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ラノベ作家と予言の書  作者: ふりまじん
アストラル トリップ
34/56

変身

「マントラ…もう、そう言うの、聞きたくないのよっ(-_-#)

神呪(マントラ)だのAUMだの、保護者が本を買ってくれないじゃないっ!」

作者が不機嫌そうに言葉を投げた。

それを伯爵は余裕の笑みで受ける。

「ふふっ…書籍化を意識するとは頼もしい。」

「( 〃ー〃)いっ…意識って…一応、毎年大賞にはエントリーするから、その辺りは考えないと、一次先行で落ちちゃうじゃん。」

作者は顔を真っ赤にしています。


ああ…側に行って伯爵から守って差し上げなくては!


気持ちは()くが、足元でライオン娘が通せんぼしていては、簡単ではありません。

「がおっ。」

ライオン娘が威嚇します。

本質が見える私は、この場で吹っ飛ばしたい衝動にかられますが、作者の『可愛い』の台詞に下手に手出しは出来ないのです。


「素敵じゃありませんか。お手伝いしますよ。」

伯爵のセリフと共に秘書が2人の前にカップをおいた。

伯爵はそれを受け取り、作者に1つ差し出した。

「コーヒーです。それとも…ご婦人には紅茶の方が良かったでしょうか?」

伯爵は作者を見つめて目を細めた。


19世紀のイギリスでは、コーヒーショップは男性の社交場だったのに対し、お茶会は婦人の社交場だったのです。


「別に、コーヒー好きだから良いよ。」

12才の作者は、大人びた口調で言いながら両手でカップを持つ。

伯爵は、そんな作者のカップにミルクと砂糖をたっぷりと入れた。

「なにするのよっ。」

コーヒー好きの作者が睨む。

「貴女にはブラックはまだ早いですよ。」

伯爵の言葉に、作者は驚いて目を見張り、自分が変身しているのを思い出して苦笑する。

「ふっ…こう見えて、中身は大人なのよっ。私はブラックが好きなの。」

作者の台詞が可愛らしくて思わずこちらも笑みがこぼれてしまいます。


作者はカップを持つと、コーヒーを一口、含んでから、もう一度、驚いたようにカップを見た。


「あれ…渋く感じる。」作者の驚く顔に伯爵は満足そうに笑った。

「バーチャルと魔術は違います。

魔術においての『変身』とは、まさに『受肉』です。つまり、味覚や聴覚も若返るのです。体感してください。」

伯爵の言葉に、作者がメモを取り始めた。

「なるほど…ロリババァも色々あるんだね。

バーチャル系なら、蚊の羽音は聞こえないし、

魔術系なら、蚊の羽音まで聞こえるのか…

じゃあ…エルフはどうなんだろう?」

作者はぼやく。


全く、変な事ばかり気にするのですから。


小さな作者にほのぼのとして下を見ると、幼女ライオン娘と目があった。

「がおっ。」


はぁ…ここに来て『可愛いは正義』と言う言葉を染々と実感しました。

これから、どうしましょうか…


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