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ラノベ作家と予言の書  作者: ふりまじん
アストラル トリップ
26/56

色欲の悪魔

「聖少女…( -_-)なんか、頭の中でヒデキが歌いだしてるよ。」

作者はぼやく。

「知りませんよ。でも、この設定が無難でしょう。」

私の言葉に作者は不満そうに私を流し見る。

「で、何故、アスモデウスなの?メフィストがいるのに…。」

「聖少女の設定なら、アスモデウスの方が適任でしょ?

メフィストは、ファウストの望みの為に、女性の人生を玩具に出来る悪魔です。」

「ゲーテの妄想じゃない。( -_-)」

「確かに、でも、気に入りません。アスモデウスは、確かに、男を殺しましたが、好きになった女性には手を出していませんし、色欲の悪魔。

性欲と言うものは、ありすぎても困りますが、全く無くなるのも、呪いのようなものですから、話の筋道もたてやすいでしょう。」

「でも…メフィストで話を積んできたのよ。それこそ、辻褄があわなくなるわ。」

作者は眉間を寄せて険しい顔をする。

「心配いりません。メフィストは使い魔です。対して、アスモデウスはゲーティアの72悪魔の1柱。7つの大罪の悪魔としても有名です。メフィスト・フェレスが何かを依頼されたとしても不自然ではありません。」

私はそっけなく言った。


始めの設定は、物語の後々まで影響します。

ここは、しっかりと決めておかなくては、いけないのです。



「ま、いいわ。じゃあ、それで。

いつまでも、不安定な状態に出来ないから、

生命の樹をつくるわ。」

作者は、少し不機嫌そうに言って、息を大きく吐いた。

それから、少女の姿で辿々(たどたど)しく、自分の身長と同じ位の長い杖を取り出して地面に差した。


「時影…確かに、私、いい加減とは言ったわよ。

でも、それは世紀末のオカルト掲示板にいた魔法使(ウィザード)級から、と、言う意味で、生命樹(セフィロト)を全く知らないわけではないわ。


まずは10の球体を。


王冠(ケテル)を頂点に10の球体を配置。

一番下を物質世界…マルクトに。


マルクトのタロットの象徴…4つの10を召喚するわ。」

作者が言うと、炎と共に火の精霊が10の杖を供に現れる。

次に、水の精霊が10の聖杯に水を満たして現れた。

土の精霊は、10のダイヤモンドのサークルの真ん中から登場し、

最後に、風の精霊がどこからともなく現れて、10の風の剣を地に差した。


「確か、ドーンの象徴は4つの10のカード。

10は、エレメントが連なり、物質世界を構成する最終型であり、精神世界への入り口だわ。


2012年、物質に質量を与えるヒッグス粒子が発見されたわ。


そう、19世紀のインチキくさいドーンの理論は、全く間違いとも言えないのよっ(>_<)

物質は、ヒッグス粒子で質量を与えられた…形を変えた光なのよ(T-T)


私たちは、この10のエレメントを剥がしながら、光に…ケテルへと旅をするんだわっ(T-T)。」

作者は壮大に叫んではいますが、赤面しながら泣いていました。


学芸会のタヌキの踊りをさせられたときすら…ここまで、あがりはしなかったのに…


私は、必死の作者を邪魔しないように…父兄の面持ちで観察していました。


「はぁっ(T-T)。

まあ、そんなところよ。私は、原子のヒーローの上をいかなきゃいけないんだもの…

量子の世界で駆け抜けるしかないんだわ(///∇///)」

作者は、一瞬、素に戻ってふらふらしたが、次には持ち直し、話を続けた。


「故に、この世界は4つの力で構成されるわ。


まずはサラマンダーの強い力!」

作者が叫ぶと、火の精霊が激しく炎の柱を作る。

「そして、弱い力…」

作者の言葉に、水の精霊が柔らかい霧のベールを作り出す。

「そして、重力!!」

勿論、これは、地の精霊の力です。

「最後に、電磁気力!まったくもうっ…うまく、4つの力で纏まったわ(>_<。)


なろう作家の私には、これが限界だけど…

恥ずかしいけど、突っ走るわっ!


量子物理学なんて、知らんけど、つかってやるんだわぁぁ…っ」

作者が叫ぶと、風の精霊が美しい小さな雷を作り出す。


背伸びを始める作者に不安を感じながら…

私は、それでも、この、壮大な世界に見とれていた。


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