところじゃないか。」
伯爵は、カエルの姿で格好つけています。
「200年前のデザインでしょ?私はラノベ作家をめざしてるのっ、令和でっ。
どんなに有名で、価値があったって、ゴッホが表紙じゃ、売れないのよっ。」
作者は悲鳴をあげる。
「そうか…肌色成分は高めなのに…なぁ。」
伯爵の間抜けなコメントに作者は睨む。
「次はウサギかネズミになりたい?」
作者の剣幕に伯爵は肩をすくめて降参した。
「すまない。では、私はどうしたらいい?」
「何もしないで。しなくていいわ。」
作者は不機嫌にそう言うと、オーロラを幾重にも重ね、美しいナイトドレスに変える。
作者の風の精は、量子の力も関係してるので、風の精霊は電磁気力を司ります。
オーロラは、その象徴でもあるのです。
それを身につけた風の聖霊が、作者と伯爵の前で挨拶をする。
「彼女はアデニン。形成界を統べるの。」
作者は名前を呼べたことに満足する。
「形成界。天使界とも呼ばれる世界と3次元を統べる聖霊か。」
伯爵は、面白そうにアデニンを見る。
「そうよ。ゲームに例えるなら、カセットからディスクに変わった世界ね…。
私、電気屋さんで、デモビデオを見て驚いたわ…
だって、360度、アバターが回って、空に何かが浮いてるんだもん。」
作者は昔を思い出して目を細めた。
「風の聖霊…風とは大気の流れ。空間を自在に動くもの…そう考えれば、ぴったりですね。」
私が作者にそう言うと、作者は嬉しそうに笑いかけてくれました。
「そうね。でも、ここからが大変よね。次は4次元と土の聖霊なんだもん。」
作者が緊張しながらそう言った。