牛娘
「何者ですか?あなたは?」
私はケルビムを従える怪しげな男を見つめた。
男はネットで良く見かけるメイザースに似ていたが、しかし、人なざる異様な雰囲気をまとっていた。
男は私に軽く笑いかけ、それから、思い付いたように作者の方に向かうと彼女の前に跪く。
「申し遅れました。我が名はグランストラエ伯爵。覚えておいででしょうか?」
伯爵と名乗った男は、少し物怖じをするように作者を見つめた。
作者は溜め息をついた。
「うん…うん(T-T)」
作者は小さく頷いた。
作者の罪悪感につけ込むように、伯爵は立ち上がり作者の両手を握りしめた。
「いいえ…その様子では、すっかり、忘れてしまわれたのでしょうね。
中途半端に完結して逃げた話の事など…。」
「いっ、やぁぁぁー」
作者の悲鳴に私が駆けつけようとするのを牛娘が通せんぼします。
「マスターが話をしているのですから、邪魔しないでください。」
牛娘は、やけにセクシーな声で私を挑発する。
「私には、作者が絶対です。」
私は牛娘を睨んだ。
「時影!無礼はやめてっ(>_<。)
それはハトホル神をはじめとする古代神の化身…」
作者の絶叫に、私はあえてファイテングポーズで応えた。