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ラノベ作家と予言の書  作者: ふりまじん
アストラル トリップ
29/56

聖四文字

聖四文字…随分と盛ったものだ。


私は、作者を見て溜め息をつく。

「あなたの聖四文字(テトラグラマトン)、AGTCですよね?」

私の質問に作者は少し嬉しそうにニヤリとした。

「そうよ…良くわかったわね(* ̄ー ̄)

アデニン

グアニン

チミン

シトシン

この4つの頭文字。AGTC。これはアダムを作った聖なる文字。

テトラグラマトン!」

作者は得意気です。


「確かに…そうでしょうけど、やりすぎですよ。」

DNAの…塩基を持ち出したりして…もう、滅茶苦茶です。

あきれる私に作者は溜め息を漏らす。


「いいのよ。今さら、黄金の夜明け団の聖四文字、ヨッド・ヘイ・ヴァウ・ヘイ…なんて、知ったってどうにもならないじゃない。もう、世紀末のオカルト騒動なんてウンザリなんだわ。」

作者は投げやりに言った。

我々は少し前に、10万字の作品を完結させた。


本来の結末は、オカルト風味で、『選ばれた人間』として主人公が覚醒予定だった。

が、タイミング悪く、霊感商法が世間を騒がせたのを見て、作者は結末を変えてしまった。


我々世代には、オカルトとは昔馴染みの友人であり、厄介な友人でもあるのです。


21世紀も20年が過ぎ、ノストラダムスのネタもつきたと感じていました。

ただ、古い友人を懐かしみたいだけだったのですが、それも…難しいのかもしれません。


少し寂しい気持ちになって、私は、話題を変えようとワンドのプリンセスを見た。


そして、一番、大切なアイテムが無いことに気がつきました。


「ワンドのプリンセス、(ワンド)がありませんよ。」


そう、ワンドのプリンセスは、太陽のモチーフのついた杖を持っています。

4精霊は、各象徴を持っています。

火は杖を

水は聖杯を

地はダイヤを

風は剣を。


これらは後に、トランプのスート。

クラブ、ハート、ダイヤ、スペードに変わります。 その大切な象徴を忘れては本末転倒です。



私の説明に作者が膨れる。

「あるじゃない!」

作者が叫ぶと、男前のワンドのプリンセス、シトシンは、ニヤリと笑って背中から木刀を取り出して軽くふった。

と、同時に木刀の切っ先に意思の炎が太陽のように輝いた。


「…あれは…日本では『木刀』木の刀と言います。

誰も、杖とは言いませんよ。」


私は呆れた。


確かに、シトシンは美しく、魅力的ではあった。

が、祭りの鯔背(いなせ)なお姉さん設定は(一応、巫女的な意味合いがあった)、すっかり、80年代のヤンキーファッションにしか見えなくなっていた。


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