4つのエレメント3
さて、いきますか。
私は、辺りが浄化するのを感じながら一歩下がり、自分を囲むように円を書いた。
魔法円は、その線を描く事で、世界を内外に分けることにあります。
これで、この線の内側に牛娘達が入ってはこられません。
私は、辺りを自分の空気に染め、そして、作者をみた。
私の創造者の作者は、私の攻撃では傷つける事は出来ません。
深呼吸をしました。
幽体とはいえ、世紀の大魔術師を射るのです。
最大出力でいくしかありません。
出来上がった空間で、私は一気に宣言した。
『ワンドのプリンセス、攻撃体制!
目標、グランストラエ伯爵!!』
私の言葉が、静かに辺りに響き、ワンドのプリンセスが背中の木刀…否、ワンドを抜いた。
と、同時に切っ先に太陽が輝き出した。
『一型能力発動!』
私の言葉に作者がビックリして口を開けています。
すいませんね。
2人きりに戻したら、いくらでも愚痴を聞きますから。
こころで謝りながら、一気に必殺技を繰り出しました。
『太陽風』
キリリとワンドのプリンセスの声が響き、発動した太陽から鷲のように広がりながら、太陽風が伯爵に向かって行きます。
伯爵は、こちらをみることなく余裕でお茶をすすり、作者が顔をひきつらせながら私をみていました。
が、私の攻撃を受ける前に、カップのプリンセスが立ちはだかりました。
『カップーのプリンセス。最強ガード発動! 深海!!』
プリンセスが両手を広げると、深い海が盾になり、太陽風を妨げました。
「ち、ちょっと!何してくれてんのよっ、私のプリンセスにっ。」
作者は、叫びあげています。
が、伯爵はそれを笑顔で受け止め、同意をするように私を責める。
「オルドビス紀のガンマ線バーストすら防いだ海の力を甘く見ては行けませんよね?
私の操るカップのプリンセスに戦いを挑むにはいささか貧相。
やはり、貴女を守るのは私の役目のようです。」
伯爵は、訳のわからない発言をしながら、少女姿の作者に迫ります。
一刻を争います。
私は、特殊召喚術の発動を決めました。
私の怒りに反応してワンドのプリンセス、シトシンの太陽がゆっくりと膨張を始めました。
まるで目玉のように、太陽黒点が成長を始めました。
「さて、本当にそうでしょうか?
オルドビス紀の絶滅が、ガンマ線バーストだと、結論が出たわけでは無いと記憶していましたが…
そう言うことでしたら…こちらも火星の海を吹き飛ばした太陽風…で攻撃させてもらいます。」
私は、伯爵を一瞥した。
不安定なこの空間で、異種の神を召喚するのは、いささか不本意ですが、仕方ありません。
私は、黒点から北欧の火の女神フレイアを召喚した。
『太陽神フレイアを召喚、超巨大 太陽風で、グランストラエ伯爵を攻撃!』
私の声に美しき半裸の女神が光を放ち伯爵を見つめた。