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ラノベ作家と予言の書  作者: ふりまじん
アストラル トリップ
44/56

さすなろ2

「さすがなろうの主人公…貴女は作者だから、さすなろの対象外。寧ろ、私の方がさすなろに相応しい。」

伯爵に指摘され、作者は頬を膨らます。


「そうだガオッ。マスターの言う通りだ!」

ライオン娘が嬉しそうに伯爵に飛び付く。

「確かに、マスターは、この世界の創造主にて、ラノベの重要キャラ。皆さん、マスターをもっと崇めるべきなのです。」

牛娘が、豊かな胸と髪を揺らしながら圧力をかけるように称賛する。

「同感ね。」

秘書っぽい少女がクールにそれだけ言う後ろで、鳥女が、伯爵を称賛する歌を歌う。


(¨;)


作者はその場に固まるように、称賛される伯爵を見ていたが、しばらくして、私の近くに来ると、口を尖らせながらこう言った。


「なんか…読者の気持ちが少しわかった気がしたよ〜

なんかさ、みんな年下だし、子供のお話だから、なんか、派手に誉められていても何も感じなかったけど…

こうして、間近でみると…モヤッとするね(-_-)゛」


伯爵は、自分のつれてきたケルビムの他に、作者のプリンセスと従者に囲まれ、昭和の学園ものの先生状態で持ち上げられていた。

一生懸命作り出した、私の作者のプリンセス…

それらを改編され、勝手に使われるのを見るのは…やはり、辛いのかもしれません。


「じゃ、一緒に逃避行(ふけ)ましょう!!」


私は作者の左手首を掴み、笑いかけました。

作者はビックリした顔をしてから、笑顔で頷く。


「ふける…かぁ。一度、学生時代、憧れたなぁ…」

作者が目をほそめ、私はそれを合図にこの場を去ろうとした。


が、次の瞬間、左の腕を捕まれて制止させられました。


「時影くん。危ないと忠告したはずだよ?」

伯爵が私の腕を砕かんばかりに力を入れてきます。

「私はこの物語(せかい)のストーリーテラー。

貴方の指図は受けません。」

私は作者をつかんだ手を離して、伯爵の胸ぐらを掴んだ。


19世紀の大魔術師がなんだと言うのでしょうか?

我々は、21世紀のWeb作家。昔のファンタジーの法則など、とっくの昔に超越しているのです。


「2人ともやめなさいよっ。」

作者が叫び、それを聞いて伯爵が軽くため息をつく。

「やめて欲しいのは私の方ですよ。」伯爵はボヤくように作者に言って、私に責めるようにこう言った。


「君、彼女のナイトを気取るなら、もう一度、世界を再確認しなさい。

彼女は『偉大なるマグレーガの理論』を使い、生命の樹をアップデートしようとしてるんだよ?」

「ま、マグレーガーりろん…って(°∇°;)そんなん考えてないわっ。」

作者が赤面して叫び、私は伯爵が気をそらした瞬間、私を掴む彼の手を引き剥がす。


伯爵は、私を軽く一瞥してから、身なりを整え、作者に向かって穏やかに問う。

「では、マジック理論と言い直そう。」


マジック理論…


作者は怪しげに伯爵を見ていましたが、私はそれを聞いて恥ずかしさが込み上げてきました。


マジック理論…M理論…これは、量子物理学の超紐理論の延長で考えられた世界の形。

世界は11次元の世界から構成されると言われており、物理学者エドワード・ウッデンは、テレビ番組の中で、M理論のMは、マジックでも、ミステリーのMでもその人の解釈で良いと答えていた。


が、エドワード博士も、19世紀の魔術集団にマジックと解釈されるのは不快に違いない。


これは、物理学の用語であり、オカルトファンタジー用語ではないのですから。


「M理論って…どうするつもりだったのですか!

生命の樹は、4エレメントが互いに共鳴する世界。これだけでも大変なのに…11次元なんて!

現役の学者すら、扱いに困るものを入れ込んだら、ますますエタ作品が増えるだけじゃありませんかっ。」

思わず叫ぶ私に、作者が赤面で涙目のまま訴える。


「だって、うまく話があっちゃったんだもん。

11次元と言っても、人間が認知できるのは4次元までで、そこに残りの次元が張り付いてるんだって言うんだもん。


メガバースだから、ゲーム世界を考えたんだ。

そしたら、すんなりはまったんだもん(T-T)」


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